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「ご飯を作るコスト」を細かすぎるくらい考える

ところで、あなたは自炊をするだろうか。

お弁当を買いに近所のスーパーに行くと、卵が10個で258円+税で売られていた。昔は特売で10個税込100円とかで売ってたなーとか思い出しつつ、ふと「料理を作るってどのくらい生活を圧迫してるんだろう」と考えたので、このnoteを書いている。

料理を作るのに必要なのは、

①メニューを考える時間
②食材を買いに行く時間
③食材
④料理を作る腕前(スキル)
⑤水道光熱費
⑥調理する時間
⑦後片付けする時間

このくらいだと思う。これらの時間や費用を「お金」という共通単位にそろえて「自炊をするコスト」を考える。
なお、コスト計算の前提として
・一人暮らし(料理は1人前だけ作る)
・東京在住(1時間当たりのコストは東京都の最低賃金1,113円で計算)
・調理器具やコンロ、電子レンジは家にある
・1日3食食べる
・コストはかかるが金額がよくわからないものはすべて1円で計算
とする。


①メニューを考える時間

要するに「このあと何食べよっかなー」と思う時間である。人によっては仕事しながら考えたり(=コスト0)、掃除しながら考える(=コスト0)こともあるが、今回は1分だけ何もせず真剣にメニューを考えたとする。

コスト:1分×1,113円/時間 = 18.55円

②食材を買いに行く時間

ある調査によると、スーパーに行く頻度は週1~2回が最も多く、次いで週3~4回が多かった[出典]。そこで今回は週2で買い物に行くとして、1回買い物に行くコストを3.5日分として計算する。
また買い物に行くとなると、以下の時間はかかるだろう。
・部屋着から外出着へ着替える時間:3分
・スーパーへ行く時間:5分
・買い物をする時間:15分
・スーパーから帰る時間:5分
・帰ってきて食材を冷蔵庫にしまう時間:2分
計:30分

買い物に1回行くコスト:30分×1,113円/時間 = 556.5円
コスト:556.5円÷3.5÷3=53円

③食材

ある調査によると、単身世帯の1か月の食費は40,331円[出典]とのことなので、これを90(30日×3食)で割った448.12円が1食分の食費と言える。
ただしこの額は外食代やコンビニで買うお菓子やコーヒー代等も含めた金額なので、今回は1食350円として食費を計算する。

コスト:350円

④料理を作る腕前(スキル)

食材とキッチンがあっても、料理を作る腕がなければ料理は作れない。
自炊を続けて料理ができるようになった人もいれば、料理教室に通った人もいるだろう。これは正確なコストを出せないので、今回は「この料理を作るのに必要な技術を習得した代」として1円だけ計上する。

コスト:1円(ざっくり計算)

⑤水道光熱費

これも作る料理やご自宅の環境によっても変わるので、正確には計算できない。ただ、水道も電気もガスもだいたい使うはずなのでそれぞれ1円ずつ、計3円だけ計上する。

コスト:3円(ざっくり計算)

⑥調理する時間

これもメニューによって大きく変わる要素だ。朝食ならパンを焼くだけ(なんなら焼かずに袋から出すだけ)など時間が短くなるし、夕食は朝食より手間をかける人も多いだろう。
ある調査によると、一人暮らしの人が自炊にかける時間は朝食を除くと10分から30分未満が一番多い[出典]とのことなので、調理時間を20分として考える。

コスト:20分×1,113円/時間 = 371円

⑦後片付けする時間

料理を自分で作ると、使った食器や調理器具を洗う時間が必要だ。
一人暮らしだと洗って水切りをして、そのまままた使う(戸棚にしまわない)人も多いと思うので、今回は食器を洗う時間だけを考えることにする。

ある記事では、一人暮らしだと食器洗いに1日10分程度かけている[出典]と記載があるので、その1/3を1食分として考える。

コスト:(10分×1,113円/時間)÷3 = 61.83円


1食当たりのコストは?

それぞれのコストが計算できたので、合計してみる。

①:18.55円
②:53円
③:350円
④:1円(ざっくり計算)
⑤:3円(ざっくり計算)
⑥:371円
⑦:61.83円
合計:858.83円

ということで、都内在住の一人暮らしが自炊すると1食当たりだいたい858.83円分のコストがかかっていることがわかる(時間とお金を分けて考えれば1食あたりだいたい27.2分と354円)。

ちなみに15分かけて500円のお弁当を買ってきて食べるときのコストは778.25円なので、自炊と比べて食費は上がる(354円→500円)がコストは下がっている(858.83円→778.25円)ことになる。健康を考えると毎食弁当は考え物だが、節約目的で自炊にこだわるのは合理的ではないことが明確にわかる結果となった。

ここまでを踏まえると、閉店間際に貼られる半額シールついた弁当はマジでコスパ最強だと言える(500円+半額シール=250円のお弁当を15分かけて買いに行って食べるときのコストは528.25円…安すぎる…)。

ということで、私が考える「自炊が向いている人」はこんなタイプだ。

自炊が向いてる人

・料理が作るのが楽しい!自炊は趣味だ!という人
→趣味にお金を使うのと同じなので自炊をEnjoyしましょう!
・料理がうまくなりたい人
→外食&お弁当だけ食べてレシピ本読む生活じゃ料理はうまくならないので、ほどほどに自炊しましょう
・時間はいくらでもあるけどその時間で働くのはいやな人
→使えるお金を増やせない人は今あるお金をなるべく減らさないように自炊しましょう
・働けない人
→収入を増やせないので、今あるお金をとにかく大事に使いましょう
・食材費が無料または格安(相場の半額以下)にできる人
→農家さんや市場で働く方だとこういう方もいるかも
・とにかく食材と調理方法にこだわったご飯が食べたい人
→コストなんてどうでもいいなら、どんどん自炊や外食しましょう

実は自炊をがんばる必要がない人

・貯金のために食費を削りたい人
→自炊は時間がかかる!もうちょっと働いてお弁当買うのもありかも
・今働いてる人で節約したい人
→自炊する時間で副業を始めたり、勉強してみるのもいいかも
・日常生活に疲れ切ってる人
→倒れる前に自炊する時間を休憩にあてましょう
・目標(がんばりたいこと)がある人
→自炊する時間を目標のために使ったほうがいいかも


ということで、弁当を買いに行った私の脱線話はこのくらいで終わろうと思う。唐揚げ弁当を買った後、自分の健康も少しだけ気になったのでその足で野菜ジュースを買いに行きました。



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