理学療法に役立つ睡眠のミニマム
①体温と睡眠
体温は明け方に低く、午後に高くなる。体温が下がり始めると睡眠に入りやすくなる。
②睡眠と光
概日リズムを調整し、睡眠を促すホルモン(メラトニン)は日中の光曝露が多いほど夜間に高濃度に分泌されるため、日中に十分な光を照射することは極めて重要。
認知症では体内時計の機能低下が起こり、夜間せん妄や夕暮れ症候群(夕方から不穏や徘徊が悪化する)を示しやすい。
③ホルモン・免疫などとの関係
心筋梗塞や脳梗塞が多く発生するのは自律神経が乱れるREM睡眠中や起床時。
寝不足を二日間続けただけで、食欲を抑えるレプチン分泌は減少し、食欲を高めるグレリン分泌が亢進する。
慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞、冠動脈疾患などの生活習慣病にかかりやすいと解釈できる。
④睡眠と死亡率
死亡率が最も低かったのは7時間の睡眠をとっていた群。
⑤昼寝
長時間の昼寝は睡眠慣性を生じ、昼寝後の覚醒度を低下させる。毎日長時間の昼寝(1時間以上)は高い死亡率や認知症のリスクと関連する。
一方で昼間の短時間(15時以前、20~30分)の昼寝はその後の覚醒度を向上させ、夜間の睡眠も改善させる効果がある。
参考文献 睡眠 金谷さとみ PTジャーナル第53巻 2019
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