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「店員が新人であればあるほど”良い客”であろうとする」現象に名前を付けよう

ついさっきセブンに寄ったんだが、レジが謎の不調を起こし店員がパニックになるという事象が発生した。

最近のセブンのレジは半セルフ仕様になっているので、店員が商品のバーコードを読み取り、金額が決まった後にパネルに映し出される決済方法を選び支払いを行う方式だ。
その時現金しか持っていなかったので現金の項目をタップし紙幣と硬貨を入れたら紙幣だけ吐き出されて硬貨が戻ってこなかった。
そして画面には謎のエラーが表示されている。

店員の男性は高校生から大学生ぐらいの年齢だろうか。
ドラマとかでしか見たことないお手本のような頭の抱え方をしていた。

私は「ゆっくりで大丈夫ですよ」と言いかけたが、後ろがだいぶつっかえていたのでそんな言葉も伝えられずただ慌てふためく彼を心の中で応援する他なかった。なんて無力なんだ……。

一旦入れてしまった硬貨はどうやってもレジから取り出せなかった為、金庫から同じだけの硬貨を取り出してもらいとりあえず受け取る。
その後もう一つのレジで改めて決済を行い事なきを得たが、最後に彼は
「大変お待たせしました!申し訳ありませんでした!」と深々と頭を下げていた。

何か気の利いた返事でも返せれば良かったんだが、後ろには変わらず他の客がいたので「大丈夫です〜」と流しながらそそくさと店を後にした。
彼が必要以上に凹まなければいいな、と思いながら。

なんだろうな、何故こうも「良い客」であろうとするんだろうか。
言葉を換えると新人にとってのチュートリアルになりたいみたいな心理。
感謝されたい訳でもないし、自分は良い客なんだぞというマウントをとりたい訳でもない。とはいえ別に店員が手間取っててもイライラする訳でもないし早くしろよと急かしたい気持ちもない。

なんなら「良い客」認定された故に次来店した時話しかけられてしまったが最後、暫くその店には行きたくなくなってしまう。
私の顔より仕事をもっと覚えてくれ。そして話しかけずそっとしておいてくれ。

そもそも「良い客」でありたいのか?
単純に「嫌な客」と思われたくないだけなんじゃないのか?
そんな気がしてきたな。

これは自衛なんだ。
厄介者と認識されない為の防衛機制なんだな。
そう思うとすんなり納得してきた。

手を差し伸べる振りしてATフィールドを全開してるって感じなのかな。
自ら心の壁を張ることによって、「へへへっ、あっしがおやびんを裏切る訳ないでやんすよ。ささ、おやびんのペースで仕事してくだせぇ。あっしは応援してるでやんす」みたいな身長の低い前歯が出たファンタジーものに出てきそうな腰巾着で雑魚の盗賊みたいな姿勢を貫いてるんだろう。

そう、これは
「腰巾着雑魚盗賊現象」
(こしぎんちゃくざことうぞくげんしょう)
なんだ。

書きながら自分が如何にみみっちい存在かを感じて悲しくなってきたな。
相手を思いやるどころか保身しか考えていなかったとは……。

まぁこれは自分の場合そういう心理になるというだけなので、人によっては本当に親切心で店員に接している方もいるだろう。寧ろそういう人たちが多く存在する世界であってくれ。頼む。

そして自分のような心理をお持ちの方がいれば、これは「腰巾着雑魚盗賊現象」がさせるのだと思ってほしい。

恥ずかしいことではない。
これも自分を守るために必要なことなんだ。

これからも腰巾着で雑魚の盗賊みたいな姿勢を貫いて生きていこうぜ!



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