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脳卒中

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2021年7月の記事一覧

病棟でできるプッシャーへの理学療法

病棟でできるプッシャーへの理学療法

ベッドのギャッジアップ機能を利用し介入をしていく。

まず、非麻痺側が下の側臥位で保持し、非麻痺側から感覚入力を行う。

この側臥位から両下肢をベッドから降ろし、大腿部に荷重をかけ、少しずつギャッジアップしていく。

セラピストは患者の下腿をロックし、脊柱の伸展を介助するように一側の上肢でサポートする。

ギャッジアップをしながら非麻痺側の上腕~前腕、手掌への体重の移行を誘導し、体幹を起こしながら

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麻痺側へのふらつきを改善しよう

麻痺側へのふらつきを改善しよう

足関節での姿勢制御は、身体の末梢の筋活動だけで行うことは難しく、体幹・股関節周囲の筋活動が必要となる。

すなわち、

前額面上での重心移動の際には、胸郭から骨盤を直立位に保つための体幹・股関節周囲の協調した筋活動と足関節戦略での練習が求められる。

ふらつき改善のアプローチとしては、このような姿勢制御の学習を取り入れることが重要と言える。

立位での重心移動練習を重心の移動方向と上半身の偏りに注

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膝立ちや片膝立ち練習のポイント

膝立ちや片膝立ち練習のポイント

皮質網様体路の損傷で、運動に先立つ姿勢調節にエラーを認め、

膝立ちや片膝立ち位で股関節屈伸中間位が保持できず、骨盤を中心とした姿勢戦略に介助を要す場合がある。

この場合の膝立ちや片膝立ち練習(非麻痺側下肢を立てる)のポイントとしては、

①崩れた膝立ち姿勢に対してセラピストから患者に骨盤の位置や脊柱のアライメントを伝え、自己修正を促す。

②修正した位置で患者自身に骨盤や上肢の運動を行ってもら

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覚醒が低い、、さあどうする??

覚醒が低い、、さあどうする??

意識を制御する2つのシステム

上行性網様体賦活系

下部延髄~中脳、視床下部から視床の髄板内核群を経由し大脳皮質に広汎な投射路を有す。

よって視床の髄板内核群は覚醒状態に強く影響する。

また、脊髄視床路の一部は髄板内核群にも投射しており、覚醒状態と感覚入力の関連性を示している。

視床下部調節系

視床下部は呼吸、循環、水分バランス、体温調節、栄養摂取などを司っており、自律神経の最高中枢。

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最初の一歩目、麻痺側?非麻痺側?(笑)

最初の一歩目、麻痺側?非麻痺側?(笑)

さて、片麻痺患者の歩行練習です。

立ち上がりました。

最初に踏み出すのは麻痺側でしょうか?非麻痺側でしょうか?

正解は、どちらでもよい。です。(笑)

双方の振り出しによる重心移動や関節モーメントを測定した研究があり、

詳しいことは難しいので省略しますが、、、

要約すると

非麻痺側から歩き始めた場合、前方への不安定性が強いです。

しかし、効率性でみると、無駄な重心移動が少なく、スムー

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