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オススメしたいステキマガジン

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スキのストリームに埋もれさせるにはもったいない、沢村の備忘録的マガジン。読んで「これはためになる~」「はぁーええ話や…」と感じた記事をまとめさせていただいています。
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#マンガ

『宝石の国』考察(中編)

中編です。 前回の最後に「後編へ続く」と書いておきながら、とても2本には収まらないと思ったので訂正して3部構成(とりあえず)です。 前編の最後の1行も直しておきました。 イメージの圧倒的豊かさこの作品は一枚絵の完成度が高いと前編で書きました。 シンメトリックな構図、繊細な描写、キャラクターたちの美しいフォルム、モノクロなのに「色彩豊か」と言いたくなるような光と影の鮮やかな捉え方。どれも非常に見事であり、作者もそんなイラストレーション的な表現を意識して描いているのでしょう、各

『宝石の国』考察(前編)

先日、ふとしたご縁で教えてもらった漫画作品『宝石の国』。 最初こそ世界に入っていくのに苦労したものの、作中の「謎」が明らかになるにつれて惹き込まれていきました。作画といい、物語の象徴性の高さといい、好き嫌いはともかくこれは一つの傑作でしょう。 下のPVはアニメのものですが、ここでは原作漫画について言及します。 原作者は市川春子、月刊アフタヌーン連載。 2012年連載開始、コミックスは12巻まで出ており、未完。 Wikipediaはこちら。 「あらすじ」もけっこう詳細です

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帰ってきた真夜中の飲み友だち

2年かけて4pの創作漫画が描けなかったイラストレーターが1年間で474Pの漫画を描き切るまで

漫画描きたいのに、描けないってしんどくないですか? …私はかなりしんどかったです。 「創作漫画を描きたい!」と思ってからそこから約2年、描きたいのに数ページの漫画ですら描き切ることができませんでした。 しかし、その後急に描けるようになって、1年間(2022年11月〜2023年10月)で474ページの漫画を描き切ることができました。 「2年かけて4ページの創作漫画が描けなかったイラストレーターが474ページの漫画を描き切るまで」 この記事を書いている事をXでつぶやいたら、想

「わかる」と「伝わる」の間で「感情」を描く

どうもこんにちは、Studio ZOONの村松です。 前回のnoteが、編集部の後輩の質問に答えた内容をそのまま書いただけでサクッと1本記事ができたので、それに味を占めてMondに登録して質問の募集をしていました。 「いや〜、待てど暮らせど質問こないな〜」とか思ってたんですけどログインできてなかっただけで、開いてみたらたくさん質問が来ていました。すいません、ありがとうございます!そして、その中にこんな質問がありました。 なるほどです。新人作家さんからこのような悩みを聞い

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橋のたもとにて

物語作りに迷ったときのストーリーテンプレート

創作に正解はなく、ストーリー作りに正しいテンプレートなんてありませんが、 時々「まず何から描けばいいかわからない」「話の作り方がわからない」というコメントを頂くので 話作りをする上で難易度が低いと個人的に思う「描きやすい設定・ストーリー」を書いていこうと思います。 物語の流れというより、最初にアイデアを出す段階でのテンプレートとなります。 このテンプレートは 話作りに迷った時の叩き台になればと思います。 物語の骨組み ①舞台設定・現代にする ②ストーリー・1つの悩みで話

ゲーム英会話塾にハマる小4男子

作家さんが「キャラを掴む」まで押したボタンを列挙してみる

お久しぶりです、StudioZOONのムラマツです。 イキナリなんですが先日こんなツイートをしました。 新入社員のこの簡潔なまとめには本当に感心したんですが、「いや、ストーリーも大事でしょ」等と色んな意見があり、今ひとつ伝わってなかったか、とも思っていました。 そんな中、昨日も打ち合わせで「キャラを描くとはどういうことか?」みたいな話になったりして、最近だいぶキャラについて考える機会が多かったので、一度そのことについてnoteを書いてみようと思います。 マンガ制作上の最

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オット日記 / 2. オットは私を教祖だと思っている

RTAファンが「RTA in Japan」へ行ってきた【Summer 2023】

はじめに 自分は特にゲームをやる人ではないのだが、半年ほど前から『RTA in Japan』(以下RiJ)というイベントの動画をきっかけに、RTAの動画をよく見るようになった。  次第に「RiJの会場はどんな感じか知りたい」という気持ちが芽生え、 2023年夏、RiJの一般入場に当選したので、その一部始終をお話したいと思う。  なお、RiJの入場は最近は抽選制となっており、応募前は、 『まだまだゲーム勉強中の自分よりも、行きたいと思っているゲーマーさんが行くほうが良

朝5時の恋バナ、東大生活を捧げた演劇。マンガ編集者・千代田修平の“ムダ”が磨いた「センス」とは

いわゆる「勤勉」なイメージを持たれる方が、勉強そっちのけで取り組んでいたことをお聞きする連載、「そっちのけ紀」。 初回にお話をうかがったのは、小学館でマンガ編集者を務める、千代田修平(ちよだ しゅうへい)さんです。2017年に入社し、若手ながら数々のヒット作品を手がけてきました。 自身の担当作である『チ。―地球の運動について―』(魚豊・作)は累計300万部を突破し、アニメ化が決定。『日本三國』(松木 いっか・作)は現在好評連載中で、「次にくるマンガ大賞 2023」にノミネー

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オフ会に参加して人生が変わった話

「マンガとは卵かけごはんである」理論

◆「伊藤さんはマンガ読めないって言ってましたよね」 伊「読めないです」 ◆「でも『スラムダンク』は、映画見てハマって、そこから原作も全巻読んだって言ってたじゃないですか」 伊「そうですね。読みました。メッチャよかった」 ◆「マンガ読めないのに、スラダンどうやって読んだんですか」 伊「あー、いい質問ですね。一応は最後までページをめくってあらすじを追いましたし、内容は理解できました。何なら感動もしたんですけど、その、完全には読めていないといいますか」 ◆「その『完全に読めてない』