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リモートワーク率30%→95%を達成したプロセスの全貌。~リモートワークのヒント集~

この記事は、リモートワーク導入を検討しながらも、
なかなか移行できない/リモート率が上がらない企業の皆様へ向けて、少しでも当社の取り組みを参考にしていただければと思い書いた記事です。

こんにちは、株式会社ショーケース代表の永田豊志です。

連休中に緊急事態宣言が解除されるのか、延長されるのかという瀬戸際ですが、当社では解除・延長に関わらず、6月末までフルリモートワークを継続することを決定しました。

そんな当社では、現在、リモートワーク率95%以上をキープしています。

と言っても、最初から高い割合を出せたわけではありません。そこで、今回は、いまだリモートワークに移行できない、あるいはリモートワーク率が上がらない企業の経営者や管理責任者の方々に、少しでも我々の試行錯誤を共有し、参考にしていただければと思い書きました。

かなり長いので、目次から気になる部分を中心に読んでいただければと思います。


リモート移行の大前提はトップのコミット

まず、大前提として、企業のトップがリモートワークへの全面移行にコミットすることが大事です。「できるところはやってくれ」と現場に任せていては、リモートワークは進みません。

最初は我々もそうでした。2月上旬からリモートワークを推進し始め、2月25日からフルリモートワークへ移行したのですが、当初は「できる部門から、なるべく」というニュアンスで取り組んでいました。ですが、そのやり方では、リモートワーク率は30%強で留まっていました。

そこで、4月から「リモートワーク推奨」から「原則出社禁止」へ切り替えました。

現場では「できるかどうか」でなく、「どうやるか」を議論していくことが重要です。

リモートだと従業員はサボるのか?

リモートワークの話になると、姿が見えないと「サボるのでは?」と心配だという声をよく聞きます。しかし、これはまったくの取り越し苦労だと強く言いたいです。

むしろ、リモートになると、従業員はこれまで以上に働きます。理由は簡単で、顔が見えないから成果を出さないと存在価値をアピールできないからです。(もちろん、目標設定や業務定義が明確なことが大前提です)

私自身も仕事をする時間が長くなりましたし、当社でも直近は残業時間が増えたという結果が出ています。通勤などにかかる移動時間がなくなったことから、早い時間帯から働く人も増えました。

また、勤務時間だけでなく、リモートワークによって生産性もアップしたと実感しています。無駄な会議が減ることで、それぞれの業務に集中できますし、おざなりになっていたタスクに取り組むこともできています。

チャットでの社内コミュニケーションのコツ

「コミュニケーション・ロス」の問題も、リモートワークに移行するにあたって心配されやすいポイントです。

しかし、これはシンプルにルールを決めるだけでほとんど解決することができます。

当社では、もともと社内でのテキストでのやり取りはチャットツールのSlackを用いて行っていましたが、リモートワークに移行するにあたり、改めて明確なルールを設けました。

たとえば、以下のようなルールを設けました。

(1)チャンネル名(グループ名)の整頓
事業に関するチャンネルなのか、組織に関するチャンネルなのか、一目で何について話すべき場所なのかが分かるようチャンネル名の付け方を統一しました。

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(2)アイコン写真の設定
仕事をする上で、顔と名前が一致することは重要と考えているので、写真と氏名の設定を必須にしました。
(3)ステータス(出社中、リモート中、営業中など)の設定
リモートワークでは相手の姿が見えないため、仕事中なのか、退勤後なのか、休暇中なのか、名前の横に絵文字でステータスが表示されるようにしました。

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チャットはスピーディーに意見交換ができる面は素晴らしいですが、情報量が増えすぎるというリスクもあります。不要な情報は排除しつつ、チャット上であってもオフィスで直接会話をしているようなコミュニケーションの質を高めることは可能だと感じています。

他にも返信のマナーなど様々な運用ルールを決めているのですが、相当な量になるため、当社のガイドラインを以下に掲載します。参考にしていただけますと幸いです。

<ショーケース流Slack運用ガイドライン>

ビデオ会議ツールはどれが良い?(Zoom、Whereby、GoogleHangout…)

多くのやり取りはチャットで補完できるものの、やはり細かいニュアンスを共有するためにもビデオ会議は必要です。

そこで悩むのが、どんなツールを使うか。

当社もツールの選定には大変悩みましたが、それぞれに特徴や良さがあるので現在は複数のツールを並行して使っています

現時点で私が感じているそれぞれのツールのメリット・デメリットを簡単にまとめます。

ーSlack Call

メリット:チャット画面からクリックするだけでビデオ会議が可能。

デメリット:社外の人とのビデオ会議には使えない。機能や品質も最小限な印象。
ーZoom

メリット:世界中で2億人もの人が使っており、機能や品質が充実。大人数のウェビナー(ウェブセミナー)や、参加者を複数にグループ分けできるブレイクアウトルームなど多彩な使い方が可能。

デメリット:アプリのインストールが必要。セキュリティ面で課題あり(ただし、これは早急に解決される模様)。
ーWhereby(旧:appear in)
 
メリット:アプリ不要で、ブラウザのみで利用可能。招待や操作が簡単。

デメリット:人数が増えると動作が不安定。ブラウザや回線速度の影響を受けやすい印象。

他にも、Microsoft TeamsやGoogle Hangout、Skypeなど様々な選択肢があるので悩むのは分かります。でも、これらのクラウドツールは有料バージョンも1ユーザーあたり月額数百円〜数千円と非常に安価に利用できるので、まずはいろいろなツールを試してみることをおすすめします

ビデオ会議の「音声/映像」問題対策

ツールの選択とは別に、音声や映像が乱れるといった問題はビデオ会議につきものです。利用者のカメラやマイク、インターネット環境にも左右されますし、最近は世間でビデオ会議が増えたことで、回線速度が落ちてきた印象もあります。

上手くいかない場合は、一度つなぎ直してみたり、PCではなくスマホからアクセスしたり、別のツールに変更するなど臨機応変な対応が必要です。また、ファイルはメールやGoogleDocsなど別で共有して音声のみ(or 電話)で行うなどの選択肢も有効でしょう。

また、マイクやスピーカーを別途購入することで大きな改善が見られる場合もあります。当社でもいろいろと試した結果、会議室にYAMAHAのYVC-1000のスピーカーフォンを設置して格段に音声が良くなりました。会議室の映像用にはロジクールの高解像度カメラを購入しました。

個人的にやってみて思うのは、映像よりも音声の方がビデオ会議では重要だということです。複数人のビデオ会議では、自分が話す時以外はマイクをオフにするなどの工夫をするだけでもコミュニケーションはかなりスムーズになります。また、タイピング音や書類をめくる物音に気をつけるなど、各自のリテラシーを上げていく必要性も感じています。

自宅の設備・環境はどうする?

リモートワークでは自宅が仕事場になるので、そこでの設備や環境を整えることが仕事のパフォーマンスを発揮する上で重要です。

ーPC
ノートPC利用者には「PC持出申請書」を提出した上で自宅に持ち帰ってもらいました。また、デスクトップPC利用者には、一部を自宅に配送しました。
ーインターネット
インターネット回線に関しては、自宅ネットワークを使用してもらっています。自宅にインターネット環境が無い場合はモバイルルーターを配布し、すべての従業員にインターネット環境がある状況を確保しました。セキュリティの観点からカフェなどの共同利用Wi-Fiは使用不可としています。
ーその他の設備(デスク・チェアなど)
それ以外の、デスクやオフィスチェア、モニターなどに関しては、「リモートワーク環境改善手当」を利用して購入している社員が多くいます。当社では、リモートワークの「不」を解消すべく、社員1人につき2万円を一時金を支給する「リモートワーク環境改善手当」を新たに設けました。ちなみに、ショーケースではゲーミングチェアが人気のようです。

「リモートワーク環境改善手当」の使い道には、リラックスなどを目的とした物の購入も認めています。たとえば、コーヒーマシンやアロマグッズ、部屋のスペースを少しでも広く使うためのロフトベッドなど、「快適さ」を求めた使い道を広く認めています

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この手当の支給により、就労場所は「与えられるもの」から、「自分でより快適に構築するもの」という意識ステージに上がったと言えると思います。

たしかに、リモートワークを始めるにあたって追加でかかるコストはあります。ただ、一方で削減できるコストもあります。たとえば、当社ではオフィスへの出勤がなくなることから通勤手当の支給を停止しました。その代わりに、社員の自宅の光熱費や通信費などを配慮して、「リモートワーク支援手当」として一律3万円/月を支給しています。

セキュリティ面は大丈夫?

ショーケースはクライアントに金融機関も多く、セキュリティ面は非常に気を遣う部分でした。そのため、サービスサーバーや、社内サーバーへのリモートアクセスはすべてVPN経由(特定の人のみが利用できるネットワーク経由)としています。また、もともとすべてのPCにログ監視ツールを導入していたので、万が一セキュリティ事故が発生した場合にはログ調査が可能です。

ただし、この監視ツールは従業員の生産性や労働時間監視ツールではありません。業務に関しては従業員の判断で自由にやってもらい、成果を評価する信頼性を築くことが重要だと考えています。労働内容や時間の監視ツール導入は、信頼性を失いかねないので、導入には慎重になるべきだと感じます。

ハンコ・紙はどう対応する?

リモートワークにおいて、契約書や請求書など紙の書類の電子化が必要です。当社のペーパーレス化の取り組みを以下にまとめます。

ー稟議
稟議書に限らず、紙+印で承認を得るもの(社内の議事録、経理の支払い承認なども含む)については、X-pointというワークフローシステムを活用して、社内のペーパーレス化を図っています。

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ー契約
契約内容の承認についても、前述のX-pointで行っています。実際の契約に関しては電子契約システム「イースタンプ」を稼働。他のシステムも検討しましたが、当社のワークフローに乗りやすいという理由で採用しました。社外からの契約書はもちろん、当社からの発注契約・雇用契約・利用契約などに可能な限り電子契約を利用するよう全社員に徹底を図っています。また、過去の契約もすべてPDF化し電子契約のデータベースにいれて、検索可能な仕組みを整えました。
ー押印
これを機にハンコをなくしました。また、昨年秋より意思決定のスピード化・工数削減を目的に電子契約システム(イースタンプ)を導入しました。

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ー経理処理(請求・支払)
請求書の発行は、社内システム(Invoice Cloud)を使用。電子化された請求書を顧客にメールで送付する仕組みにしました。当社の事業はSaaSサービスがメインのため、少額かつ多数の請求書発行が必要なので用意しました。当社は自社で開発しましたが、請求管理ロボなど他社サービスでも請求書のペーパーレス化を実現する方法があります。
また、外部から郵送される支払請求書は、全てPDF化してX-pointにてオンラインで支払依頼を申請しています。上記全てにおいて、社内規程である職務権限規程に準じた承認を行っています。
ーその他の郵送物
当社から送るものは極力オンライン化にしているものの、当社に届くものは請求書なども含めて紙が多いです。そのため、当番制にし、コーポレート本部で受け取っています。「郵送物のチェック→写真orPDF化→該当部門にチャットで通知→対応方法(開封・放置・転送など)を確認」というフローをとっています。

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勤怠管理はどうする?

クラウドサービスを上手く活用することが、スムーズにリモートワークに移行するための重要なポイントだと思います。

ー労働時間の管理
勤怠管理システム「ジョブカン」を利用しています。スマホで出退勤時間の打刻が可能です。
ー休憩(業務とプライベート時間のバランス)
Slackのチームチャンネルにて、出勤·退勤·昼食休憩などを宣言。管理職のみならず周囲のメンバーがお互いに状況を把握できる状態にしています。
また、休憩が1時間を超える場合は「ジョブカン」に記録してもらうことを周知する予定です。

在宅勤務においては、インターネットを通じて常につながっている状態が発生するので、仕事とプライベートの境界が分かりづらく、オン/オフの切り替えが難しくなりがちです。そのため、従業員のプライベート時間の確保は重要な課題の1つとして捉えています。

派遣や業務委託をリモート可能するには?


リモートワークを実施するにおいて、派遣スタッフや業務委託スタッフを在宅勤務に切り替えられないという話もよく聞きます。現行の派遣法で、業務をするにあたり指揮命令者が近くにいることが求められているからです。

しかし、この点に関しても当社ではリモートワークへの切り替えを実現しました。

具体的には、派遣元・業務委託元と新たに「リモートワーク作業確認書」を交わしました。万が一、トラブルが発生した際には責任の所在が当社にあることを確認した上で合意し、派遣スタッフのリモートワーク移行を決定しました。

業務委託スタッフに関しては、成果物をきちんと定義し、当社から業務端末などを貸与することを事前に合意した上で、リモートワークへの移行を決定しました。

従業員の健康管理について

ー安否確認システム
安否確認システム「トヨクモ安否確認サービス2」を利用し、毎朝9:00に全従業員にアンケートで集計をとっています。従業員やその家族の発熱の有無(37.5度以上)を把握し、リモートワーク率の可視化を行っています。

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なお、新型コロナ感染の疑いがある社員への対応ですが、本人もしくは同居家族が37.5度以上の発熱時は、オフィスへの出入りを禁止し、本人の判断でリモートワークか休み(有給休暇取得or欠勤)を取得してもらうようにしています。また、業務事情によりリモートが不可の場合は休業手当(60%)を支給(最大14日間)することとしています。

ーリモート鬱の予防
チーム横断でのZoom飲み会、メンバー主催の勉強会、カジュアルなランチ会、趣味の集まりなどをオンラインで開催。

リモートワークが続くとリアルなコミュニケーションが減り、孤独感や無力感などを感じやすくなります。会社というコミュニティに帰属している一体感を生み出すためにも、業務に直接関係のない雑談や他愛もない会話を非常に大切だと考えています。

目標設定や人事評価はどうする?

当社では、リモートワークの移行に際して、目標管理制度や人事評価制度の変更や実施保留などの措置は行っていません。

ー目標設定
全社で掲げる目標と連携した各部門目標を設定し、その上で社員一人ひとりに細分化された目標を期初に設定。期中は上司と部下による月1回の1on1により進捗の確認や軌道修正、課題の解決を行うことで、全員の目標達成を目指しています。

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ー人事評価
評価管理システム「カオナビ」を採用。クラウドベースのサービスなので、オフィス/リモート問わず、常に目標管理ができます。また、面談結果、評価結果、給与額なども確認できるようになっています。

当社では、「会社と個人の成長をリンクさせる」というポリシーのもと、OKR(Objectives and Key Results)モデルをベースに評価制度を設計しています。

リモートだからこそ、個人目標と事業目標の擦り合わせや、1on1の面談などのコミュニケーションを強化しています。

採用活動や新人研修はどうする?

当社では、リモートワークへ切り替えたあとも採用活動を継続しています。

ー採用活動
ビデオ会議を利用してWeb面接による採用選考を実施。

リモートでの採用活動では、自社の情報提供の強化と候補者体験(採用CX)に力を入れています。採用サイトには、社員の考えや想いが伝わるよう動画コンテンツを追加。また、360度ビューのバーチャルオフィスツアーができるコンテンツも設置しています。

また、4月1日より当社にも新卒社員が入社しました。そして、4月2日より新卒社員にも早速リモートワークを適用し、新入社員の研修や教育もリモートで行っています。

ー新人研修
総務・人事・経理関連の新入社員研修は、ビデオ会議を利用して実施。

なお、この研修の様子は録画し、今後の入社者(中途入社)に対しても動画コンテンツとして提供できるようにしました。

ー新人教育
新入社員1人ひとりにSlack上で「教育チャンネル」を作成。チャンネル参加者は、先輩・監督者・新人の3名のみ。

あえて少人数のチャンネルにすることで、リモートでも距離感を近づけ、報告しやすい密な環境を作っています。

最後に

リモートワーク移行にあたって、当社の取り組みをいろいろとご紹介しましたが、あくまで私企業の試みの1つです。必ずしも正解なわけではありません。ぜひ、当社の検討プロセスを参考にしていただき、自社にとってベストな方法でリモートワークを実現していただければ幸いです。

我々も日々、アップデートを行っているので、さらに良い施策やアイデアが蓄積されれば、改めてシェアさせていただければと思います。

追伸:リモートワークや非対面取引を実現するための様々な支援システムの提供も展開しております。リモートワーク環境のため電話での応対は行っておりませんので、当社Webサイト問い合わせフォームもしくはinfo@showcase-tv.comへお気軽にお問い合わせください。

株式会社ショーケース
代表取締役社長
永田豊志

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