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今更聞けない...カジュアル面談のやり方

採用に携わっている方はもちろん、そうではない方もカジュアル面談という言葉を耳にすることが増えてきたのではないでしょうか?
ダイレクトリクルーティング(候補者様へのスカウトなど)を用いた採用では、必須のプロセスになっていますが、実はカジュアル面談の位置付けがよくわかっていない、誰にもやり方を教わらないまま自己流でやっている方も多いのではないでしょうか?
そんな採用担当者や面接官向け今更聞けないカジュアル面談のやり方をこのnoteでお伝えしたいと思います。


株式会社トラックレコードで採用戦略・採用ブランディングの支援事業でディレクターをしている西村です。
トラックレコードでは、採用に課題を抱えている企業様(クライアント)のために採用の戦略設計や、ブランディング施策を立案、サイトやピッチ資料などのクリエイティブ制作、採用の実務支援(RPO)をおこなっています。

弊社では採用支援の一環で、カジュアル面談を導入する企業や、これから採用に携わる担当者向けにレクチャーをおこなっています。このnoteでは累計1,000名以上へのカジュアル面談の支援を通じて蓄積したノウハウを「7つのステップ」にまとめています。

カジュアル面談とは?面接との違いは?

「カジュアル面談」と一般的な「面接」の違いは何かよく聞かれます。
一番の大きな違いは、採用判断を「するのか」「しないのか」になります。
候補者様とお互いの価値観をシェアしたり、会社説明をしたりと、候補者様と企業が選考前に情報交換を行う場です。
カジュアル面談後は選考に進む場合と、特にアクションを進めずに終了する場合がありますが、すぐの採用につながらなくても、カジュアル面談をきっかけにつながりができるので、興味を持ってもらえると、時間が経ってから応募するケースもあります。

カジュアル面談のきっかけとしてはビズリーチなどのダイレクトスカウトで企業側からお声がけをしていることが多いです。そのため、候補者様は応募する意思はなく、「興味があるから話聞いてみたい」という状態です。
基本的に企業について知らない状態なので、企業や仕事に興味を持ってもらえるようにアトラクトをするのが目的です。
「企業から話をさせてください」というお願いのスタンスです。

カジュアル面談を有意義な時間にするために大切なこと

事前に注意する3つのポイントについて、説明します。

1.事前に候補者様のレジュメを読み込んでおきましょう

事前に候補者様の情報をインプットしたうえで、カジュアル面談に望むことが大事です。企業からお誘いしているため、候補者様について知っていることが礼儀になります。共通点などがある場合は積極的に共有することでより親近感が沸きます。カジュアル面談の前に少なくとも30分は時間を確保して、準備するのがよいでしょう。また質問は聞き忘れてしまうことのないよう、質問の事前準備をしてメモしておくことが大切です。

2.冒頭に選考ではないと伝える

カジュアル面談の当日、面接のように候補者様の話を一方的に深掘りしないよう注意しましょう。少しでも多くの候補者様情報を得たいと思うのは当然ですが、まだ応募自体を検討している段階です。 志望動機や経歴などについて深く聞かれると、「これは面接なのかも」と緊張感を持ってしまいます。仕事に対する価値観や将来やってみたい仕事など、反応をうかがいながら、「相手がどんな人なのか」広がる質問を意識しましょう。

3.正式に応募してもらうためアプローチする

カジュアル面談のゴールは、候補者様から正式に求人応募をしてもらうことです。候補者様にとって最初のタッチポイント。 ここでの印象が会社に対するイメージと直結する場合もあるため、企業の担当者側は「インパクター(インパクト、気付きを与えて自社を印象付ける役割)」を心掛けましょう。

当日の流れ

1.自己紹介
2.合否はない面談であることを伝達
3.会社・業務内容紹介
4.候補者様の経歴ヒアリング
5.候補者様からの質問
6.次のステップ(選考)への案内
〜面談終了後〜
7.面談内容を記録する

1.自己紹介

開始の際に話しやすい雰囲気を作れるかどうかで、カジュアル面談の質が決まります。 候補者様に親近感を抱いてもらうために、出身地・趣味など仕事とは関わりのないことを紹介することが有効です。 双方向のコミュニケーションであることを意識し、雑談を交えて緊張をほぐしましょう。
先に企業の担当者の自己紹介を行い、終わった後に「簡単に自己紹介をお願いします」と進めるのが自然です。

2.合否はない面談であることを伝える

自己紹介が済んだ後で、改めて「合否とは関係のない面談であることを再確認」しましょう。候補者様がカジュアル面談に慣れていない場合、「この面談はすでに選考の一部なのではないか?」と不安に思うこともあるでしょう。
その緊張・不安を取り除くためにも有効です。「ぜひ当社のことをよく知っていただきたい」という想いを合わせて伝えましょう。また、「この面談でどのようなことが聞けると期待して来たのか」を確認することで、候補者様とのギャップを埋めることができます。

3.会社・業務内容紹介

採用サイトや会社紹介資料などのドキュメントを利用し、事業内容、会社設立の背景、業務内容やプロジェクト、仕事の進め方、どんなメンバーがいるかを説明しましょう。実際に働いている様子がわかるエピソード、職場環境などを具体的にお伝えすることをお勧めします。また候補者様に質問を促し、イメージできていないものがないか、不明点がないか確認しましょう。

会社やポジションに関するアトラクトポイント(訴求できる魅力)を事前にリスト化しておくことで、何を紹介するかが明確になります。例えば、フルリモート・フルフレックスで自由な働き方が魅力な場合、働き方のエピソードや実際担当者がどのように働いているか一日の流れを伝えるのが効果的です。

4.候補者様の経歴ヒアリング

候補者様について理解を深めるためにヒアリングを行います。
面接ではないので、「なぜ入社したいのか」などの質問はNGです。また候補者様が答えづらいもの(例えば、現職給与)などは控えるようにしましょう。センシティブな質問をどうしても聞きたい場合は「差し支えない範囲で…」など断れるような形で進めてください。

一般的には以下のような質問が多いです。

  • 「チームでやる仕事と個人でやる仕事どちら得意か」

  • 「これまでの業務で印象に残っていること、その理由」

  • 「得意な業務/苦手な業務」

  • 「周囲からあなたはどんな人、どんなフィードバックを受けますか」

  • 「なぜ転職を検討しているのか」

  • 「転職で何を満たしたいのか、求めていること」

質問に正解はないので、候補者様に併せて聞く内容をカスタマイズしましょう。以下の観点を持ちながらヒアリングをするのが良いと思います

  • 一緒に働けそうなキャラクターか

  • チームタイプか1人で進めるタイプか

  • キャリアが自社にあっているか、求めていることを自社で叶えられるか

  • 新しいことやるタイプか、既存のものを進めるタイプか

5.候補者様からの質問

「面談を通して、質問やわかりにくかったことはありますか?」と、
会社のこと、担当者のこと、なんでもざっくばらんに質問を受けるようにしましょう。互いのミスマッチを防ぐためにも、候補者様の質問に答え、自社のリアルな魅力をアピールしましょう。

6.次のステップ(選考)への案内

双方の情報交換が終わった後、「ぜひ一緒に働きたい」と感じた場合、その想いを候補者様に伝えましょう。ストレートに「ぜひ面接に進んで欲しいのですが〜〜さんはいかがでしょうか?」と聞いてみましょう。

ぜひ面接に進んでいただきたい候補者様へは面談後にすぐに連絡をしましょう。感想と合わせて連絡することで候補者様にも熱意を感じてもらいやすく、面接に進んでもらえる可能性が高くなります。
基本的には担当した方から連絡を差し上げる必要がありますが、難しい場合は採用チームに依頼してすぐにお礼の連絡を候補者様へ送りましょう。

7.面談内容を記録する

カジュアル面談を実施した際には候補者様の情報と合わせて記録を行いましょう。担当者はどのような話をしたか、どんな反応をもらったか、感想も含めて詳細に記載することをお勧めします。日をあけて面接に参加した場合や今後再度声をかける場合に記録が残っていることで当日のことを思い出したり、社内で共有したりすることができます。

まとめ

カジュアル面談と面接は大きく異なり、候補者様を評価するのではなく、候補者様に会社や仕事の魅力を知ってもらう場になります。採用はこれまでにないほど売り手市場になっているのため、企業は候補者様を選ぶ立場ではなく、選ばれる立場ということを意識し、カジュアル面談を通して候補者様に選ばれるように心がけましょう。(カジュアル面談の体験が良い会社に人が集まっています。)

本noteに記載しているカジュアル面談のやり方をぜひ、これからカジュアル面談を始める方、再度やり方を見直したい方の参考にしていただけますと幸いです。

最後に宣伝です。
私の所属する「トラックレコード」では、採用に課題を抱えている企業様のために採用の戦略設計や、ブランディング施策を立案、サイトやピッチ資料などのクリエイティブ制作、採用の実務支援(RPO)をおこなっています。採用に関する課題がありましたら、ぜひ以下のリンクよりご相談ください。ご連絡お待ちしています。


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