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OK~いい子をやめるためのコーンスープ~


良い子でいなければならない
そんな呪縛の中で長年生きてきました

それは良い人に顔を変え
社会的にも職業的にも様々な人間関係の場で仮面をかぶり続け演じました

良い子で守っていたのは自分の存在でした
認められなければ生きていけないほどの恐怖感
母親と母親を通した世間の目が自分を縛り上げてました
まるで自由な刑務所の中にいるようでした

母のご機嫌を無意識に伺い
小さな機微に不安を感じ
気を遣って生きてきました

良い子はちゃんとエリートを目指していました
良い子だと思われるように
勉強も人付き合いも出来ているようでした

次第に人に良い子だと思われている
僕は大丈夫だと安心しました
母親も笑顔で自慢の息子だと
母の幸せだけを願いました
母の安定は僕の存在の肯定でした

しかしエリートコースは続きませんでした
使いすぎる神経は摩耗し
肉体も精神も疲れ果てました

悪い子が頭によぎるたびに
自分の存在が崩壊するほどの恐怖を感じました
何度も挫折を味わいました

人のためにと
間違った他人軸で生きたツケは
次第に肉体と精神を病んでいきました

人のためは自分の良い子を守るためでしかない
しかし良い子の自分は偽りの自分
残ったのはいつも病んだ自分でした

良い子でいれなかった自分を否定し
恐怖と怒りの中で悶々と生きてきました
母親に対する抑えきれない怒り
母親から見捨てられる恐怖
自分の中が引き裂かれる様な気持ちでした

自分が分からなくなり
どう生きたら良いか迷いました

救いはコーンスープでした

僕が小さいころ食べたかったコーンスープ
クルトンがたっぷりのって
僕はそれが大好きだった
でも、レストランのコーンスープは高い
それを食べたいとは言えませんでした

コーンスープが食べたい
僕の命が言った唯一のわがままでした

母に話を聞いてほしかったのかもしれません
辛い悲しいと言いたかったのかもしれません
抱きしめて欲しいと言いたかった

42歳のおじさんが
勇気を出してファミレスでコーンスープを注文する

自立はこんなところからです。では、また明日。

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