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第48回読書会レポート:百人一首~好きな歌を教えて!~(感想・レビュー)

(レポートの性質上ネタバレを含みます)

2月18日日曜日に開催しました読書会も満員御礼!
ありがとうございました(人´∀`).☆.。.:*・゚
また、キャンセル待ちでも沢山の方にご登録いただきました。
ご案内できずに残念でしたが、懲りずにまたご都合の良い時にご参加いただければ幸いです。


初めて和歌を取り上げてみての感想

和歌は専門外ですしあまり興味がなかったのですが、今年のNHK大河ドラマが紫式部とのことで、我が国の古の文化に触れるきっかけになればと思い、なんとなくとりあげてみることにしました。

蓋を開けてみると予想外に参加希望の方が殺到し、「百首全部覚えています!」という方や「カルタをたしなんでいます」とう方もいて、和歌ファンに圧倒されてしまいました笑。

学生時代にはいかに暗記するかしか考えていませんでしたが、社会に揉まれて改めて和歌を味わうと、昔も今も変わらない葛藤や苦悩に深く共感し、これまでと違う側面から鑑賞できました。


和歌の出来不出来で出世が決まる!

大河ドラマでも再現されている通り、当時の宮廷では激しい出世争いが繰り広げられていました。

和歌の実力が評価につながるとされ、当時の貴族は必死に和歌の技術を磨いたといいいます。

また、常連さんに教えていただいたのですが、当時は天皇と直接やりとりすることは叶わず、側に侍っている女官を通して行われ、「センスない歌ね」と女官に一蹴されれば取り次いでもらえなかったとか。
出世は和歌の出来次第、つまり女官を唸らせる和歌を作り、気に入られることが重要だったのです。

話は逸れますが、この名残で日本は文系理系の選択をハッキリさせるのかしら?

話を戻してこの和歌出世制度、現在の会社の昇給試験にも取り入れてほしいな~と思いました。
言葉のセンスのない人は出世させないでほしい!笑


参加者の方が選んだ歌

ということで、今回は各々に好きな歌を二首ご披露していただきました。
恋の歌が多い百人一首ですが、皆さんどんな歌を選ぶのか、センスが露骨に現れるため、地味~にドキドキしましたよ^^
早速以下に記録しておきましょう。

Hちゃん
6 鵲の わたせる橋に おくしもの しろきをみれば 夜ぞ更けにける         中納言家持
55 滝のおとは 絶えて久しく 成りぬれど 名こそながれて 猶きこえけれ       大納言公任

Mさん
34 たれをかも しる人にせむ 高砂の 松もむかしの 友ならなくに          藤原興風
93 世中は 常にもがもな なぎさこぐ あまの小舟の 綱手かなしも          鎌倉右大臣

Iっち
80 ながからむ 心もしらず くろかみの みだれてけさは 物をこそ思へ       待賢門院堀川
10 これや此 ゆくも帰るも 別れては しるもしらぬも あふ坂の関          蝉丸

Cちゃん
4 田子のうらに うち出でてみれば 白妙の ふじの高ねに 雪はふりつつ        山部赤人
50 君がため おしからざりし 命さへ ながくもがなと おもひけるかな         藤原義孝

Aさん
85 夜もすがら 物思ふ頃は 明けやらぬ ねやのひまさへ つれなかりけり        俊恵法師
86 なげけとて 月やは物を おもはする かこちがほなる 我なみだかな         西行法師

Hさん
12 天つかぜ 雲の通路 吹きとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ          僧正遍昭
2 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ あまのかぐ山             持統天皇

Aちゃん
24 この度は ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに          管家
61 いにしへの 奈良のみやこの 八重ざくら けふ九重に 匂ひぬるかな         伊勢大輔

Iさん
15 君がため 春ののに出でて わかなつむ 我衣手に 雪はふりつつ          光孝天皇
7 天の原 ふりさけみれば かすがなる  三笠の山に 出でし月かも          安倍仲麿

Tさん
17 千早振 神代もきかず たつた川 から紅に 水くくるとは           在原業平朝臣
33 久堅の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花のちるらん          紀友則

Nさん
17 千早振 神代もきかず たつた川 から紅に 水くくるとは           在原業平朝臣
13 つくばねの 嶺よりおつる みなの川 こひぞつもりて 淵となりける         陽成院

主催者
63 いまはただ 思ひたえなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな      左京大夫道雅
99 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世をおもふゆゑに 物思ふ身は        後鳥羽院


編纂した藤原定家に思いを馳せる~ 百人一首の意図とは

百人一首では恋の歌が43首と最も多く選出されていますが、最後の99番100番には寂しい幕切れの歌が配置されています。

板野博行先生の『眠れないほど面白い百人一首』によると、
政治的には負けてしまった後鳥羽院・順徳院親子の和歌を最後に持ってくることにより、和歌をこよなく愛したお二人に敬意を表すと同時に、
承久の乱で親子ともども島流しという哀しい最後を迎える運命になぞらえて、
『百人一首』は「人生」のすべてを表すものとして、その締めくくりでは人間の哀しい宿命をも感じてもらいたかったのでは、と解説されています。

そんな百人一首の編纂者、藤原定家の意を汲んで、
出世争いに疲れたときに
恋愛に敗れたときに
はたまた美しい風景を見たときに
激しい恋に落ちたときに
ぜひ皆さまの人生の傍らに百人一首を置き、パラパラとめくって先人の言葉に身を委ね深く味わってみるのもいいのではないでしょうか?


(2024年2月18日日曜開催)

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