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第六話 歓迎されないボランティア


佐藤慧氏の紹介で、
陸前高田市広田町防災本部の方を紹介していただいた。

「ボランティアさせてください!」
とお願いすると、
最初は厳しい表情だった。

「若いのが、一人で何ができる。」
「どうせすぐ帰るんだろ。」

驚いた。
通常ボランティアなどに行くと、
「よく来てくれたね!」
「ありがとう」
という風に言われ、自分自身歓迎されているように感じる。
カンボジアでの支援活動を行ったとき、
カンボジアの現地に行ったら子どもたちが拍手で出迎えてくれた。

でも、本当はそうなるまでには、
そのボランティア団体と地域の方々との
信頼関係が必須だったのだ。

それに気付かされた。


また、町の方の立場に立てば、
被災してまだ間もない状態で、
20代の見ず知らずの若者がいきなり訪れ、
自分たちの大切な故郷に入ってくることを歓迎するわけはない。
まずは信頼関係を丁寧に構築していくことが大事だ。

そこで毎日顔を出して、
「私自身、今までこんなことをしてきました。」
「こんな団体を、こんな思いで立ち上げて、こんなメンバーでやっているんです。」
「どんな形であれ、10年、20年と関わらせてください。」
などとお話しさせて頂き、
「人として信頼してもらう」ということを
大切にコミュニケーションをとる中で、
それでは受け入れてみようかと言って頂けた。

宿泊場所についても、
土地とテント、バーベキューセット、
机、椅子など全部貸して頂いた。

私たちはこの地域でお手伝いさせて頂いている。
この地域に居させて頂いている。

この感覚をいつまでも忘れちゃいけない。

そして4月6日にはSETから私一人だったが、
4月11日、他のメンバーも現地に来ることができるようになった。
震災からちょうど1ヶ月が経過する日だ。

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