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J1第20節 セレッソ大阪対川崎フロンターレ データプレビュー

前節湘南ホームに乗り込んで前半の小林のヘディング1得点を守り切って勝利したフロンターレ。前々節の横浜FC戦同様難しい試合になった。ただ難しい試合を勝ちきれるのが今シーズンのフロンターレ。サッカーを純粋に楽しんでいる身としてはもっとゴールを見たかったが、結果が最も重要だし昨シーズンの悔しさを晴らせる戦いぶりなので満足。さあ、そして今節は天王山アウェーセレッソ大阪戦。現在試合数は同じで勝ち点11差がついているがこの試合に勝つか負けるかで今後が決まる。どんな形でも勝っておきたい試合だ。

1.両チームの成績

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シーズン前半戦でのホームでの試合では5-2で勝利したがアウェーとなると簡単にはいかないはず。TOTALの対戦成績ではほぼ五分五分だがアウェーになるとセレッソの方に少し傾く。ただそれも昔の結果を含んでいる。最近で言うとイメージどおりセレッソの勝利が多い。せこさんのプレビューによるとセレッソ相手に直近7試合で勝利したのは今シーズンの試合のみらしい。

今シーズンのセレッソは相変わらず堅守で1試合平均で1.0。さらにホームとなると0.6点とヤンマーではほぼ点を取られない。ホームでは6回クリーンシートを達成している。それに対してフロンターレの攻撃陣がどう打破していくのか注目。ただしセレッソは直近5試合では1.4失点とかなり増加。その中でホームは1試合のみのため今回の試合に大きく影響するわけではないがフロンターレとしては希望のデータ。

対してフロンターレは前節が響いたのかアウェーでの得点が2.8で3点を下まわった。ホームで失点しないセレッソ対アウェーで得点が少し減るフロンターレという対戦に。データで見るとフロンターレが攻めてセレッソが守るというレベルが高い攻防が見れる構図になる。しかしここ2試合が難しい試合になったようにどうなるかわからないところがサッカーの楽しいところ。

2.チームスタイル分析

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下位に位置する横浜FCと湘南はどちらも攻撃におけるチームスタイル指標には特徴が現れず低い数字ばかり並んでいたが、セレッソも2位だからといって高い数字が並ぶわけではない。まず見て取れるのがカウンターの指数の低さ。セレッソは攻守においてローテンポな展開を望む。そこでボールを奪取しても素早く攻めるのではなくポゼッションを確立する。実際自陣ポゼッションの指数は60と高い数字。敵陣ポゼッションは44と高い数字ではないがシュート率とゴール率はリーグ5位と8位で比較的良い数字。敵陣でポゼッションを確立すればシュートまで至る手立ては持っている。危険なのはやはり右サイド。ゴール率は4.1%でリーグ1位。ドリブラー坂元はドリブル成功率が62%。ちなみに三笘は58%。この右サイドは注意が必要だ。ただ指数が高いのは左サイドの方。清武のサイドだ。こちらはシュート率やゴール率は高くない。この左サイドは攻撃の組み立てに使われることが多い。
守備面だとマリノスや浦和ほどではないが横幅をコンパクトに守る。またハイプレスの数値は低い。ただし前回対戦からわかるようにある程度前からボールを奪いに来る。フロンターレが最も嫌な展開はセレッソが撤退してブロックを敷き中を閉めてきた場合。こうなってしまった場合崩すのは難しい。

3.攻守のスタッツ

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堅守でこの順位にいるセレッソなので攻撃面ではあまり良いデータは並ばない。攻撃回数が17位なのはフロンターレと同じ理由か。これについては守備のことも含めて後述する。チャンス構築率が高くなくシュートも多くない。これはチームスタイルで確認したとおり自陣ポゼッションの数値が高いことから理由付けられる。また被攻撃回数は1位。ここで先ほどの攻撃回数も関係してくる。セレッソの失点が少ないのは堅守だけでなく自らボールを握る時間が長いことが理由の1つ。これはペップが目指すサッカーと同じだが、1つ違うのがペップやフロンターレは敵陣でポゼッションすることを目指すがセレッソは無理して敵陣までボールを持っていかない。これはおそらくリスク管理になっているのではないかと思う。リスクを冒して縦にボールを運ばずに自陣でボールを回し自らの攻撃時間を延ばすことで、攻撃される回数、被攻撃回数を減らしている。
つまり自陣でボールを繋ぐことによってリスクを冒さずに攻撃時間を延ばす(結果攻撃回数が少ない)。そして被攻撃回数を減らす。こうすることで失点を減らしている。しかし被シュート数はリーグ11位で低め。ここはセーブ数リーグ1位のGKキムジンションがカバーしている。

この自陣で繋ぐセレッソに対してフロンターレはハイプレスを敢行するのか。それとも442でミドルプレスにするのか。またハイプレスをするならその時間帯とそれに対するセレッソの対応は注目。

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セレッソもフロンターレもゴール期待値より多く決め、被ゴール期待値よりも決められていないという最も良いパターン。やはりゴール期待値に関してはフロンターレが被ゴール期待値に関してはセレッソが圧倒的な成績を残している。

4.得失点のプレー割合

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セレッソはクロスからの得点が7点と多く割合も高い。シュートを決めるFWの選手の質が高いのはもちろんだが、クロスの出し手である右SBの松田がクロスポイント2位という結果になっている。あとはドリブルが4点。坂元を含めて質の高い選手が揃っているのが理由かと。
フロンターレとの相性だとクロスがポイントになる。ただ割合で見ると相性が悪いように見えるが、得点数で言うとフロンターレはクロスから4点しか取られていない。そもそもリーグ最少失点なので強いて言う弱点はクロスなのかなという感じ。

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まずフロンターレではなくセレッソから。堅守を誇るセレッソだがPKからの失点が4点というのは多い気がする。この内の1点は前回対戦時のフロンターレに与えたもので、フロンターレは6点PKから獲得していることを踏まえるとセレッソはPA内での守備は慎重になるかもしれない。
ショートパスとこぼれ球で約半分の失点を占めているが合計9点なので割合は高いが他チームに比べれば少ないので欠点と言えないと思う。

5.両チームの注目選手

セレッソの注目選手は松田。セレッソには各ポジションに素晴らしい選手がいるがここは右SBで開幕戦からほぼフル出場。前節の仙台戦だけ後半78分で交代したがそれ以外はフル出場。松田のクロスポイントはリーグ2位。ちなみに左SBの丸橋もクロスポイントは高い。丸橋は3アシストしているのに対して松田はまだアシストなしだが、守備はもちろん攻撃面のポイントも好成績を残している。攻守においてセレッソの右サイドはかなり脅威。
フロンターレの注目選手は三笘。前回対戦でも得点している三笘はルーキーということもありセレッソに対して苦手意識は持っていないはず。堅いブロックを敷く相手には個人でブロックを破壊するのが手っ取り早い。三笘がドリブルでブロックを崩すのもそうだが、PKを狙いに行く意味でも三笘のドリブルは脅威になる。おそらく途中出場になると思うが期待したい。

6.まとめ

選手や鬼木監督が言うとおり34分の1の試合ではない。これに勝つか負けるかでシーズンが大きく変わる。負ければセレッソが勢いづいて8ポイントなんか簡単にひっくり返されてしまう。ただこういう試合で勝てるのが今シーズンのフロンターレ。鬼木監督の采配と選手達の躍動が楽しみだ。

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