人類救済学園 第肆話「恋の始まりは晴れたり曇ったりの四月のようだ」 ⅱ
【前回】
ⅱ. 鳳凰丸は立っていた。学園の外れ、古城のような建物の前。その建物はどこかねじれ、感覚を狂わすような奇妙さを漂わせている……それは、人類救済学園の図書館だ。
「うし……」
と呟き、図書館の大きな扉に手をかける。すると、扉はぎしぎしという音ともに、勝手に開いていく。「むむ」そしてその扉の向こうには……待ちかねたように立つ、長身の少年がいた。少年は芝居がかった大仰さで、腕を広げながらこう言った。
「災いよ、ついに動き出したな! 望むようにやってみるがいい!」