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普通のゲイである私が受けた「職場」でのセクハラ実例集

ただただ静かに生きたい私

私は男であり、恋愛対象は男ですので、LGBTQ+ではGayに該当します。日常的に仕事を行う上で、そのこと自体が問題になることはほとんどありません。なぜならば職場ではカミングアウトはしていないからです。しかしながら言動の中にストレートからすると「?(はてな)」と思うことがあるらしく、ゲイであることが疑われることがあります。言葉遣いが丁寧すぎたり、仕草がきれいだったり(笑)。そんな時は面倒くさいと思いながらも、離婚したことをほのめかしてみたり…自分を守るためについた嘘が余計に生きにくくしてしまいます。今日は私がこれまでに受けたセクハラ(と感じた言動)を紹介してみたいと思います。どんなものがあったでしょうか?

色紙に書かれた「ホモ」

製薬企業退職時に同僚からもらったものです。その人はビジネスの最前線で働くマネージャーレベルの方でした。普段はとてもジェントルな方でしたので、その裏側を見たようでとてもショックだったことを思い出します。精神的に刺さりましたね。

「私2丁目バーのママと友達なの」

製薬企業での日常会話の一幕。「2丁目のバーのママと友達なの、今度よかったら一緒に行かない?」と女性社員から言われました。前述のとおり、カミングアウトをしている訳ではないですので、迂闊な誘いには乗りません。おそらく、この方はゲイに対して友好的であり、「隠さなくても大丈夫だよ」と応援のつもりで遠回しに伝えてきているのかもしれませんが、こちらの心の準備ができていませんから、有難迷惑のほかありません。

「ドラッグクイーンって知ってる?」

IT企業での日常会話の一幕。ドラッグクイーンとは下記の通り、ゲイ業界用語であり、一般的なものではありません。

ドラァグクイーンの起源は、男性の同性愛者性的指向の違いを超えるための手段として、ドレスハイヒールなどの派手な衣裳を身にまとい、厚化粧に大仰な態度をすることで、男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出したことにあるといわれている。

Wikipediaより一部抜粋

いわゆる「鎌かけ」って奴ですね。ゲイであることを露骨に詮索してくるのはカミングアウトの強要ですので、心地よいものではありません。

「2丁目ですごいモテそうですね」

製薬企業の飲み会での一幕。これも「鎌かけ」ですね。実際モテるんですよ、と見栄を張りたいところですけど。これは男性マネージャーから言われたことが驚きでした。倫理を大切にする会社でした。私がもしカミングアウトしていたら、褒めですけど、してませんので、単なるセクハラです。

「ゲイを嫌悪する文化もあってよいと思う」

現職での飲み会での一幕。私がゲイであることを疑われる文脈の会話で「ゲイを容認する文化(D&I,DEI)があるなら、ゲイを嫌悪する文化もあってよいと思う」という発言をされたマネージャーがいらっしゃいました。その方曰く、ゲイから若い時に何回も痴漢されたということです。そのこと自体は同じカテゴリーの人間からして申し訳ないと思うべきことかもしれませんが、直接関係ない事象を私にぶつけられても困りました。私がゲイでないということが完全に払拭されていませんから、「この人(私)がもしそうだったら?」という視点でお話されたほうがいいですね。もしもこの流れが意図的だったとしたら、懲戒案件かも。

ゲイを嫌うことは構いません

思想・良心の自由がありますので、好き嫌いがあること、それ自体は悪いことだとは思いません。しかしながら、もし次会う人が当事者だったら?誰かの一言が一生の傷になることもありますので、発言には留意していただきたいと思います。ビジネスの成功という共通の目標に向かって、必要な範囲で最小限のコミュニケーションしていきましょう。

最後に

2016年に改正された男女雇用機会均等法により、セクハラ指針も改正され、2017年1月1日から施行されています。この改正指針によると「被害を受ける者の性的指向や性自認にかかわらず、これらの者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントも、セクハラ指針の対象となる」と明記されています。つまり、職場では「LGBT」(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)などの性的少数者に対するセクハラ的言動も行ってはならない、また相談に対応できるようにするということです。多くの会社でセクハラは懲戒規定で厳罰の対象とされていますので、気になる方は調べてみてくださいね。

ひとりでも自分のセクシャリティで悲しむ人が減りますように!私はゲイのキャリアを応援しますわよ!安全な職場を一緒に築いていきましょう!

かしこ

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