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日進月歩 ~Road to MBA~#104

2021/5/5:ヒューマン・リソース・マネジメント1④
 水曜日は、山﨑先生という新しく着任された先生(キャリアデザインやヒューマンリソースの講義をご担当)の基で学ばせていただいており、4回目の講義となります(前講義#103)。本日は、「人事評価と報酬」と題して、米国と日本の違いや評価基準・方法における事例検討や講義、研究論文から紐解いていく内容となっています。

■事例検討:人事評価なんてもういらない(リクルートワークス 2016年10-11月号)

 私はこの記事の中から「Section3:日本企業は、米国企業の変化から何を学ぶか」を重点的に読み、人事評価と報酬について予習してまとめてみました。自社における立ち位置に照らし合わせて考えてみた上で、グループディスカッションを通して理由について考えてみた。

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 米国でも変化している評価制度において、日本としての進むべき道はどこにあるのだろうか。様々な役割や要素を紐解いていくと本質は同じであると言え、高い成果を生み出すためには「コミュニケーション」が重要となっているようだ。また、業務管理とキャリア開発の関係性、人の成長と企業のパフォーマンスの関係性からMBOが導入されているが、日本では人材育成の観点が強く、うまく成果や報酬と結びついていないように感じられた。

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 さらにグループディスカッションを通して、メンバー内で理解を深めていった。他のグループ含めた発表を聞いていくと、評価方法や悩みは各社によって違ってはいたが、いくつかの要素にてまとめられるのではないかと感じた。解決方法としては、評価(基準)の公開に加えて、さらには評価と育成を別枠で管理することで曖昧さを無くすといった案が多くあげられていた。

【各グループにおける評価制度の課題】
<評価>評価する人によって変わってしまう、定性評価の基準が曖昧
<面談>過去を振り返るばかりで将来の話をしていない(業績評価のみ)
<目標>企業の目標を理解してない、期初の目標が陳腐化して曖昧になる
<組織>評価に対するマネジメント工数の不足(ミドルマネジメント層)、事業部による個別評価と人事部主導の全社評価による調整課題
<システム>MBOを導入しても達成できそうな目標しか設定しない(成果を求めて成長が促進されない)、成果と育成のどちらを重要とするか


■講義:コンピテンシー評価とMBO評価について

 能力評価の新しい概念であるコンピテンシーとは、「成果を上げ続けることのできる行動特性」や「再現性のある成果行動能力」であり、高業績者の行動特性から抽出された成果を生み出す行動能力(=発揮能力)の指標となっている。

コンピテンシーの活用場面:パフォーマンスマネジメント、人材育成、能力開発とキャリアパス、報酬など


 個人の【行動】を評価する代表的な手法として用いられるのが「コンピテンシー評価」であり、経営戦略の実現に求められる行動特性をコンピテンシーとして定義し、そのコンピテンシーを業務遂行においてどの程度発揮していたのかどうかを評価することになる。行動特性はある程度安定性が高いため、同じ等級内での昇給や上の等級に昇格することの根拠に用いる。

 個人の【結果】を評価する代表的な手法として用いられるのが「MBO評価」であり(KPIではない)、期首に経営戦略と連動した個人目標を設定し、期末にその達成度をパーセンテージで示すものである。経営目標への直接的な貢献を示していることから、賞与で報いることが多い。重要となる組織的なシステムとして、上司の役割とするモチベーション理論があげられ、ここにおける「①目標の共有⇒②支援とコーチング⇒③評価とフィードバック」がとても重要な要素になってくることもあげられていた。

■研究論文:目標管理制度の運用と従業員の内発的モチベーションの関係

 論文では「目標管理制度の運用と従業員のモチベーション」について検討した内容を取り上げている。まずは、自分自身でこの論文を読み解き、まとめる過程を経て理解を深めていった上で、3名でグループディスカッションをさせていただいた。

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 グループディスカッションの中では、確かに考え方は理解できるが、実際にこれを実践・運用するのが難しいことが主に議論としてあげられた。

【MBOとモチベーションにおける運用課題】
・相手を理解する(=上司と部下の関係性の構築)
・「任せて、任さず」(=距離感)
・個々のキャリアプランが前提(=目標設定と短期的な成果との関係)
・モチベーションを高めるために(=褒めるなどのフィードバック)

 論文の結論としては、下記2つの内容があげられている(①MBOの運用が従業員の内発的モチベーションに正の影響を及ぼす、②MBOの運用が内発的モチベーションを高める規定要素を明らかにできた)が、実際にどう運用していくのか・・・この部分が実際の企業内でも課題になっているように感じられるディスカッションであった。また、MBO評価の適切な運営が個々の内発的モチベーションが高まることが、論文から読み解くことができるのではないかと考察された。

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 このような結果の中で、個々のモチベーションを高めることが最終的に企業パフォーマンスをあげることも示唆されている。講義内ではジョブ型とMBO評価の親和性においても、普及に向けた検討が必要となると問題提起されていたため、答えがない領域ではありますが考えていきたいと思います。

平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
⚽チーム歴⚽
春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
⚽選抜歴・過去出場歴⚽
U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
👜ビジネス👜
株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
🏫学校🏫
春日井市立知多中学校/中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

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