見出し画像

鮮明になってゆく絵日記


”7年前の冬。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
コーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像2


---
2021.6/13(日) 更新

”7年前の冬。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
もう外は真っ暗でとても静かであった。
私の手は霜焼けになっていて、痛痒かった。指先は黒く汚れていた。
コーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
この夜、この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像2


---
2021.6/17(木) 更新

”7年前の冬。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
もう外は真っ暗でとても静かであった。
私の手は霜焼けになっていて、痛痒かった。指先は黒く汚れていた。
ホットコーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
叔母が近くで見守ってくれていた。
この夜、この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像3


---
2021.6/23(火) 更新

”7年前の冬。
この日東京は記録的な大雪に襲われていた。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
もう外は真っ暗でとても静かであった。
カッターを握っていた私の手は霜焼けになっていて、痛痒かった。指先は黒く汚れていた。
ホットコーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
叔母が近くで見守ってくれていた。
この夜、この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像4


---
2021.7/3(土) 更新

”7年前の冬。
この日東京は記録的な大雪に襲われていた。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
23時頃、もう外は真っ暗でとても静かであった。
カッターを握っていた私の手は霜焼けになっていて、痛痒かった。指先は黒く汚れていた。
ホットコーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
ダックスフンドを抱いた叔母が近くで見守ってくれていた。
この夜、この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像5


---
2021.7/13(火) 更新

”7年前の冬。
この日東京は記録的な大雪に襲われていた。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
というのも私はここ数日、神奈川寄りの東京に何度も来ていた。
そんな中、大雪の影響で各路線が運転を見合わせてしまい、1時間以上ある自宅までの帰路が完全に断たれてしまった。生気を失い、
膝まで積もる雪の中を凍えながら意識があやふやで歩いていたその時、近所に住む叔父と叔母が事情を知り、大きな車で迎えに来てくれて、さらに家に泊めてもらえることになったのだ。
23時頃、もう外は真っ暗でとても静かであった。
大量の鉛筆を削り、カッターを握っていた私の手は霜焼けになっていて、痛痒かった。指先は鉛筆の芯で黒く汚れていた。
ホットコーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
ダックスフンドを抱いた叔母が近くで見守ってくれていた。
この夜、この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像6


---
2021.7/28(水) 更新

”7年前の冬。
この日東京は記録的な大雪に襲われていた。
私は神奈川にある親戚の家にいた。
というのも私はここ数日美大受験の最中で、神奈川寄りの東京に何度も来ていた。今日まで受けた学科はことごとく手応えがなく、明日から2日間が最後の試験で後がない状態に絶望していた。
そんな中、追い討ちをかけるように大雪の影響で各路線が運転を見合わせてしまい、1時間以上ある自宅までの帰路が完全に断たれてしまった。生気を失い、膝まで積もる雪の中を凍えながら意識があやふやで歩いていたその時、近所に住む叔父と叔母が事情を知り、大きな車で迎えに来てくれて、さらに家に泊めてもらえることになったのだ。
23時頃、もう外は真っ暗でとても静かであった。
大量の鉛筆を削り、カッターを握っていた私の手は霜焼けになっていて、痛痒かった。指先は鉛筆の芯で黒く汚れていた。
ホットコーヒーを注いでもらい、1口飲んだ。
ダックスフンドを抱いた叔母が近くで見守ってくれていた。
おばあちゃんの視線も感じた。
そういえば幼い頃、同じ類の経験があった。
この夜、この1杯を飲めていなかったら、今こんな制作活動はしていなかっただろう。”

画像7


「鮮明になってゆく絵日記」
この絵日記を毎週1.2回更新して追記していくことにする。この「ある過去のワンシーン」について、記憶を頼りにすこしずつ内容を詳細にしていく。
まだ不可解なこの絵日記に情報が肉付けされていく過程を、植物の成長を見守る感覚で覗きにきてもらえると嬉しい。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?