Duality～蟻のお母さん、ありのまま～

我々人間はか弱く心許ない
宇宙の片隅で
たった一人ぼっちの旅を続けている

母なる太陽の日を浴びて
生み出された地球のゆりかごで
今日も目を覚ます

不完全な遺伝子は
今日も片割れを探す
片割れを探す悲鳴が
胸を寂しく打ち付ける

不安定な片足を引きずりながら起き上がり
ずり跡を残し残し
歩き出す

あなたを見つけたら
きっと一つになって
この不安は消え去るだろう

目を閉じたまま
光を探す旅を
あてもなくしている

砂漠の真ん中に立ち尽くして
満たされぬ豊かさの中に絶望して
座り込む

夜に太陽を探し、星を見ず
昼に月を見て、懐かしむ
いつの日かあなたに会いたい

あなたが誰かも知りもせず
わたしが誰かもわからぬまま
渇きに似た寂しさに苦しむ

うずくまり
肩を抱いて
小さな貝になって

それよりも小さな
体積の限界を突破して
質量とエネルギーの臨界までこもった

わたしはあなた
わたしは光
宇宙のつながりの中に点滅した光だった

この光は
世界を照らすだろう
この光は
世界を温めるだろう

もう探さなくていい
私を抱きしめれば
あなたは喜んでいる

わたしの苦しみは
あなたを悲しませる
だから笑って生きよう

蟻がならんで歩いている
女王アリのもとへ歩いている
ありのまま
１０匹ならんで歩いてる
ありがとう

それでいいんじゃないかな。また、明日。