大いなる期待

　　　マグノリアカフェ、椅子以外の家具には白い布が掛けられている。数人の男女が規則的に壁に向かい椅子を取る。五味 徹が遠藤春海を意識をして、白い壁の映像へ指を指す。
五味『「君の瞳に乾杯」って言う言葉ここからきてるんだよ』
春海『この映画の中で何回も言われてるのよね、監督！』
絵里奈が立ち上がる。
絵里奈『そろそろ、これから最後の上映会を始めます！今日は私がここで過ごした三年間撮りためた写真のスライドショーになります』

　　　白い壁にはスライドショーのエンドロールが流れてる。春海が座りながら顔を下げ、鼻をすすっている。
春海『監督、なにかお話ししてください』
五味『終わっていく寂しさを感じながら、また新たに始まる世界に対して期待を抱き、心を躍らせていく。そんな時間も悪くないね』
春海『監督ったら。。。。。』
春海『きっと、次に迎える新しい世界もそんな瞬間の連続なのだろう。一瞬一瞬は色々なことを思い、感じながら日々を過ごしていく。