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【win win 交渉術】文化の異なる人を動かしプロジェクトを成功させる

 皆さんが、会社の将来をかけた業務改革のプロジェクトを推進中に、利害が異なる部門との争いになってしまったら、どうしますか?

 私はコンサルティング部門で最初に受けた教育が「win win交渉術」でした。 コンサルティング職では利害が対立する場面に出くわします。対立を、win-winに持っていく方法を、ぜひご覧ください。

#私のイチオシ


win win交渉術とは?

 表題の本では、「ハーバード流交渉術」と言っていますが、決してアメリカ流の交渉術ではありません。 心は「交渉とは、相手を打ち負かすことではなく、お互いの満足(win win)を目指すこと」なので、私は「win win 交渉術」と呼んでいます。

 win win交渉術は、以下のような部門や人と対立になったとき、その上を行く画期的な方法なんです。 表題の本を読んで、この方法を使うと、あなたの交渉術は飛躍的に向上しますよ。

  • 相手の方が強いとき?

  • 相手が話に乗ってこないとき?

  • 相手が汚い手口を使ってきたとき?

  • の図のように一時的に生産性が低下します。 それはなぜか? ちょっと考えてみて下さい。

オススメの交渉術の動画

 表題の本を読む時間のないお忙しいあなたには、23分強の動画がオススメです


交渉の失敗例 中古車販売

 中古車を売りたい人(売主・持ち主)と、買いたい人(買主)の交渉の例を見てみましょう。  

  • 売主・中古車の持ち主 

    • 高く売りたい

    • 面倒な買主には売りたくない

    • 4月30日まで使うので引き渡しはそれ以降

  • 買主 

    • 他の中古車ディーラーより安く買いたい

    • 丁寧な対応を求めたい

    • 有利なオプションを安くたくさんつけてほしい

    • 車は3月1日に欲しい

    • 売主の車は魅力あるがタイヤが古い

  • 交渉失敗の例

    • 買主「この車、気に入りましたが、タイヤが古いですね。交換してもらえませんか?」「それと、紫外線カットフィルムを貼ってもらえませんか?」「この車、3月1日までに引き渡しできますか?」

    • 売主「(面倒な客だな~)だめですねぇ。 私は4月30日まで使うので、、、」

    • 結果決裂 → 買主は別の中古車ディーラーに行く。 売主は売り損じ

成功例

 全く同じ売主・買主の会話ですが、こんな感じで進めると成功するのです。 カギとなるのは太字部分です。

  • 買主: この車気に入りました。 3月1日から使えるなら買いたいのですが

  • 売主: ありがとうございます。 実は4月30日まで使うのですが、、もしよかったら3月1日に必要な用途はなんでしょうか

  • 買主: 実は、3月初旬の土日を使って引っ越しで、この車で物を運びたいんです

  • 売主: そんなんですか! 良かった! 実は4月末まで使いたいのは平日の昼間だけなんです、よろしければ、引き渡し日は4月30日とし、3月初旬の週末は、お使いいただけますよ!

  • 買主: よかった! それで行きたいですね。 ただ、いくつかお願いがあって、、、(1) タイヤが古いので新品タイヤに交換 (2) 窓に紫外線カットフィルムを貼りたい (3) 他の中古車ディーラーでは洗車券・ガソリン券をもらえる特典があった  などなど

  • 売主: いいですよ、では価格含め条件ごとに付いて、交渉しましょう、、、、  (世間相場価格などを参照して、譲れる範囲でOptionをつけるかその分の価格を安くするか、、などを交渉)


win win交渉成功の4ステップ

物別れ、決裂を防止するのは、4つのステップです 

  1.  人と問題を分ける

    • 人: 相手の印象、感情など

    • 問題: 価格・引き渡し条件・オプション・仕様など

    • 相手が気に食わないから、ホンネの条件は出さない、、というのは人と問題をごっちゃにしています

  2.  立場ではなく、ニーズに焦点をあてる

    •  3月1日に欲しいというのは立場であり、ニーズは、3月の最初の週末に引っ越しのために車が必要ということ

    •  大切なのは、相手の主張の後ろに隠れている動機・理由を探ること

    •  対立する立場の裏には、共通するニーズが多く存在します。 この例では、3月1日~4月30日は、所有権と使用権を分けるという解があったのです

  3.  多くの選択肢(Alternative) を出し、解決策を広げる

    • パイの取り合いをする前に、双方の有利な選択肢を多く出し、パイを大きくする

    •  相手の損失が最小で、自分の利益が最大となる選択肢を多く列挙し、win winのものを選ぶ

  4.  客観的基準と決裂時を想定し、落としどころを合意 BATNA

    • BATNA とは、Best Alternative to a Negotiated Agreement の略で、3でお互いの選択肢を全て並べ、そこに市場相場などの客観的落としどころを含め、その中から、お互いがwin-winのものをできるだけ多く選ぶことを差します

    • この時、最悪決裂した時の双方の損得を明らかにすることで、BATNAの価値を明確にしておく

まとめ

 私がコンサルティング部門に移ったとき、ベルギーの研修所で「win win交渉術」の演習は強い印象に残っています。

 目からうろこだったのは「人と問題」を分け、「立場でなく、ニーズ」に焦点を当てることです。 争っていると思いもよらない解決策がたくさん出ることがわかりました。

 あなたが、他部門と交渉でお困りでしたら、ぜひこの4ステップを使ってみて下さい。 また表題「ハーバード流交渉術」の本もオススメです。

win-win 交渉の4ステップ

  1.  人と問題を分ける

  2.  立場でなく、ニーズに焦点を当てる

  3.  多くの選択肢を出し、解決策を広げる

  4.  客観的基準・決裂時の想定を使い、3からBest Altetrnativeを選ぶ

win win交渉術を体得したいとき?

 こんな有料セミナーを年2回行っています。 win win交渉術は第5回目で、事例のご説明と、チームに分かれた演習で体得頂けます。

ご興味あればコンタクトください。


第5回 win win交渉術セミナー 内容

  1.  本日の目的・意義

  2.  多様性・異文化と世界における日本の位置

  3.  人を動かす「win win交渉術」とは?

  4.  交渉術演習

  5.  演習発表

  6.  特別講演 京都の著名企業の現役部長

  7.  まとめ


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