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「日本の教育をデジタルで変える高専生」 株式会社レインボーブライト 代表取締役 佐世保高専 永江健太郎

0→1(ゼロイチ)を生み出す地方プレイヤーの「1歩目」に焦点を当てた「0.1(ゼロ テン イチ)」。地方という土地で活動している人たちは今の活動をどんなきっかけで、どんなことから始めたのか。これから新しい1歩踏み出す人を後押しするための記事です!


「日本の教育をデジタルで変える高専生」 
株式会社レインボーブライト 代表取締役 佐世保高専 4年 永江健太郎

現役の高専生でありながらオンライン指導塾の事業を行う永江健太郎君

現在、佐世保工業高等専門学校(以下、佐世保高専)に通う現役の高専生でありながら、友人と立ち上げた株式会社レインボーブライトの代表取締役を務める永江健太郎君。自分自身も学生でありながら、教育に関する強い問題意識を持つ永江君はなぜ「起業」という選択肢を選んだのか。そして、その「1歩目」はどのようなものだったのでしょうか。


自己紹介:教育をデジタルで支援する

普段は佐世保高専に通う普通の高専生

―(梶原)始めに自己紹介をお願いします。
 
(永江)佐世保高専の電気電子工学科4年で株式会社レインボーブライトの代表取締役を務めています。事業としては教育に関する事業を今年の4月から行ってます。今、稼働している事業としては、オンライン(zoom)を使って1対1での個別指導を行う、中高生向けのオンライン学習塾です。加えて、これから事業として考えているもので、個別指導塾におけるシフト管理モデルの最適化というのをやろうかなと思っています。
今、塾業界では塾の数が増えてきているんですよ。子供の数は減ってるのに塾の数が増えてるのには理由があって、「集団塾」よりも「個別塾」の利用が増えてるんです。集団塾よりも個人の学び方に沿ったやり方ができる点や、より高い質の指導を受けられる点で個別指導の塾の利用が広がっているんです。
ただ、講師と生徒っていうのは相性がすごく大事なので、教科によって得意、不得意が生徒にあるのはもちろん、教える先生にも得意、不得意があるので、そこの最適化は重要だなって思ってます。でも、そうなるとシフトを作るのが大変ですし、賃上げも進んでるので事業者も経費が増えて大変になる。そしたらまずは業務を減らす必要があると思って、その減らせる業務っていうのがシフト作りなんじゃないかなと思って、今はBtoCの事業を行ってるんですけど、今後はBtoBで全国の個別指導塾に対してこのシステムを広げていきたいなと思ってます。

マインドの「1歩目」:同世代だからできることがある

オンラインでの個別指導塾を運営する株式会社レインボーブライト

―教育に関する事業を行われてるとのことですが、教育の分野に興味をもった「きっかけ」ってなんだったんですか?

(永江)きっかけは2つあるんですけど、1つ目は中学生の時の経験です。中学校3年生の時に自分は当時、推薦で高専に合格が決まってたので、よく友達に勉強を教えてて、そしたら友達に「すごく分かりやすい!」って言ってもらえて、というのも学校の先生って40代とか50代とかすごく年が離れてるじゃないですか。それに比べて、自分は同い年だし、なにが分からないのかを分かってあげられて、共感ができるんです。もちろん1クラス40人とかを1度に指導するのはプロの先生の方が優れていると思うんですけど、1対1で指導する分には年齢が近くて、親近感が湧く同世代の方が向いているってことに気づいて、将来そういうことを仕事にしたいと思ってたんです。
もう1つのきっかけなんですけど、今って少子高齢化の社会じゃないですか。それで、ただでさえ子どもの数が少ないので、1人1人の子どもの質って言ったら言葉悪いですけど、人が少ない分、優秀な人を育てていかないといけないと思うんです。そういう意味でも教育って大事だなって思ったから今、教育に関わる事業をしています。

―自分の原体験や問題意識がきっかけで教育の分野に興味を持ったんですね。

ビジネスプランコンテストでも優秀な成績を残す

ーそしたらなんで、学校の先生とかじゃなくて起業っていう形で教育に関わることにしたんですか?

(永江)学校の先生って上に教育委員会があって、文部科学省があって、その文科省の指導方針に従って指導をしないといけないっていうのがあって、やれることが限られてしまうんです。既にある塾で働くにしても、学校の先生になるにしても、そうなんですけど結局教えるゴールが高校に受からせる、大学に受からせることになってるんです。でも、教育の本質ってそこじゃないと思っていて、数学を学ぶ、英語を学ぶとかじゃなくて学び方を学ぶっていうのが必要だと思っていて、でも「学び方を学ぶ場」っていうのが受験教育によって奪われつつあるって感じているんです。だから、自分で起業して教育に関わるって手段を選びました。

―じゃあ本当に目的を達成するための手段として「起業」を選んだだけで、もともと独立志向とか経営に興味があってやり始めたわけじゃないんですね。

(永江)それはそうですね。正直、今やってるのはビジネスですけど、お金儲けのためにやってるわけではないですし、自分でも起業するとは思ってなくて2年前とかまでは。普通にみんなと同じで就職するのかなって。だから起業に興味があって起業したわけじゃなくて、起業してから起業とか経営に興味を持った感じです。

行動の「1歩目」:目標を実現するためには、スキルと経験が必要


永江君が実際に働いた高専生専門塾 ナレッジスター

―自分で起業するしかないって思ったときに、最初なにから始めたんですか?

(永江)起業しかないって思ったのが、高専の3年の春で、その時にまずは教える立場としての経験を積まないといけないって思ったんです。ただ、どこの塾も求人が大学生からばっかりだったんですけど、「ナレッジスター」っていう高専生の専門塾みたいなところがあって、そこだったら18歳になってなくても働けるってことで採用してもらいました。ただ、そこは1年もしないで辞めました。高専の4年、大学で言うと1年生になる年で自分にとっても節目になる年だったので、そのタイミングでやめて自分で塾を作ろうと思って辞めました。
でも、「ナレッジスター」で1年間アルバイトをして、どういう風に指導したらいいかって部分と無料で人に勉強を教えるのとお金を貰って勉強を教える事の違いや責任はすごく感じました。すごい緊張感をもってやらないといけないとか、そういうのを自分で体感して、わかったっていうのは大きかったかなって思います。


取材をする中で、現状に満足せず自分のやりたいことに真っすぐで、且つ、行動力と柔軟性を持つ永江君の活動は同じ学生の僕にとっても大変刺激になりました。
永江君が取締役を務める㈱レインボーブライトのHPもぜひご覧ください!


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