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緊急更新★今あったNスペが今年一すごくて、来週29日(木)の再放送を1人でも多く見てほしいという話

普通は摂取したものをそのまま吐き出すような便所のような下品な投稿はしたくないのだけど、来週の再放送は1人でも多く見てほしいと思ったので、即更新することにした。

(GAG宮戸君の女装がいかに女装が上手いかという記事は、明日にする。)

今年のNスペの中で一番見てほしい

「世界は私たちを忘れた〜追いつめられるシリア難民〜」

レバノンに避難した120万から150万のシリア難民がコロナ禍で窮地に追い込まれている。売春や臓器売買が広がっていたが、3月15日の非常事態宣言後、差別が拡大。難民キャンプへの襲撃事件が起こり、自殺者も現れた。深刻なのが女性と子供たちへの抑圧だ。家庭内暴力、児童労働が増えている。8月、ベイルートの爆発事件後、拡大する感染に国際機関は支援を訴えている。8か月間、シリア難民たちの姿を追ったこん身のルポ。(下記番組HPより全文抜粋)

毎度のことながら圧倒的な内容。最後の金本Dの一人称で語られるナレーションもグッときた。
コロナ禍ってコロナ系のコンテンツばかり注目されるけど、余裕のある業界・余裕のある人間こそ、もっと大きくて遠い問題があることを知るべきなんだろう。どうせ家でゴロゴロしながら偉そうにご意見を述べるのなら。

番組は兄を臓器売買目的の誘拐で亡くした少女と、キャンプの中で女性たちの拠り所になっている自立した(手に職があって売春することなく生計を立てられている)女性とそこに相談に来る家族たちの二重構造ドキュメンタリーで構成されている。

「美しいのは過去。戻りたい」

友人(と言っても“仕事場“での仲間。)との日常的いな会話で、10歳そこそこの少女がそんなことをいう世界。前向きに遺された家族(両親や妹)を鼓舞するかと思えば、受けた言葉や物理的な暴力を思い出して傷つき涙する。取材者にまっすぐ迷いない回答する姿、素直な感情を交えながらも論理立てて意見を述べられる姿は、自分の住んでいる国の、自分の同世代よりも聡明に見えた。

一方、難民キャンプで若い女性たちの相談を受けるようになった自立した大人の女性。私よりちょっと年上くらいかな。レバノン人から仕立ての仕事を受注し、夢は「裁縫をシリアの少女に教えること」だと話す。

「技術があれば、売春をする必要がない」

だからだと。彼女が関わる2家族(だったかな。メモがないので違ったらすみません)の群像が、生々しくて痛い。彼女は、兄の家庭内暴力に怯える少女に「あなたが強くならなければ」という。そうして、二人を家に呼んで兄に暴力を振るわないと誓わせる。兄は兄でシリアを離れて恐ろしい思いをしてきたことも取材されている。この、家族に悩む少女に「強くなれ」というアドバイスは、現代日本人の感覚だと「ひどい!これ以上頑張らせるなんて」と喚く人がいそう。でも、仮に「ひどい」としても、彼女が投げ出してしまったら、いずれこの家族は全員で死んでしまうのだ。そんな窮状の僅かな可能性が、彼女と兄とが強くなること。「もう頑張ることがきなくても、頑張らないと死んでしまう」という社会が、地球上に、現実にある。

番組の最後、彼女が金本Dに展望を残し、それがDにも印象に残ったという。

「女性が自立して働くこと」

そうして彼女は、近隣の工場からマスク制作の発注を始め、女性の働く場を創出しようとしていた。

彼女を見ていると、ものすごく乱暴でドライな言い方をすれば、こんな窮地にもクリエイティビティを発揮する側と助けられる側がいるということだと気付かされる。彼女が強いのは単に恵まれているとか生まれ持った性質ではなくて、きっと子供の頃から窮地の中でも目的意識を強く持って何かを生み出してきた人なのではないかと思ったのだ。

そこから、冒頭の家族を支えて働きに出る少女の家に場面が映る。

彼女はその前の場面で「コロナのせいで働きに出られなくなった」と言っていたが、近所の飲食店から食材の下拵えの仕事をとってきていた。聡明な彼女がこれから困難を乗り越えて、女性たちの救い・リーダーになっていく予感を感じさせるし、前述の女性も元々この少女のような無力な存在だったのだと読ませる展開だった。

ただ、最後また9月にビデオ通話で再会した少女は、また家族が事故に遭い、苦しさを滲ませていた。

1年で彼女は、少女から精悍な青年の顔立ちになっていたのが、なんとも痛い。

少年少女にとっての1年は永遠で、大切だ。この世界どこでも。

感情への訴求と報道のバランス

私が他局のドキュメンタリーと全く違って、Nスペを好きなのは、ここまでに述べたような感情や感性に訴える演出だけで終わらないところだ。

レバノン地区の紛争や難民の支援をする国際機関の担当者が、オンライン取材で語気を強くする。

自分たちの支援も限界に来ている、一刻も早く国際的な支援が必要だと。コロナによる外出禁止措置(しかもそれは難民に極端な自粛を要請するもの)に始まり、ベイルートで大規模な爆発事件。シリア人難民もレバノン人も、どちらも窮地だと窮状を訴えた。

生活に入り込んだ取材を見せて、時流を追って、俯瞰した立場の訴えを届けるという虫の目・魚の目・鳥の目での引き込み方・わかりやすい主題展開は報道番組の基本の話法なのだろうが、最近では「絶滅危惧種」だなあと、自社への激しい自戒の意味も込めて強く思うのであった。

2020年10月29日(木)午前0:30~午前1:20再放送

だそうです。NHK総合ですね。

どうせ何も行動しないなら、する余裕がないのなら、知らない世界でこんな理不尽な人生を送っている人たちがいるということを知るだけでも。そのまま人生を閉じる人さえいるということだけでも、知ってほしいので、ぜひ見てほしいです。

その「知る」ということを通して感性が変わり、行動が変わり、生活や仕事が変わって生産性が上がるなどして、人生が豊かになることが、報道や情報メディアの存在の意味であると私は信じています。


…これ、明日宮ちゃんのカツラの話ほんまにする?

ご清聴ありがとうございました。

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