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【映画レビュー】関心領域

あらすじ
スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わすなにげない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる。

https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/


6月になって2024年初映画館で映画を観てきた。
妹に「関心領域」を教えてもらった翌週、なにもすることなくて暇だなと思い、気まぐれでぽちっとしてみた。
映画レビューなんてしたことないけど、自分の記憶整理のために残してみる。

「関心領域」を観た感想は、
映画内で表現されている音・もの・風景・人間のふるまい/しぐさ・言葉に意図的に意識を向けて、それが比喩的に表現しているものはなにかを想像しながら観るので疲れた。

私は考えることが好きだから(考えすぎて疲れて着地せずに終わることが多い)、これはなにを表現してるのか、この人のふるまいはこれを表しているなとか、想像して読み解いていくのが楽しかった。もちろん全部を理解はできないけど。

いくつか私のなかの解釈/思ったことを挙げてみることにする。

  • 最初の真っ黒の画面(なにも映ってない)と音が不気味だなー

    →音に注目して観てねを伝えている?

  • 赤ちゃん一生泣いてる

    →なにか違和感を感じてるのかも。家族は自分たちの暮らしに満足してるけど、赤ちゃんは純粋無垢な存在なので彼らの暮らしの異様さを感じとってるのか?

  • 家政婦多いな(3、4人いる)

    →裕福な暮らし。
    でも1人いじめられてる?存在無視されてる人いるよね?単純に女の世界ってわけではなさそう。
    無視されてる?家政婦は、自分の部屋でお酒をがぶ飲みしてた。ストレス溜まってるよな。身元嘘ついて(本当はアウシュビッツ収容所内にいるはずの人)働いているとかあるのかな?さすがにない?

  • ヘートヴィヒ(お母さん)今の暮らしにしがみつきたいがすごいな

    →歩き方、せかせかしてる感じからもともとお金持ちではないんだろうなが感じられる。
    ヘートヴィヒのお母さんがヘートヴィヒに「いい暮らしを手に入れたね」的なことを言ってた。ルドルフに寄り添う気持ちなし、自分が一番可愛いんだろうな。

  • 子供たちの遊び、言葉、行動おかしい

    →お兄ちゃんは金歯集め(虐殺された人の?)、弟は銃を架空の部下に配る遊び。
    お兄ちゃんが弟をガーデンハウスに閉じ込める。ガス室を想起させる。
    女の子は夢遊病。精神異常?

    アウシュビッツ収容所から被収容者が逃げて監督者に捕まって騒いでいる声が家の外から聞こえてきたあと、
    弟が家の窓から外を見ながら「うまくやるんだったな」的なひとりごとを言ってた。お父さんのまねごとをしてる?ゾッとする。

  • アウシュビッツ収容所からの銃声、悲鳴、焼却炉の音/黒煙は映画内では背景として使われている

    →あくまでも映画のストーリーは、アウシュビッツ収容所の隣に住むドイツ人家族ヘス家の物語。裕福な暮らしをしてるけど、どこか普通じゃない。もはや異常。

  • 最後に現在のアウシュビッツ収容所が映される

    →ガス室や展示物の窓ガラスを掃除する人たちの画が映される。
    焦げ焦げになった靴、荷物、服が大量に展示されていて、その数以上の人々があの場で虐殺されていた事実を知らされる。涙出る。

ほかにもいろいろあると思うけど、一旦ここで。気まぐれで追記していこうと思う。

全体的な感想としては、関心領域、今現代を生きる私たちにも置き換えて考えるべき課題だなと。
どこかの国では2024年現在戦争をしてるけど、日本人の私たちはなにを訴えるわけでもなく普通に生活している。
2024年1月に石川で大地震があったけど、東京に住む私たちは自分たちの生活を今生きてる(つい数日前に現場の現在写真を見たけど家は崩れたまま、復興はこれからの状態だった)。

当たり前かもしれないけど、自分に関係のあること以外はどうだっていいって考えてる人が多い。
なんでもかんでも首を突っ込んでも自分は1人だし、抱えられる問題の数は無限ではない。

でも自分に関係ないからって無視するんじゃなくて、その事実を知ったことにはなにかしらの意味があるって私は信じているので、小さなことでも自分にできることはしたいと思う。ものごとが起きる、人との出会い/別れって偶然が重なった必然かなと。

関心領域の幅は人それぞれだと思うけど、知ってしまったからには、出会ってしまったからにはなにか自分にできることはないか考えていきたい。

余談だけど、今って映画1本2,000円するのかーとびびってしまった。
映画が始まる前に館内の広告で「年会費1,000円の会員になると、お得価格で映画を観れるよ」ってあったけど、映画館業界もユーザーの囲い込みしないとみんな映画館に来なくなるよなと。
Netflixとかのサブスクでどこでも手軽に映画が観れる時代になってしまって、わざわざ映画館に来る人って基本的にはなににも縛られることなく、心身ともに余裕のある人(この表現が合ってるのか不明)なのかなとか考えてみたり。

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