【AIと意思決定】複雑さを飼いならせ!『予測マシンの世紀 第二部』#17
こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。
AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。
目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定(決断を解明する;判断の価値 ほか)
第七章 決定を解明する
第八章 判断の価値
第九章 判断を予測する
第十章 複雑さを飼いならす
第3部 ツール(ワークフローを分解する;決断を分解する ほか)
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来)
第二部、決断に関してです。昨日の記事は以下です。
いよいよ第十章「複雑さを飼いならす」です。
第九章では判断という領域も予測マシンで代用できることを見てきました。複雑さを飼いならすとはどういうとこか?
■複雑さを飼いならす
まずは第十章のキーポイント(まとめ)からです。
キーポイント(まとめ)
・予測を強化することで、人間であれマシンであれ、意思決定者はより多くの "if "とより多くの "then"を扱うことが出来る。その結果、より良い結果が得られる。例えば、本章でメールロボットを例に挙げたナビゲーションの場合、予測マシンは自律走行車を、制御された環境でのみ動作するというこれまでの制限から解放する。このような環境は、限られた数の「if」(または「状態」)によって特徴付けられる。予測マシンは、自律走行車が街中のような制御されていない環境で動作することを可能にする。これは、すべての潜在的な「if」を事前にコード化するのではなく、人間のコントローラーが特定の状況で何をするかを予測するように学習できるからだ。同様に、空港ラウンジの例では、予測を強化することで、「念のため」にいつも早めに出発して空港ラウンジで余計な時間を過ごすのではなく、より多くの「場合」(例えば、特定の日の特定の時間に空港に行くのにかかる時間の予測に応じて、「X時かY時かZ時に出発する」)を容易にすることが出来る。
・良い予測ができない場合、私たちは多くの「満足」をする。つまり、入手可能な情報から「十分に良い」決断をするのです。例えば、空港に行くときはいつも早めに出発し、到着したときは早めに到着したからといって待ちぼうけを食らうことも、「満足主義」の一例だ。この解決策は最適ではないが、入手可能な情報からすれば十分だ。メールロボットも空港ラウンジも、満足に対応して作られた発明だ。予測マシンは、満足する必要性を減らし、その結果、メールロボットシステムや空港ラウンジのようなソリューションへの投資に対するリターンを減らすだろう。
・私たちは、ビジネスや社会生活において満足を得ることに慣れているため、より多くの「if」や「then」を扱うことができる予測マシンの結果として、より複雑な環境でより複雑な意思決定を行うことができる膨大な変化を想像するには練習が必要だ。空港ラウンジが予測の失敗に対する解決策であり、強力な予測マシンの時代には価値が下がると考えるのは、多くの人にとって直感的ではない。もう一つの例は生検だ。生検は主に医療画像からの予測の弱さに対応するために存在している。予測マシンの信頼性が上がれば、医用画像のAIによる影響は、生検の実施に関連する仕事に大きく影響する可能性がある。空港ラウンジと生検は、どちらもリスク管理のためのソリューションだ。予測マシンは、リスク管理のための新たな優れた方法を提供するだろう。
人間であれマシンであれ、「もしもこうだったら(if)」「こうする(then)」という状況を想定します。人間のif→thenをマシンが学習できます。
人間の場合、あまりにif → thenが多いとある程度省いて妥協点を探します。しかし、マシンは多くのif→thenを扱えます。このことを想定して、人間はより複雑な環境でより複雑な意思決定を行うことができる膨大な変化を想像する練習が必要となります。
複雑な状況を飼いならすために、人間には新たなトレーニングが必要そうです。
明日以降、具体的に見ていきます。
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