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実は大人向け?ドラえもんから学ぶ戦争や環境問題 part1


ドラえもん映画の新作『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』が新型コロナの関係で一年越しで3/4から公開となりました。
このドラえもん映画は1985年に公開された映画のリメイクといった感じです。

それに伴いAmazon primeなどでは過去40作品を観ることができるようになりました!

子供映画と侮るなかれ、ドラえもん映画は藤子・F・不二雄先生による深いテーマの映画であるため、実は大人の方が俯瞰で見ることができるのです。

そんなドラえもん映画の中でも特に大人に観てほしい作品を紹介していくので宜しければ是非最後までご覧になってください!

またこの記事はネタバレを含むため目次の作品名から作品を観てから記事を読んでもらうのも面白いかもしれません。

おすすめドラえもん映画4選

おすすめドラえもん映画4選ということで私がおすすめする映画は
① ドラえもん のび太とアニマル惑星
② ドラえもん のび太の宇宙小戦争
③ ドラえもん のび太と雲の王国
④ ドラえもん のび太とブリキの迷宮

part1では『ドラえもん のび太とアニマル惑星』にフィーチャーして紹介したいと思います。

ドラえもん のび太とアニマル惑星とは

1990年に公開された『ドラえもん のび太とアニマル惑星』は、藤子・F・不二雄によって執筆され、月刊コロコロコミック1989年10月号から1990年3月号に掲載された大長編ドラえもんシリーズの作品、および、この作品を元に1990年3月10日に公開されたドラえもん大長編シリーズ第10作、映画シリーズ第11作であり、主に環境問題を取り上げた作品です。

この記事を書いてる私的には1、2位を争うほどドラえもん映画では好きな作品です。

・主なあらすじ

不思議なピンク色のもやを見つけたのび太がその中に入ってみると、2本足で歩く人間のような動物たちが暮らす世界が広がっていた! 
動物たちが平和に暮らすアニマル惑星に、恐ろしい侵略者ニムゲが攻め込もうとしていた! 
ドラえもんとのび太たちは、アニマル惑星の動物たちを守ることができるのか?

と言った内容です。

・特筆すべき点

特筆すべき点として、この映画の舞台であるアニマル惑星は、ドラえもんの住む22世紀以上に環境に配慮した動物たちの住む星は謎に包まれ、それを神話の内容をなぞりながら物語が進み解明されていく面白さ。
またこの映画の敵である月に住む悪魔ニムゲ、その正体は実はのび太達と同じ人間で、彼ら住む星は汚染され防護服を着ないと生きていけず、地獄星とのび太が形容するほど荒廃した死の星の描写でしょう。
神話の悪魔ニムゲとの戦いは手に汗握るものであり、今回はそのニムゲを軸に考えていきたいと思います。

物語中盤に動物達の住む星の存在を知ったニムゲの総長はアニマル惑星を侵略することを企てます。

ニムゲの総長は侵略する前の決起集会でニムゲのルーツとアニマル惑星の存在を語っていたので、その内容を要約すると

「1000年前の愚かな先祖が自然を破壊し水や空気、大地を汚染し、更に核戦争で星を滅茶苦茶にした為、人類は地下で細々と暮らす羽目になった
それなのにすぐ手の届くアニマル惑星では素晴らしい自然がある。
 あの星を占領し1000年前の豊かな自然を取り戻そう」


これがニムゲ達の目的であり、それを食い止めるドラえもん達という構図です。

この映画で注目してもらいたいのはドラえもんでものび太でもなく、まさかの敵キャラである
ニムゲの総長です。
今までのドラえもんに出てくる敵キャラとはかなり毛色が違ったキャラなので映画を観た方なら印象が強いと思います。

まずこの人物、今までのドラえもん作品の敵キャラでは珍しく、若くかなりの美青年でした。

ニムゲの総長

この時点で少し引っかかるキャラですが、最後に言った

「素晴らしい空気だ」

という発言で視聴者にインパクトを残すキャラとなりました。

・「素晴らしい空気だ…」という台詞の真意と重さ

基本的にはドラえもんの悪役は見るからに悪役で救いようのない奴が多い中、最後にこのような台詞を言ったニムゲの総長。
確かにやった事は善悪で定義するなら間違いなく悪です。
しかしニムゲ達は本当にただ悪者で片付けて良いキャラ達だったのでしょうか?
例えば一年前の映画の敵役ギガゾンビ(山田博士)や、次年度の映画ではアラビアンナイトのアブジルなどは歴史改変や財宝を奪う事を目的とした敵であり、所謂様々なアニメに出てくる悪者です。
それに対してニムゲ達が欲したものは

「(元々あった)汚染されていない綺麗で豊かな自然」

こんな深い内容を子供向け映画の範疇にとどめて良いのか⁉︎と驚きました。

また、映画に登場するニムゲと敵対する勢力である連邦警察も中々深い言葉を残しています。

「人間全てが愚かだとは思わないでほしい。
もう過ちを繰り返さないよう1からやり直そうと誓ってきた」

と言っていたのですが考えてみてください。
1000年前の人間の過ちを後世の人間が尻拭いして一から歩むという滑稽さ。

また、現実世界でも当たり前の様に毎日切られていく森林も、ニムゲ達の様に無くなってしまうと他者の住む世界を征服してでも欲するものとなっる自然の尊さ。
ニムゲの総長がマスクを外して言った

「素晴らしい空気だ」

という台詞ひとつでこれほどの深いメッセージを視聴者に考えさせる事ができる藤子・F・不二雄の技術

このようなテーマの『ドラえもん のび太とアニマル惑星』は是非大人にこそ観てほしい映画です。

(個人的に武田鉄矢さんの歌である『天まで届け』も好きなのでそこも是非)

総括

僕がこの映画が好きな理由は藤子・F・不二雄先生の環境問題や戦争に対する先見の明、また「正義の反対はまた別の正義」という言葉や「行きすぎた正義は悪」という言葉がとても似合う作品だからであり、(私の拡大解釈かも知れませんが…)
我々はニムゲを心の中では悪いと考えるものの実際問題同等の事をしているのではないでしょうか?

映画公開当時と比べSDGsなどで環境問題が取り上げられる昨今ですが、ロシアのウクライナへの侵攻、森林伐採など世界中では今も尚起きているのも事実です。

また映画終盤に、のび太が地球について聞かれた時「この星と同じくらい綺麗さ、今は…」続けて「これからも僕たちで美しい星にしていくさ」というシーンがありました。

未来の地球が美しい星であるためには1人ひとりの気の持ち方であり、これから産まれてくる新しい世代のために守っていくことが今を生きる人間の使命であると考え総括とさせていただきます。

引用

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