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【最終・感染症後の世界】未来をノックする#1 イーロン・マスクが使っている公式?

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

超有名オライリーメディアの創業者ティム・オライリー氏が、感染症後の世界で必要なテクノロジーについて書いた本、「21 Technologies for the 21st Century」をまとめてきました。
いよいよ最後の第三部、「The Future Is Knocking」についてまとめます。

14. 物理的なものの(再)デザイン
15. ビジネスモデルの革新
16. 材料科学
17. プロセス制御
18. 生命科学
19. 規制・規制市場との関わり
20. より長い時間軸
21. 多様性

21世紀に求められる21のスキルの残り8スキルです。見方がとても面白いです。オライリー氏は、イノベーションに関してのディスカッションをして、イーロン・マスクの使っている(と思われる)公式を記載しています。

未来の産業はシリコンバレーで作られると思ってはならない。技術革命の頂点に立つ者は、自分たちが永遠に頂点に座ると思っているが、違う。
次の偉大なイノベーションが、前のイノベーションを導いたのと同じ産業や地域から生まれてくることはめったにない。
シリコンバレーは消費者を中心とした産業になっており、かつて新興企業が開拓したチャンスを締め出し、ベンチャーキャピタリストが資金を提供するのはせいぜい新機能で、そのような巨大企業に買収されてしまうことが多すぎるの。他の場所に目を向けるべきだ。

現在産業の中心はシリコンバレーと思いがちですが、歴史を良く振り返ると産業の中心地は変わってきています。例えば、第一次産業革命の中心地はイギリスでした。
面白いのは、今のシリコンバレーが消費者中心に立っている点。面白いスタートアップが出たら買われますね。これだと新たなイノベーションは起きない、とオライリー氏は書いています。

では今、イノベーションを必要としているのはどこか?「世界の大きな課題こそがイノベーションを必要としている」というのがオライリー氏の主張です。

気候変動の緩和と適応、気候危機を加速させたり戦争に発展させたりせずに世界の残りの数十億人を豊かにすること、難民を再定住させること、先進国の膨大な人口動態の逆転に適応すること、高齢化と病気の弊害を押し返すことなど、世界の大きな課題こそがイノベーションを必要としているのだ。

シンギュラリティ大学は、まさにこの領域に切り込んでいます。微力ながら、私が共同代表を務めるシンラボも、この分野に取り組んでいます。

現状では、これらの分野でのイノベーションは、消費者向けインターネットや家電革命で培ったスキルに依存しているが、21世紀に最も影響力のある強力な企業を築き上げた起業家たちは、より大きな問題や緊急性の高い機会に焦点を当てているだろう。そして、これらの機会の多くは、シリコンバレーの新興企業には一般的にはない方法で、現実世界のインフラと運営を必要とするだろう。

ここから、イーロン・マスクが使っている公式に関してです。オライリー氏は、イーロン・マスクを”visible climate billionaires"と表現しています。初めて聞きました。直訳すると、著名な気候億万長者、です。

シリコンバレーの多くの連続起業家と違い、イーロン・マスクは2002年にペイパルを売却して得たお金を、当時はありえないと思われたスタートアップに投資した。SpaceX(2002年)とTesla(2004年)である。どちらも典型的なシリコンバレーのスタートアップとは全く異なるスキルを必要とするが、そのスキルの一部がどのようなものなのかはこの記事の主題だ。どちらの企業も、困難で緊急性の高い問題を解決し、全く新しい産業を創造しようとする巨大な野心の例である。

典型的なシリコンバレーのスタートアップとは異なる次元のスキル、学ぶの楽しみですね。
さて、ティム・アーバン氏が、「Neuralink and the Brain's Magical Future」の中で、イーロン・マスクのアプローチを以下のように記載しています。

TeslaとSpaceXについて、私は彼の公式を理解していると思う。それは次のようなものだ。

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新しい会社を作る際、イーロン・マスクの最初の思考は、常に右から始まり、左へと進む。
彼は、世界のある特定の変化が、人類が可能な限り最高の未来を手に入れる可能性を高めることになると判断している。
彼は、大規模な世界の変化は、全人類がそれに取り組んでいるときに最も早く起こることを知っている。
そして彼は、全人類がある目標に向かって努力するのは、経済的な強制機能がある場合であることを知っている。

さらに、

イーロン・マスクが会社を設立するときの初期戦略の核心は、業界に火をつけるマッチを作り、全人類がその原因に取り組むようにすることなのだ。

テスラの場合、
気候変動特定の変化が人類にとって実存的な脅威であると考え、それを解決することが人類にとって最高の未来をもたらすことに気付いた。
これには全人類で取り組む必要がある。
テスラは、その脅威に対応するために火を灯せば儲かるお金があることを全人類に示すために考案されたマッチだったのです。

全人類が下り組むべき課題、全人類が豊かにする分野、取り組んでいきます。

明日から具体的なテクノロジーに関して書いていきます。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/


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