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日進月歩 ~Road to MBA~#105

2021/5/8:ビジネス・オーガニゼーション3④
 土曜日は、経営組織論を専門とされている山中先生の講義をとっており、4回目の講義となります。前回の講義(#99)において、組織は人に対して十分な誘因を与えることは難しく、加えて説得が重要であるとお話をさせていただいた。本講義は自組織における「誘因や説得の方法」について議論した上で、「経営者の役割」について講義が進められた。

■組織の存続(②能率:誘因と説得)

 前回の講義を基にグループディスカッションで、それぞれの企業における誘因と説得について会話をさせていただいた。

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 講義の中では肩書きについて補足の説明があり、日本の人事評価がこの誘因や説得に大きく影響していることが示されていた。
 ・肩書きに捉われずに経験で評価:『職能評価』
 ・部長や課長などの肩書きで評価:『職位評価』
ここで課題となっているのが年功序列制度で給与が上がっていくことや、責任や権限があるのに実業務をしない人がいるということがある。最近では対策として、『職務評価』といったジョブ型にシフトしている企業も増えてきているが、職務をどう定義するか、職務以外の仕事をどう評価するかについて課題は残っているように感じている。

■経営者の役割(管理機能)

 経営者は、組織を継続的に活動させることと協働体系を維持させる役割を担っており、以下のような管理機能を持つ必要がある。

➀コミュニケーションのシステムを提供すること
➁組織に不可欠な個人的努力の確保を促進すること
③目的を定式化し規定すること

➀コミュニケーションのシステムを提供すること
 職位を規定して人を配置することであり、「管理システムのデザイン」を規定することが役割となる(管理組織)。

a)管理職位の規定:組織構造の規定
b)管理者の選抜と配置:忠誠心や責任感
⇒有形の誘因、物的な誘因だけでない組織における誇りと仕事への興味が必要(組織人格による支配といった資質と専門的な能力も必要)
c)統制:協働の成否は管理組織の機能に強く依存(マネジメント)


➁個人的努力の確保
 組織外の人々を協働関係に誘引すること、さらに組織に参加した人々から貢献活動を引き出す役割となる(採用活動と貢献の確保)。

a)採用活動:宣伝活動等を通じて採用をおこなう
b)貢献の確保:モラールの維持、誘因システムの維持などの管理機能(組織への期待や信頼感が成果を促す)


③目的の定式化
 組織の目的を細分化することで、適切な目的と手段を連鎖させる。また、同時的・継続的行動の再規定と修正の役割となる(状況に応じて組織の目的を達成するために個人の内面化と合わせるために再設定される)。

a)コミュニケーションを基に個人と組織を合わせる
b)組織的意思決定:個人よりも組織の行動の方が優位性を持ち、戦略的要因を識別する(意思決定は手段を論理的に選択され、「機会主義的側面」と「道徳的側面」において決定される)

■経営者の意思決定を紐解く(アサヒビールの復活)

 ここまでの内容を振り返って、経営者としての役割で最も重要となる「意思決定」に焦点を当てて考えてみようと思う。この事例から、環境変化が起きる世の中で、企業が適応して成果をあげるために、どのような意思決定をしたらよいか。そのための「戦略的要因の探索と析出」と「目的の定式化と再規定」が遂行された事例であると感じている。

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「戦略的要因を決めることは、それ自体ただちに目的を新しいレベルに変形させる意思決定であり、新しい状況において新しい戦略的要因を探索することを強いる」(バーナード,1968)

「新しい戦略的要因を絶えず決定していく反復的意思決定が広い目的、すなわちすぐには達成されない目的の成就に必要である」(バーナード,1968)


■リーダーシップ

 組織における協働行為を存続して永続性においては、リーダーシップが必要となる。また、個人目的よりも組織目的を優先するという信念を創り出し、協働を鼓舞する力として存在する。

a)経営者のリーダーシップの本質:創造職能(信念と組織の道徳準則)
b)組織の存続:組織の「道徳性の高さ」に依存
⇒組織目的に”意味”を与え、人々を引き付ける誘因を創造する。また、個人の意思決定に対して協働の概念をもたらすことが重要となる。


 最後に、短い時間ではあったが、リーダーとマネージャーの違いについてディスカッションを実施し、まとめとしました。また、リーダーがマネジメントをすることで独占的で不信感を煽るといったマネジメントの手法についても議論が及んでいった。

○リーダー:組織の方向性を示し、先頭に立ってメンバー全員を同じ方向に導く役割(サッカーでいうとキャプテン)[ヒトに関わる]

○マネージャー:組織の規律を守った上で、部下の育成やモチベーション管理、目標達成など、幅広い業務を担う(サッカーでいうとマネージャー)[業務に関わる]

平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
【サッカー】春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
※U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B2%A9%E5%AE%97
【ビジネス】株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
【学校】中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

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