【卒業インタビュー】開業志望でゲストハウスの住み込みヘルパー・アルバイトした1年半を振り返って
株式会社宿場JAPANでは、正社員から住み込みヘルパーまで、多種多様な働き方を取り入れています。
今回は、日本一周後に“住み込みヘルパー”としてジョイン、その後アルバイト、また開業志望でDettiプログラム修行コースにも参加した佐久間 真紀(さくま まき)さん(以後:マッキーさん)にお話を伺いました。
多様な働き方を実現する宿場JAPANで「修行」として1年半活躍してくださったマッキーさん。
ご自身の夢を叶えるために、宿場JAPANを卒業することに。
そんなマッキーさんの1年半を振り返ります。
住み込みヘルパー、ゲストハウス開業に興味がある方、ぜひご覧ください。
〈プロフィール〉
佐久間 真紀(さくま まき)
富山県出身。大学進学をきっかけに東京へ。
新卒ではスーパーマケットのお惣菜部に入社。
機械部品の専門商社へ転職し、営業事務として約20年働いた後、バイクで日本一周の旅へ。
日本一周後、宿場JAPANにジョイン。
そんなマッキーさんに、経歴や入社のきっかけ、ゲストハウスの中での思い出を聞きました。
マッキーさんのこれまでの経歴について教えてください。
食に関わる仕事に就きたいと思っていたので、新卒ではスーパーマーケットのお惣菜部門に入社しました。
しかし、会社の方針が代わり、現場での手作りお惣菜からセントラルキッチンの集中調理に変わったこととパートの方が多い職場で、パートの方に合わせた長時間労働ということもあり、次のキャリアを考えました。
その後、機械部品の専門商社に転職し、21年間勤務。
専門商社では、営業補佐や総務など幅広い業務を担当しました。
お客様のご要望をヒアリングして、やり取り、提案することにやりがいを感じていました。
「マッキーさんがいるから、この会社で買う」と言われた時が一番嬉しかったです。
バイクで日本一周しようと思ったのは何かきっかけがあったのですか。
安定した環境で楽しく働いていましたが、コロナを機に、働き方や本当に自分がしたいことについて考える時間が増えました。
当時は、定年後にバイクで日本一周をしたいと考えていましたが「したい時にできる保証はない」と感じたのが会社を辞める後押しとなりました。
約20年間、同じ会社で働いてきましたが、同じ日常が20年続くことはないんだなと。
バイクの免許はすでに取っていたので、2022年、ついに会社をやめてバイクで日本一周に出る決心をしました。
日本一周中、ライダーハウスやゲストハウスに泊まっている人と話す中で価値観が変わり、旅は人生を豊かにしてくれると気づきました。
そのタイミングで「バイクがあったからこの旅、経験ができた。バイクに恩返しをしたい、バイクに乗った(旅先で)人が集まる場所を作りたい!ゲストハウスをやろう!」と思ったのが最初に宿をやりたいと思ったタイミングです。
日本一周前も「ゲストハウス」という存在は知っていましたし、楽しい場所であるのは知っていました。
しかし、会話を回したり、積極的に話を振ったりするのは得意ではないと思っていたんです。
ですが「やっぱり楽しい!私もやりたい!」と心が決まりました。
築いてきたキャリアを手放す迷いもあったかと思うのですが、行動できたのはなぜですか?
「今やらなきゃ!」という気持ちが勝ったので迷いはありませんでした。
数年前から今後のキャリアについては悩んでいたので「これが一番やりたいことだ!!」と確信に変わったタイミングというか。
その中で宿場JAPAN(ゲストハウス品川宿)に入ろうと思った理由を教えてください!
当時、address(定額泊まり放題サービス)を使っており、ゲストハウス品川宿も登録されていたので、名前は知っていました。
また、福岡県柳川市にある「ゲストハウスほりわり」さんのインターン生(ヘルパーさん)が、宿場JAPANオーナーであるタカさんの本を読んでいて、Dettiプログラムを知りました。
ゲストハウスほりわりのオーナーさんはとても素敵な方で…。
「地域にある今川焼きの店主が高齢で、どうにかできないか」と地域の方に頼られている姿やゲストにローカルな場所を紹介している姿を見て、次は私が地域とライダーを繋げられる場所を作れたらと思いました。
ゲストハウスほりわりさんは、すごく素敵な宿で、旅が終わった後はほりわりさんでヘルパーをしようと考えていたんです。
しかし、家族とも相談して、やはり関東周辺が良いのでは?となったときに、宿場JAPANに応募しました。
開業志望だったので、Detttiプログラムもいいなと思ったのですが「参加しただけで開業はハードルが高いな…」と。
住み込みで密なコミュニケーションが取れるヘルパーに魅力を感じ、ヘルパーとしてジョインが決まりました。
ヘルパーでは、どんな仕事をしていましたか?
1日3〜4時間程度、清掃やナイトスタッフの仕事をメインでしました。
ゲストハウスのほかに、一棟貸し切りのホテルの清掃も手伝います。
基本的に1人で清掃に入ることはないので、みんなでチームワークよく清掃します。
住み込みで一番大変だったことはなんですか?
プライベートと仕事の区切りが曖昧で、常に人がいる環境に慣れるまでが大変でした。
そのため空き時間には、カフェに行ったり、図書館に行ったり、自宅に帰ったりして、1人になる時間を意識して作るように心がけました。
住み込みヘルパーでよかったことも教えてください。
ゲストと常にコミュニケーションが取れたのは住み込みだったからこそ。
ゲストのことだけを考えて、時間を気にせず接することができました。
朝ごはんを食べながらコミュニケーションを取ったり、一緒にご飯を食べに行ったり、散歩したり…。
住み込みで、ゲストと長い時間を一緒に過ごすからこそできることもたくさんありました。
ヘルパー以外の仕事はしていましたか。
ジョインしてから1ヶ月程度で、徒歩1分にある「北海道海鮮市場 がんがん。」でアルバイトを開始。
将来的には“ゲストハウス×飲食”をやりたいと考えていたので、ゲストハウスのマネージャーに相談し、紹介してもらいました。
週に2〜3日勤務し、ホールだけでなく、途中からはキッチンにも入らせていただきました。
お世話になろうと決めたのは、紹介してもらっただけが理由ではありません。
「北海道海鮮市場 がんがん。」は、北海道厚岸の牡蠣や海鮮をメインに扱っています。
実は、日本一周中に食べた厚岸の牡蠣は、今でも記憶に残っているくらいおいしいものでした。
日本一周中に上位に入るほどおいしいと感じた地域の食材を取り扱っていることにご縁を感じたのも決め手です。
北海道海鮮市場 がんがん。のオーナー三上さんには、大変お世話になりました。
調理の技術はもちろん、ゲストハウスとは違う考えや接客を知ったり、開業の壁打ちや相談もしてくださいました。
そして、なんといっても賄いがおいしかったのは嬉しかったですね。(笑)
6割辛くて、4割楽しかった?イベントクイーンの秘話
話は変わりますが、マッキーさんと言えばゲストハウスのイベントクイーンとして有名ですよね。イベントの話も聞かせてください!
昔から同窓会、BBQなどイベントが好きでやっていたので、ゲストハウスでも日本一周報告会や餃子作るイベントなど数回やったことはありました。
そんな中、マネージャーと話す中で「得意なことをもっと突き詰めてやってみたら?」と言われたのがきっかけで、修行コースのスタートと同じタイミングで、10回イベントをするという目標を立てました。
ただ、自分のアイディアや得意分野だけでは、ネタ切れだったので人を巻き込もうと。
「何のイベントをしよう」
「短いスパンでイベントに誘って、人は来てくれるかな?」
「みんなは楽しんでくれるかな?」と不安しかありませんでした。
自分の時間を削って、必死に考え、準備しました。振り返ると、4割楽しくて、6割辛かったですね。(笑)
たくさんのイベントの中で、一番印象的だったイベントはありますか?
一番やってよかったと思うのは、台湾おやき会ですね。
台湾おやきは、2024年1月、ほとんどのゲストハウスメンバーが韓国大邱に研修に行った時に、1人店長体験をした期間におこなったイベントです。
1人でゲストハウスのチェックイン業務とイベントを同時進行するのは、かなりハードでしたが、ご近所さんに協力いただきながら無事に進めることができました。
ご近所さん、ゲストさんが一緒に楽しんでいる様子をみて「私が目指している状態は、これだ!」と思ったんです。
スタッフが1人だったということもあり、自分が輪の中に入るというより、人と人を繋げて外から見てフォローすることにやりがいを感じました。
ゲストさんとご近所さんが繋がれる場を作れたのが嬉しかったですね。
“継続”は大変だったと思うのですが、改めて振り返るとどんな気持ちですか。
回数を重ねるごとに、ゲストハウスだけでなく地域とのつながりができたことが嬉しかったです。
「来てくれた人を繋げたい」という気持ちが、さらに強くなりました。
直近では、ゲストハウスを飛び出して、ご近所の古民家カフェ「茶箱」をお借りして“スナックMAKI”を定期開催しています。
現在3回目が無事に終わり、4回目も企画中です!
ご近所の方、ゲストハウスのゲストの方、もっともっといろんな方が集まって、つながる場になればと思っています。
マッキーさんはイベントだけでなく“1,000人フォトチャレンジ”もしていましたよね。
そうなんです。
1,000人と写真を撮るチャレンジ”1,000人フォトチャレンジ”を2023年7月から始めました。
このチャレンジを始めた理由は3つあって、
・ゲストハウス開業ために人とつながりたい。
・「人に声をかけるのが苦手」を克服したい。
・一緒に写真を撮ってもらうことをきっかけにお話したい。
という想いで始めました。
元々、自分から声をかけるのが得意ではなかったので、少しでも克服できたらいいな、と。
写真をきっかけに、仲良くなったり、会話が広がったりしたことで「やってよかった」と実感しました。
コツコツ続けて、やっと折り返しの500人まで来ました!
チャレンジはまだ継続中なので、今後も続けていきたいと考えています。
マッキーさんは宿場JAPANの開業支援“Dettiプログラム修行コース”にも参加されたと聞きました!内容についても詳しく聞かせてください。
4月にヘルパーとしてジョインして、同年10−12月に開催されたDetttiプログラム修行コース(以下、修行コース)にも参加しました。
私が参加した修行コースの参加者は4名。
和気藹々とした雰囲気で、それぞれの目標に向かってみんなで頑張ろう!という雰囲気で、同じ目標の人と繋がれたのがよかったです。
プログラムの内容としてはアイディアの出し合いやタカさんの講演、事業計画書に対してのフィードバック、ボブさん(弊社人事・マーケティング担当)の講演など、宿泊業に関するアレコレを聞けたのはとてもよかったです。
また、先輩であるゲストハウス蔵やゲストハウスMAYAのオーナーの話を聞けたり、SNSマーケティングを生業としている方の話を聞けたりしたのも、修行コースならではだったと思います。
また、就業体験として、姉妹店で長野県須坂市にあるゲストハウス蔵へ修行へも行きました。
蔵は、品川に比べて規模が小さい分、もっと密なコミュニケーションが取れたと思います。
修行コースが進む中で、宿の開業は違うと思った。とか…?
そうなんです。事業計画書に苦戦して…
自分自身の経験から、宿泊費を抑えたいライダーが集まれるゲストハウスを作りたいと考えていました。
ですが、作りたいと思うゲストハウスを想定するほど採算が合わなくなってしまい…。
メインの生業としてゲストハウスを運営する難しさを知りました。
「ライダー相手のゲストハウスにするのは難しい?」
「ライダー相手でなければ自分がしたいことではない?」
「家族が東京にいるので、東京でしたいと考えていたが、東京だと家賃など経費が高すぎる?」と考えていくと、今の私は開業の覚悟ができませんでした。
1年のヘルパー、半年のアルバイトを経て卒業しようと思ったきっかけをお聞きしても良いですか。
元々「1年だけ修行をする!」と決めて来ていたので、1年で辞めるつもりでした。
しかし、ヘルパーとして働いた1年で「自分は開業はしない」という気持ちや挫折感、イベントを通して継続の大切さや認めてくれる人がいる喜びなど多くの感情を知りました。
こんなにもいろんな感情を知れたのは、ゲストハウスという環境だからこそだと思います。
ヘルパーを卒業して、品川宿との関係を断つのではなく、週1でも挑戦できる場で働きたいと考えるようになりました。
宿場JAPANのおもてなし精神はすごいと思っていて、引き続き学び続けたいなと。
嬉しいですね。そこから卒業を決意した、今の気持ちも聞かせてください。
はい。私の人生のターニングポイントのひとつは、バイクでの日本一周旅だと思っています。
ヘルパーを卒業して、アルバイトに切り替えるタイミングで、バイクのレンタル店での仕事も始めました。
レンタルバイク店での仕事を始めてから「バイクがあったからこそ人生が豊かになった」と思うことが増えたんです。
ライダー向けのゲストハウスは諦めましたが、バイクで人を幸せにできる次のステップに進みたいと思っています。
バイクの知識をもっと身につけることが今の目標です。
マッキーさんの次のステップを全力で応援しています!
ありがとうございます!
宿場JAPANは卒業しますが、ご近所”茶箱”さんで開催しているイベント“スナックMAKI”は定期開催予定です。
卒業しても、みなさんと良い関係が続けられるのは宿場JAPANの良いところだと思います。
場づくりをしたいと考えている人にとって、宿場JAPANはどんな存在だと思いますか。
自分でやりたいと思ったら挑戦させてくれる、応援してくれる場だと思います。
「イベントをやりたい」と言った時にスタッフが手伝ってくれる、参加して盛り上げてくれる、「こんな人がいるよ」と紹介してくれる、コモンルームという場所を提供してくれる環境です。
良いことだけでなく、悪いことも意見してくれるのはありがたいですね。
宿場JAPANでは、一緒に働くメンバーを募集しています!
宿場JAPANでは、現在一緒に働くメンバーを募集しています。
正社員、契約社員、アルバイト、ヘルパーなど、あなたに合わせた働き方が可能です。
将来、ゲストハウスや場づくりをしたいと考えている方ももちろん大歓迎です!
まずは気軽に話を聞いてみませんか。
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