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フィードバックを文化に

社員の皆さん、明けましておめでとうございます。
2024年は、能登半島地震、羽田空港での接触事故と波乱の幕開けとなりました。コロナ禍もそうでしたが、私生活においてもビジネスにおいても、いつ何が起きるかわからない時代、変化のスピードがとても早い時代ですから、すべてを予測し計画に落とし込むことは不可能です。”起きたこと” や ”とったアクション” から、何を学び、次にどう活かすかを常にこころがける必要があると強く感じます。

さて、私の今年の抱負でもある新年初めのメッセージはフィードバックについてです。フィードバックとは、仕事の評価や改善点などを本人に伝えて、優れた点を自覚させたり、軌道修正を促したりすることです。当社でも1on1や評価面談などで上司から部下へのフィードバックを実施していますよね。フィードバックの語源は、英語のfeed(養分・食べ物)とback(戻す)ですから、相手にとって養分となる、つまり成長につながる行為であることが大切です。私は、皆さんが成長できる環境創りという観点からも、フィードバックをこの会社の文化として浸透させていきたいと思っています。そして、上司と部下の、または社員どうしの、さらには社外のお客様やパートナーからのフィードバックを通じて、相手の成長を想い合う組織づくりを目指していきたいと思います。


自律自走、成長のためのフィードバック

昨年1年間、グループマネジャーの研修やワークショップの場で、心理的安全性が担保された組織づくりと、なぜ仕事をするのかという”WHY”を意識することの大切さについて話をしてきました。それは、皆さんが単に指示された作業をするのではなく、その先に何を成し遂げようとしているのかという目的意識をもち、そのために何をすべきなのかを自発的に考えながら仕事に取り組んでほしいと思っているからです。そのための第一歩として、グループマネジャーには、わからないことはわからないと言える関係、お互いの考えを対話を通じて共有できる関係、指摘を素直に受け止められる関係といった組織における信頼関係づくりを意識してもらいました。

なぜこの仕事をやるのかというWHYをもとに、どのように(HOW)、何を(WHAT)するかを自分で考えながら仕事を進めるとなると、自分がとった行動が正しいのか間違っているのか、そのままで良いのか改善が必要なのかをフィードバックしなければ、自信をもって前に進むことができません。まれに、部下のできていない部分や改善すべきことだけを伝える場面を目にすることがありますが、これが続くと道に迷ったり、自信ややる気を失ってしまいます。改善点と同様に、良かった点、優れていた点についてもフィードバックをすることで、自分の判断、行動に対する正しい認識ができるようになります。今年はこのことを意識したフィードバックを心掛けましょう。

自己理解のためのフィードバック

昨年から何度か伝えている注力ポイントに自己理解がありますが、他者からのフィードバックは自己理解を深めるうえでもとても重要です。あの人は自分にはない強みをもっているな、あの人のこういうところが凄いよな、と思うことはよくあるでしょう。その心の中で思ったことを面と向かって本人に伝えたことはありますか?以前のnoteで、才能や強みは無意識のかげに隠れているため気づくのが難しいという話をしました。その人の強みは周知の事実だとしても、実は本人はそのことに気づいていないということはよくあることです。ですから、相手に対して感じたことをそのままフィードバックしてあげましょう。

そのフィードバックによって、自分自身の才能や強みに気づき、それがその人の成長や成功につながるとしたら素晴らしいことですよね。

心理学者のターシャ・ユーリックによると、自己認識には内面的自己認識と外面的自己認識のふたつがあるそうです。内面的自己認識とは「自分で自分自身をどれだけ理解しているか」、外面的自己認識とは「他者からの認識をどれだけ理解しているか」を意味します。自分自身による自己理解とともに、他者からのフィードバックによって得られる他者認識に対する理解を深めることで、新たな視点から自己理解を深めることができます。他者に対する気づきをフィードバックすると同時に、自分からフィードバックを求めるということも積極的にしてみるといいでしょう。

自己肯定感を高めるためのフィードバック

フィードバックには、相手の優れた点を伝えるポジティブフィードバックと、課題を指摘して改善を促すネガティブフィードバックがあります。改善点を指摘してもらえれば、成長のポイントがわかります。一方で、ポジティブフィードバックを受ければ、承認欲求が満たされ、自己肯定感も高まるとともに、自分の才能や強みの理解促進にもつながります。ですから、フィードバックを行う際には、これら両方の側面から実施することが大切です。

しかし、このポジティブフィードバックを受ける機会がどうしても少なくなりがちです。こと私たち人材派遣業界において、ポジティブつまり良い状況というのは、派遣技術者たちが毎日元気に現場に行って仕事をしてくれることであり、極端に言えば何も問題がないこと、普通の当たり前の状況だったりします。しかし、この”普通の当たり前の状況”に対してお客様から「今日も〇〇君出勤してくれてるよ」とか「毎日仕事をしてくれて助かるよ」などと頻繁にフィードバックを受けることはありません。それより、無断欠勤しているとか、現場で危険行為があったとか、クレーム寄りのネガティブフィードバックを受ける機会の方が多くなりがちです。

そうなると、「自分はお客様から怒られてばかり」とか、「自分たちの仕事にはあまり価値がないのではないか」などと感じてしまうのも分からなくありません。しかし、お客様が必要ない技術者との契約を更新したり、価値のないサービスを継続利用することはありませんし、事実1,800名の技術者が日々現場で一生懸命仕事をして未来づくりに貢献してくれています。担当している100人の技術者のうち、5人のネガティブフィードバックを受けたとしても、95人はフィードバックがなくとも良い状況にあるということを忘れないでください。

それでも、やっぱりポジティブフィードバックも欲しいですよね?ですから、今年から社内外問わずにポジティブなフィードバックもしっかりと可視化、言語化して、皆さんと共有できる場をつくっていきたいと思っています。ネガティブフィードバックは聞かずとももらえますが、敢えて尋ねればポジティブなフィードバックも必ずある。でも、言わなくても分かるでしょ?とか、ちょっと恥ずかしい、そんな男気溢れる昭和スタイルで言葉にできずにいるものがたくさんあるはずです。これからは、ポジティブ、ネガティブをバランスよく織り交ぜながら、正しい自己理解、自社理解につながるように、フィードバックをしあえる文化をつくっていきたいと思います。

今年もよろしくお願いします!

あとがき

  1. 長男の学校には父親聖書研究会という名のオヤジたちの集まり(ほぼ飲み会)があります。クリスマスの時にはミサがあり、神父である校長先生と一緒にお祈りをします。そして、その後のパーティでは、毎年各学年ごとに余興的な出し物(いわゆるオヤジの宴会芸)をするのですが、これが結構大変、、、ことし我ら中3生のオヤジたちは、たまたまいたギターを弾ける人、チェロを弾ける人、ノリのいい人のボーカルを中心に、尾崎豊の15の夜を熱唱。「自由になれた気がした15の夜~♫」と歌いながら、15歳の息子ではなく、自分たちが自由に飲んで騒げることを楽しむ夜でした。

  2. この年末年始は初めて海外(ベトナム)で過ごしました。日本では25日を過ぎるとクリスマスから正月ムードになりますが、ベトナムでは年末、なんなら年明けもクリスマスツリーが飾られています。31日は年越しそばならぬ年越しフォーを食べ、ホテルの部屋でNHKワールドの紅白を見ながら、2時間の時差で22時にカウントダウン。皆さんはどんな年越しでしたか?

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