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コロナに負けない!局面を打開するためにしたこと

運命に従うか、それとも

学校が再開するとかしないとかのレベルはとっくに超越していた。成すすべもなくコロナ死者数が増え続けるヨーロッパやアメリカ、ブラジルの惨禍を連日報道するニュースを見るにつけ、もう元に戻ることは永遠に来ないことを悟る。いや、そう思うことで、ただただ不安を募らせるのではなく、前を向かねばならないと、自分を鼓舞する意味合いもあった。

どれだけ楽観的に見積もっても、このまま帰国予定の7月までに世界の状況が好転するとは思えない。もしかしたら1か月でも再開される可能性がないとも言えないけれど、このまま期間満了と考えた方が妥当な気がしてきた。これが高校2年ならそこまで事態は深刻でないかもしれないが、高校3年となるとどうしても受験をどうするか、が焦点になる。

当初の計画は、滞在中にフィールドワークを行い研究論文を書き上げ、総合型選抜に突撃するシナリオ。TOEFLも複数回受験を目論んでいた。しかし、外出ができなければ、都市機能も停止しているものだから、その計画は100%遂行不可能なことが決まってしまったのだ。となれば、考えられる道は2つだけ。

①外出はできないが、何等かの形で論文をまとめ、当初計画通り受験に進む

②今年の受験を諦め、帰国後一般受験の準備に入り、1年半かけて勉強する

どちらにしても、それが運命だというのなら、抗うことなく受け入れる道。コロナはほぼ全世界の人々に、程度の差こそあれ等しく課せられた試練なのだから。

新たな選択肢

次男の留学の目的は主にこんなことだった。

・自在に操れる英語力・・これは彼のロールモデルともいえる長男が、英語が使えることで自分の思うような道を現在進行形で進んでいることに感化されたもの。

・高校の「探求」授業の課題でもあった自己の関心あるテーマについての研究論文執筆・・・既に途中まで書き進めていた論文の主にフィールドワークを詰めること。

・自立・・3人きょうだいの末っ子で、どうしてもすぐに手を差し伸べかまってしまう私が子離れするのに必要な時間を持つこと。もちろん、毎朝自力で目覚めることをしないといった次男自身の自立も目的。

学習機会を奪われたまま、時間だけが満了して帰国した場合、最後の1つ以外は志半ばで終わってしまうことが明白だった。勿体ない、実に勿体ない。中途半端な英語力と研究のために、時間とお金を費やしただけという事実を残すことは悔しすぎる・・・。

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下調べ

発想の転換とはこいうことなのだろう。どうせなら卒業しちゃえばいいんじゃないの?帰らずに・・と閃いた。もし、本人にその気持ちと根性があれば、の話だが、聞いてみる価値はあるかもしれない。しかし、その前にまずは下準備が必要だ。

現地で卒業するのが容易でないことは重々承知の上、まずは可能性があるかどうかのリサーチに取り掛かった。これがNOなら、残る選択肢は成立しない。幸い、今回の留学は最初から一切エージェントを使っていないので、全てのやりとりは現地のスクールボードやホームステイエージェントと直接コンタクトができているのが功を奏す。

Possibility of Graduating from --------- HS Next Year

・・・こんなタイトルで、いつもやり取りをしていたスクールボードのインターナショナルプログラムコーディネーターにメールを出してみた。この方はもちろん面識はないのだが、昨年次男が会った時に「ああ、お母さんは◎◎ね!」と認識してくれていたとのこと。今回もすぐさま返事が返ってきて、ちょうど感染拡大期で先方も大変なタイミングにも関わらず「 I am happy to hear that you are considering extending ***'s studies for next year. 」というコメントと共に、この問いに返答できるアカデミックアドバイザーにつないでくれた。結論として

*** should be able to graduate next year (summer of 2021) if he passes the 4 courses he is taking now and is successful in his courses next year.

という回答を得る。おぉ!「あとは本人の努力次第よ」と付記されてはいるものの、卒業できる可能性があると、言ったね?言ったね?確と承りましたですよ。留学事情に詳しい方から聞いたところによると、海外でここまで確答するのは珍しいらしく、過去のやり取りから幾ばくかの信頼関係を築いていたからかもしれないし、あるいは、留学生の激減を見据えた”引き留め”のトークかもしれないが、いずれにしても、文書でお墨付きを得ることができた。

あと1年で卒業の可能性があることが分かれば次は費用のこと。

その頃、原油安が発端となってカナダドルが前年よりかなり円高になっていたことも、私の気を大きくさせていた。

学費はMedical Insurance込みで 14700ドル

ホームステイは 正規期間が 11899ドル

7/1~8/25までが 1865ドル

その時点のレート+手数料でざっと240万弱というところ。高いと言えばもちろん痛い出費ではあるのだけど、日本の高校の学費も年間で数十万、家にいれば当然食費や光熱費、その他必要経費は掛かってくる。もし1年浪人すれば、おそらくトントンになる額と予想する。これなら許容範囲かな。

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次に懸案だったのは現地の情勢のこと。

在留届を管轄の大使館に出すと、領事メールとして必要な情報を配信してくれる。その頃、コロナが中国由来のウイルスということで、アジア系の住民に対する差別についての注意喚起もされていたので、直接領事メール担当宛に、留学を続けることを検討しているのだけれども、実際現地(オタワ)の様子はどうなのか、日本人に対する差別は起きているのかと尋ねてみた。するとすぐさま返信が届き、特に事件等は起きていないし、今のところ差別があったという報告もない。ただ気になるとすれば、もしコロナに罹った場合ですね、という内容だった。

コロナウィルスに感染した場合

確かに、万が一コロナウィルスに罹ってしまったら。もちろん私がすぐに飛んでいくことは叶わない。だから、100%罹らない対策と行動をとらねばならないことを今一度肝に銘じる。合わせて、留学時強制加入の保険がCOVID-19に適用されるかどうかをスクールボードに問い合わせたところ、保険から支払い可能という情報も得た。

リスク管理の総決算

本人の努力次第で卒業は可能、学費の支払いもできるだろう、街中での差別は今のところは大丈夫、コロナに罹った場合は保険で治療。想定されるリスクについて洗いざらい調べ、これならこのままいけるだろうと自分の中で確信できたので、いよいよ次男に打診してみることに。







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