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「葉隠」から学んだこと

「全人的な人生」

これは、三島由紀夫が愛した「葉隠」という書物から、私が、この部分はマインドフルネスに通じると感じた部分の言葉です。


「葉隠」は、武士道の代表的な書物で、江戸時代の鍋島藩士・山本常朝(じょうちょう)が口伝したものを田代陣基が筆録したもので、「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり。」という、有名な一句があり、一見、少し急進的と捉えられるような書物です。


その中に、「物が二つになるが悪しきなり。」で続く文章があるのですが、そこで、三島由紀夫は、「全人的な人生」と「単に機能に陥ってしまう人生」との違いを説いています。


三島由紀夫は、葉隠のこの部分について、「山本常朝は、武士とは、全人的な存在であり、技能だけを主にする人物は、ファンクションに堕ちた1つの機能的な歯車にすぎないという考えがあったと思われる。」と言っています。


全人的な人生とは「全体を何とかしたいという思い」で動く人生です。一方、機能に陥ってしまうというのは、その技術は素晴らしいのですが、ただその技術だけに集中しすぎて、全体が見えなくなってしまうことを言っています。


日本の思想の大家、鈴木大拙氏も、その禅についての書物の中で、二次元に分かれた瞬間に全体をとらえられなくなるというような主旨の文章が随所にあり、全く共通している部分であると思います。


ひょっとしたら、今の日本は、全体を見れなくて、部分最適だけを見てしまうような状態に陥っているのではないかと、感じてしまいます。


自分自身だけの価値観に囚われて、ただただ技能を研磨するというのではなく、国を背負ととまで大それたことは言わなくとも、国を代表するような会社づくりや人づくりを行って、道標になるような思いで仕事するということが、現代の武士道やマインドフルネスに通じるものなのかなと思いました。

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