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【AIを使いこなすツール】iPhoneは15年前からAIを使用!『予測マシンの世紀 第三部』#5

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■ワークフローを分解する
昨日は、MBAの採用ワークフローを分解し、仮にMBAに応募してきた学生のランク付けを出来るAIを導入したら、どのようなインパクトが出るかを見ました。もしもそのようなAIを作れたとしたら、

・ランクの高い人に優先的なインセンティブを付与可能
・願書をさばくコストが激減するので、より多くの応募数をさばける。そのたため、より多くのデータがたまる
・出願料をゼロに出来る
・MBAの採用プロセス自体が変わり、MBA市場に大きな変化をもたらす

など、大きなインパクトがあります。

本では他の例が取り上げられています。スマホです。
タイプライターを使ったことが無いのでイメージが湧かないですが、スマホのキーボードは、パソコンのキーボードよりもオリジナルの機械式タイプライターに近いものがあるそうです。

機械式タイプライターは、早く打つと動かなくなる欠点があったそうです。

そのため、キーボードにはおなじみのQWERTY配列が採用されている。これは、昔の機械式タイプライターのように、隣り合った2つのキーに当たる可能性を抑えるための設計基準です。しかし、それは同時に、どんなに速いタイピストでもスピードを落とすことになる。

QWERTY配列に関しては詳しく勉強したことが無かったです。

さて、スマホに戻ります。アップルのiPhoneのキーボードはQWERTY配列ですが、なぜかというと、人々にそれが親しまれていたからだったそうです。

ではQWERTY配列をスマホで使いやすくするにはどうすればよいでしょうか?

iPhoneの "最大の科学プロジェクト "は、ソフトキーボードだった。しかし、2006年の時点で(iPhoneの発売は2007年)、キーボードはひどいものだった。BlackBerryに勝てないばかりか、メールはおろか、テキストメッセージを打つのにも使う人がいないほど不満がたまっていた。問題は、4.7インチの液晶画面に収めるために、キーが非常に小さくなっていることだった。これでは、間違ったキーを押してしまいそうになる。多くのアップルのエンジニアは、QWERTYから脱却したデザインを考えた。

Blackberryは使ったことないですが、初期のバージョンはキーボードがハードでついていますね。では、アップルのエンジニアは上記をどう解決したのでしょうか?

小さなQWERTYキーボードに大幅に手を加えたようなキーボードが完成した。ユーザーが目にするイメージは変わらないものの、入力時には特定のキーの周囲の表面積が拡大する。例えば、"t "を入力すると、次の文字が "h "になる可能性が高いため、そのキーの周囲の面積が拡大する。その次は "e "と "i "というように、キーの周りが広がっていく。

なのかな?自分のiPhoneで試してみましたがよくわからず。ただ、使いやすいのに間違いないので、そうなっているのでしょう。これが実現できたのは、AIツールが活躍した結果です。

Appleのエンジニアは誰よりも早く、2006年に開発された機械学習を使って予測アルゴリズムを構築し、入力内容に応じてキーの大きさが変わるようにした。この技術は、現在のオートコレクトの予測入力にも受け継がれている。

なるほど、今はもう無い機能なのかもしれません。しかし、15年前に機械学習を使って改良していたとは。

これが出来たのは、根本的にはQWERTYが原因だった。隣接するキーを打たなくても済むように設計されたキーボードは、必要に応じてスマートフォンのキーを拡張することが出来る。

目的が、QWERTY配列でキーボードを打ちやすくすること、ということでしょう。
目的が定まったので、改めてQWERTY配列のキーボードを打つためのワークフローを正確に把握すれば、どこにAIを入れるかを検討できます。

iPhoneを開発するにあたり、アップルの技術者たちが行ったのは、キーボードを使うためのワークフローを正確に把握することだった。
ユーザーは、
キーを識別し、
タッチして、
次のキーに移る。
その作業の流れを分解することで、キーは同じものでなくても、識別して触ることができることに気づいたのだ。

さらに彼らは、ユーザーが次にどこに行くのかを知る方法を予測することで解決できるということに気付いたのです。ここでも、キーボードの打ちやすさの問題を予測問題に置き換えた、ということです。

このワークフローを理解することは、AIツールをどのように導入するのがベストかを考える上で非常に重要だった。これはすべてのワークフローに当てはまる。

では明日以降、いよいよAIキャンバスについてです。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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