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#2 デザインとは?

こんにちは、ヨシタケです。
早速ですが、今日は、「デザイン」について書いていきたいと思います。
「デザイン」といっても広義狭義でも異なるでしょうし、定義は難しいですよね。

ただ、この記事でお伝えしたいのは
「デザイン」=「意匠」「かたち」「見た目」ではないという事です。

というのも、日本では「デザインは、見た目の問題であくまでも+αの話」といった認識が未だ強く、特に公共空間における議論などで私がハードルに感じるためです。

前置きが長くなりましたが、この記事では

  • デザインとは何か

  • デザイン(特に建築や都市、ランドスケープにおける)のやり方

について私の学んだことや経験から書いていきたいと思います。


デザインとは何か


Wikipediaではこうあります。

デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。
また、デザインとは具体的な問題を解き明かすために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

まさにこの通りで、「design」に一番近い訳語は「設計」です。単に意匠の話ではなく、問題を解き明かす思考のことなんですね。
ちなみに中国語での訳も「设计」=「設計」です。

すなわち、ランドスケープデザインとは、
人間(社会)と環境の関係性に潜む具体的な(=空間的な)問題を解き明かすための創造的な思考・概念の組み立てということになります。


デザインのプロセス

前章でデザインとは何か再確認しました。
では、具体的に何をすることなのか書いていきたいと思います。

①リサーチ

1番初めにするのがリサーチです。
デザイン=問題解決の手段なので、どんな問題があるのかをリサーチしなければなりません。また、解決の可能性を探るためには地域資源を十分に理解することが必要です。

自分の足で調べる

例えば、Aが不足しているけどBが多くあるまちがあるとします。
(A,Bは産業でも空間でも人材でもよいです)
ここでAの不足を解決するために、よそからAを持ってくるというのも解決策の一つですが、あくまでも一時的な解決にすぎません。
Aが不足していてBが多くあるというのは、まちの地形や歴史、文化などを背景に過去から未来への流れの動的平衡の状態だからです。
そこで、例えば何らかの形で不足しているAの代用として多くあるBを活用する方法を考えたとします。これは、ただよそから不足を補うよりも持続的です。

このように短所(Aの不足)と長所(Bの充足)を一体的に組み合わせることが創造的な解決といえます。

ポストイットで網羅的に課題や資源をあぶりだす


②コンセプト

続いて、コンセプトの設定です。
コンセプトとは、提案の中で一貫する基本的な方向性のことです。
以下のようにコンセプトを固めていきます。

  1. ①で出てきた課題に対して、できるだけ多くアイディア(資源活用策・課題解決策)を出す。

  2. 出てきたアイディアや切り口を組み合わせたり、深堀したり、ブラッシュアップする。

  3. 重要なアイディアを選択し、それらを構造化する。

  4. 構造化したものを端的に分かりやすく表現する。(言葉と図)

コンセプトの作り方にもいくつか方法があるので、改めて別の記事で書きたいと思います。

手書きでアイディアを書き出していく

③コンセプトの具体化・表現

②で大きな方向性が決まったら、対象地にコンセプトを適応させるとどうなるかを考えていきます。
まずは、そこで想定するプログラムやアクティビティを設定したり、どんなプロセス・ステップで各方策を実装していくかを考えます。

具体的な方針がまとまったら、空間の検討です。
平面図で動線や配置を検討していきます。続いて、細部の形を検討していきます。
このプロセスについてはまた改めて詳しく書きたいと思います。
重要なのは、スケール感やプロポーション、素材の選定などです。
常にコンセプトやコンテキストに立ち返り不整合なところがないか、
或いはコンセプトが適切であったかチェックバックします。

図面のレイヤーを重ねていく
模型を作って考える


まとめ

以上がデザインを行う上での大きな流れです。
まとめると、

・デザインは問題解決の思考プロセスである。
・リサーチ、コンセプト設定、コンセプトの具体化を可逆的に行う。

というような感じです。

長くなりましたが、以上のようにアイディアを形にしていくと比較的誰でも取り組みやすいのではないでしょうか。
こうした思考のプロセスを構造化して理解することで、プレゼンテーションの際の表現に求められる抽象度・伝え方の工夫を考える際に役に立つと思います。

もちろん対象地を訪れたときに何となくイメージが沸いて、「こんな空間にしたい」というアイディアあふれてくることもあります。
そうした右脳的なアイディアと①→②→③の左脳的なアプローチの両方から検討を進められるとよいでしょう。

対象地のリサーチの仕方、コンセプトの作り方、空間の作り方、表現の方法などは、また改めて個別に記事にしていきたいと思います。

まだまだ駆け出しながら、まとめてみましたが、質問やこんなことを知りたいという事があればコメントいただけると励みになります。


最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた。

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