見出し画像

要約するとすごく短い話

みなさん、カラオケはお好きだろうか。

わたしは、数ヶ月に一度、行くか行かないかというレベルなので、嫌いではないものの持ち歌が少ない。

わたしにとってのカラオケとは、二次会で行くものであり、三、四曲歌えば、オールでないかぎり、おひらきになるものである。また、前回と同じ歌を選曲しても、時間が経っていればそれほど悪目立ちもしない(と信じている)。

その結果、椎名林檎「丸の内サディスティック」、ケミストリー「PEACE OF A DREAM」、アジカン「君の街まで」、ジュディマリ「そばかす」。わたしは、このローテーションであらゆるカラオケを乗りきってきた。長年の経験でつくりあげた、歌いやすく、かつみんなが知っててそこそこ盛り上がる、安全と信頼のラインナップである。

冒険もしてみたいけれど、音痴は歌い慣れた曲でないと音程がとれないのだ。初見で流行りの曲を歌おうものなら、ママとはぐれた迷子のごとく、ふらふらと音程を探し求め、まわりの不安げな視線に耐え忍ぶ、地獄の5分間が訪れることになる。

一か八かで盛り上がるより、いつもどおりだけど安心して聞ける曲。

こうして、わたしは大学生のときから持ち歌をほとんど更新せずにここまできた。なんとも進化のない人である。

そこに、先日、革命が起きた。

新人の子と初めてカラオケにいったのだが、選曲がイケてるのである。

いまの会社に勤めて三年目、社員同士、お互いのレパートリーをおおよそ把握したいつものカラオケに、新人の登場で新鮮さがもたらされた。

わたしはBIGBANGをカラオケで初めて聞いた。パンヤパンヤパンヤ〜!という謎の掛け声にいたく興奮したのである。

「な、なんかよくわからないけど、かっくいい…!」

生ぬるい態度でカラオケに臨んでいたわたしは目が覚めた。もっとカラオケに対して主体的になろう、安西先生…新しい歌が歌えるようになりたいです…!

帰って、自分が何を歌いたいかと考えたとき、ラップを歌えるようになりたいと思った。
8mileのエミネムが好きだし、クリーピーナッツのライブはかっこよかったし、今夜はブギーバックのスチャダラ部分は歌うの好きだし、一曲ラップ歌えたらかっこいいかも…!とまあ、こんなかんじである。

わたしは、早速「ウェカピポ」の練習をした。

SOUL'd OUTは、わたしが中学生くらいのときに一斉を風靡したのではないだろうか。クラスの地味目な男子も、彼らに興奮していたような気がする。
YouTubeで曲を再生し、歌詞をみながら部屋で歌う。
ナウ、ウェカピッポ、ヨッ。

しかし、わたしはすぐに気づいた。


こいつらのスキル半端ねえ、と。


ちょっとカラオケで歌ってやろうという、半端な夢のヒトカケラが不意にわたしを傷つけていく。
ああもう、ベンジー、あたしをグレッチで殴って。

家で練習したかぎり、音程もうまく取れず、わたしはウェカピポをレパートリーに加えるのを諦めた。根性はない。

ええい、カラオケなんてものは、好きな曲を歌えばいいのだ!

ひとり気ままに、ついこの間、久しぶりにヒトカラに行った。
ひとりでカラオケ、略してヒトカラ。日本人のなんでも四文字にしてやろう根性はすさまじいですね。

中村一義フィーバーを迎えているわたしは、ここ最近、「ショートホープ」をエンドレスリピートしており、仕事終わりの30分に4回くらい歌った。

お気づきの方もいるかもしれない。

そう、これは、なんと、史上最大に前置きの長い、中村一義をおすすめする文でした。

本文
中村さん、かっくいい!

中村一義でいちばん好きな曲


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?