FITT原理 トレーニング科学
トレーニングを始める際やスポーツチームの指導プランを考える際,どのようにトレーニング・練習を計画すればいいのでしょうか??
今回は,トレーニングプランを立てる上で重要なFITT原理について,述べたいと思います.
FITTとは,Frequency, Intensity, Time, Typeの頭文字をとった単語です.それぞれ,頻度,強度,時間,種類を意味します.
まず,Frequency頻度についてです.頻度とは,そのままの意味でどのくらいの頻度でトレーニングするかです.例えば,真剣にトレーニングを初めて,毎日でもジムでトレーニングしたい人は,6日/週でプランを組むかもしれないし,仕事で忙しい人は,2日/週でプランを組むかもしれません.または,2日/週は筋トレで,他の2日間はヨガをするかもしれません.頻度とは単に,トレーニング全体だけではなく,"細かい要素"に関しても”頻度”を考える必要があります.例えば,ボディメイキングのためにジムに行っている場合.部位ごとにトレーニングするかと思います.したがって,脚は週1回でも背中は週3回でプランを組むかもしれません.つまり,部位ごとの頻度を考慮する必要があります.スポーツ競技者の場合,スキルトレーニングが週4回,筋トレ週2回などが考えられます.このように,頻度と一口に言ってもトレーニングプランを組むために考えなければならないことはたくさんあります.
次に,Intensity強度です.これも読んで字のごとくどれくらいの強度(負荷)でトレーニングを行うかです.レジスタンストレーニングの場合,%1RMやRPEで組む場合がほとんどではないでしょうか?有酸素運動の場合,%VO2maxや%HRmaxで強度を決めることでしょう.単に,kgやkm/hで決めても問題ないでしょう.しかしこの場合,もしグループ全体で同じトレーニングをする場合,kgやkm/hのような絶対負荷では,各々の負荷が個人の能力に応じて変わってしまうため,%1RMや%HRのような相対負荷で組むのがいいでしょう.個人の場合は絶対負荷で問題ないでしょう.
3つめはTime時間です.時間が意味することはどのくらいの時間行うか,いつ行うかです.1回45分などです.この項目は他の項目と比べシンプルです.ただ時には,いつ行うかに関しても深く考えなければならない場合があります.例えば,1日に2回以上トレーニングを行う場合,午前1回,午後1回のように分ける場合が多いと思います.したがって,午前のトレーニングがその後の午後に行うトレーニングに影響を及ぼす可能性を考慮しなければなりません.もし,サッカーチームを指導しており週末に2部練習するとします.例えば,午前の練習でスクワットやデッドリフトなどのトレーニングで追い込んでしまった場合,午後の部で”サッカー”の練習は難しいです.ボディメイキングの場合,月曜日にスクワット,火曜日にデッドリフトと組んでしまうと,火曜日のデッドリフトはとてもきついもしくは,負荷が下がってしまいます.このように,種目や練習の順番も考慮する必要があります.
最後はType種類です.つまり,どのようなトレーニングを行うかです.目的にあった運動種目の選択が重要です.レジスタンストレーニングか有酸素運動か,さらに,レジスタンストレーニングでもマシンかフリーウエイトか,有酸素運動もHIITや長距離走など様々な選択肢があります.各々全てにメリットデメリットがあるので,それらと自分の目的を照らし合わせ取捨選択する必要があります.例えば,膝を怪我してスクワットができない場合,ハーフスクワットならできるのか(さらにリスクと比較して効果的なのか),ランジがいいのか,そもそも下半身の運動はできないのかなどを考え計画する必要があります.特に,子どもや高齢者,初心者を指導する場合,行う運動や,種目を簡単にする必要があります.高齢者は怪我のリスクが高いですし,初心者はスキルが足りないかもしれません.さらに子どもの場合.注意力を保持するのがとても難しいです.大人では単に50m走でも大丈夫ですが,小さい子どもにとって50m走はとてつもなくつまらない運動です.例えば,鬼ごっこにするなど,ゲーム要素を取り入れた場合小さい子どもでも50mをあっという間に走るでしょう.
以上がFITT原理です.時と場合,対象者によって考慮すべきポイントはかなり変わってきます.自身のトレーニング計画の場合,比較的簡単ですが,チームスポーツ,クライアントさらに子どもなどの場合かなり多くの要素を考え,計画する必要があります.
主に,スポーツ医学や子どものスポーツに関することについて配信します.