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人にしかできない営業の仕事をしよう

皆さま、向井でございます。7月に独立し7ヶ月ほど経過しましたが、元気に忙しく仕事をさせてもらっています。

生き方、時間の過ごし方、働き方、人間関係、多くの変化を楽しみながら穏やかに過ごせています。特に起業直後のためアドバイザーとしての実績がゼロの中で契約いただいた方々には頭が上がりません。周りの人たちのおかげです。本当に感謝感謝の2020年でした。

その2020年が終わり、2021年。それでも僕らの日々は続きます。営業職の皆さんは朝起きてメールチェックし、その日の打ち合わせ予定を確認し、商談や提案を行い、報告や相談をして数字管理をして、資料を作って、興奮しながら契約書類を作成して無事に締結したりと忙しくしていると思います。

営業という仕事の多くは、今も人が人として仕事をすることができていますが、世の中の偉い人たち曰く、そしてみなさん周知の通り、テクノロジーの進歩によって多くの仕事が無くなっていくぞ、と数年前から言われています。一方で新しい仕事も生まれるよね、ということで革新的な技術の誕生や発展を肯定的に見ている人たちも多く存在しています。

世界中のリーダーや学者、グローバル企業の経営者やジャーナリストを招集して行われる世界経済フォーラムが開催しているダボス会議では以前、『今の子供たちが仕事に就くとき、65%は現在存在していない仕事に就く』という議論があり、それ以降様々なメディアや見識社がその情報を引用しながら賛否を論じていたりします。

僕からすると、この65%という数字は正直どうでもいいと思ってます。それよりも例えば来年小学校に入学する子供たち(6〜7歳)が15年後に仕事に就くとき、多くの仕事は今現在存在してない可能性しかないよね、と自分ごと化できるかどうか、が大事だと思っています。

例えば日本だけに限らず、「なりたい職業」としてYouTuberが常に上位にあるのが現代です。でもこのYouTuberって僅か14年前(2007年)に生まれた職業です。それが今や職業として仕事として世に認知されるどころか、なりたい職業トップになっていることを見ると「そりゃ15年後に新しい仕事がたくさんあるよね」というのは素直に認めざるをえないよな、と思います。

その中で、今日現在元気に営業として仕事をしている皆さんは、今後どうしていくと良いのか?何を大事にして何を捨てて良いのか?キャリアはどう考えると良いのか?自分の仕事として営業を続けて大丈夫なのか?など不安になっているかもしれません。中にはその不安を見ないようにして過ごしている人も多いかと思います。

今回の僕のnoteは「いつの時代になっても食えるようになるビジネスパーソンになるために大事だと思っている本質的な話」をしたいと思います。ここまでで約1,200文字になっちゃいました。前置きが長くてすみません。

1. 営業って何をする職種か

シンプルすぎて100人いたら100通りの答えが出てきそうな問いです。売上を作るのだ、とか顧客を成功に導くのだ、とか価値を創造して新しい未来を歩んでいくパートナーなのだ、とか色んな意見があるというのは承知で僕の考えを述べさせてもらいますね。

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組織に属している以上、そして会社の看板を背負って営業をしている以上、社内外には約束が存在します。社内においてはまず職務を遂行するという約束、つまり決められた期限までに、課せられた目標数字を達成するという約束です。そして日々の業務においてはフォーキャストがあります。とにかく高く売れば良い、というのではなく、会社と約束した目標金額に合わせて案件をコントロールしながらなるべく誤差の出ないように着地させていく、ということが求められます。

社外においても約束があります。顧客はモノ・サービスを購入することで得られる価値を期待して契約します。つまり「約束を果たしてもらえるよね」という信頼と期待値をもって契約をします。営業はその約束を守る責任があります。

また、お金が支払われることを確認するまでが営業の仕事だというのが僕の考えです。商売における約束は一方通行ではありません。買い手が売り手に期待する約束があるのと同様、売り手は買い手に対する約束として「お金をちゃんと払ってもらえるよね」というものがあります。そしてその約束が果たされているのか、気にしない方がおかしいと思っています。

このように、営業という職種の根っこを言語化するとキレイな言葉ではなくなります。視座が低いとか意義はなんだとか志はあるのか、とか思う人いると思いますが、僕からするとそれは全然違う論点です。営業という職種をより高度化して磨いていく上で、そして多くの企業や人に必要とされて自身の人材として価値を上げていくためには視座や意義、価値観や思想といったものが論点になりますが、強固な足場として腹にしっかり落としておくべき営業の本質は上記となると考えています。

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2. 売るって何か

またまた禅問答みたいな問いでしょうか。日々忙しくしているとこういう本質的な問いかけに触れることは少ないと思うので、普段使う脳みそとは違うところを刺激する意味でも、ちょっと考えてみてください。

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はい、あなたの「売る」の定義は何ですか?

意識高く営業職として仕事をしている人は「課題解決の手段である」とか「価値の対価である」とか考えたのではないでしょうか?
他にも「企業を発展させるためにお金を稼ぐ行為」という現実的なことを考えた人も多いと思います。

この「売る」ということを考えるにあたっては「ビジネス」とは切っても切り離せません。つまりビジネスのために売る行為がある、ということです。すみません、当たり前のことを言ってますよね。

では、このビジネスを成功させていく、というレベルで売ることを考えてみましょう。誰もが知ってるカーネギー氏が言っている言葉を引用してお伝えします。

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耳が痛い言葉かもしれませんね。営業の皆さんが見ると「どれだけお金を払ってもらえるかを考えるのではないんだぞ」と言っていると言えますが、これは普遍的なポイントだと思っています。
そこに即時的なお金のやり取りが発生する・しないに関わらず商売に携わる人はギバーであれ、ということですね。

では売るという行為を職種の役割として課せられている営業職にこの考え方を落とし込んでもうちょっと咀嚼した向井的な「売ること」の定義は何か?

こちらです。

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「売る」という活動のベースにはこのギバー精神がある事が非常に重要なポイントだという事です。


3. 営業によって得られるもの

給料やコミッションでしょうか?

会社によりますが、特に外資やIT業界の営業は数字を達成する事ができればコミッションという名のボーナスが得られるので、営業はたくさん稼げる、という印象があると思います。
しかし一言で営業と言っても、所属する企業によってはコミッション制度が無かったり、そもそも完全歩合制度(売れないと給料ゼロ)だったり様々です。

確かに、特に外資系のIT企業において営業職として結果を出すと、多くのお金を稼ぐ事ができます。どれくらいかというと、日本国内の給与所得者の0.2%に入るくらいはもらえる可能性があります。今でも独立した僕にはLinkedinでエージェント各社から色々な案件の話を持ち込まれますが、多くは高額な報酬を提示されます。

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20年営業職としてキャリアを築いてきた経験から言うと、この「お金」というのは「営業だから得られる特別なもの」ではないと捉えています。何故なら他にもこれくらい稼げる職種はありますからね。外資金融なんて比べ物にならないくらい稼げるし、外資コンサルも同様。スタートアップを創業して数年で成長させて大手に売却する、というのも膨大な額が入ってくるわけで。

本noteの冒頭にお伝えした通り、僕が起業して仕事を始めるにあたり、周りの人たちがお仕事を繋いでくれたり、相談に乗ってくれたり、ウィッシュリスト公開するや否や大量のギフトが家に届いたりと、様々な形で応援をしてくれるという体験をしながら、今まで以上に「営業として、正しい意味での『売る』という行為をしてきてよかった」と思ったわけです。

常にギバーとして、相手のビジネスがどうやったら上手くいくのかという視点で接するようにしてきた事は間違っていなくて、確かにすぐに「契約」とか「売上」に繋がったわけではないものの、かけがえのない財産を得てきたと「感謝できる人生」を歩んでいます。

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上述した通り、営業という職種、職務としては「売ってお金を回収する」ことですが、売るということの本質は「買い手の将来を作るための手助けをすること」と捉えると良いでしょう。
買い手の将来を作る手助けをするためには、買い手の企業としてのビジネスゴールはもとより、事業内容や競争環境を理解する必要があります。加えて買い手の人としての職責や抱えている問題、自覚すべき課題に寄り添い、何をしていく事が将来に向けたポジティブな変化に繋がるのかを思考する。これが本質的な営業の仕事の進め方だと考えています。

これら一連の活動、つまり本質的な営業活動をしていく上で必要不可欠な要素は「信頼の獲得」と「思考力」の2つです。

信用は過去の事実に基づく客観的なものであり、信頼は将来に向けた主観的なものです。信頼の前に信用を得て、積み重ねていきます。言ったことをやる・言われたことをやる・時間を守る・マナーや礼儀を蔑ろにしない・清潔感を保つ、などなど非常に基本的なことですが、これを抜きに信用は得られませんし、信用が無い上には信頼関係は成り立ちません。

このあたり、過去にnoteを書きましたので興味のある方はご一読ください。


話が逸れましたが、営業という職種を本質的に理解をしてやっていくことで得られるのは「他者との信頼関係を築く力」と「思考する力」です。SNSのトモダチ数やフォロワー数、名刺の数といった安っぽい「ジンミャク」や一時的に稼いだカネではないです。

この先も、ビジネスをしていく上で人と人の関わりは減ることはあれど無くなることは無いでしょう。

あなたを信頼し、側にいてくれる人たちは財産です。仮にオンラインが主流の環境になっても人との繋がりは不要にはなりませんし、むしろ強まっていくと考えられます。

物質的な豊かさが溢れ、世の中には問題と呼べるものが減ってきています。つまり過去から言われている「課題解決型」の売り方が通用しなくなってきています。買い手が気づいていない問題に気づかせる、問いを作る営業がこれからの時代に必要になってくると考えています。

そのためにも、お伝えした2つの「信頼を得る力」と「思考する力」を今のうちから磨いておくことをお勧めします。

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