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Japan Mobility Showレポート ジンが記す週刊SmartPitch[番外編] 2023/11/10

執筆者紹介🖌

私は2023年3月末に株式会社ショーケースにインターンとして突如現れた通称ジン。ジンは飲めない。SmartPitchの認知度拡大と最適化に奮闘する中で、資金調達やM&A、業務提携情報が一括でまとめられたメディアの有用性に注目して週刊SmartPitch発行を決意した。
日頃は新しいもの・ことに常にふれながら、個人の裁量が大きなこの職場で、第3者かつ学生独自の視点を活かしつつ、様々なことを実行に移しPDCAを回し続けることを心掛けている。


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今回は番外編!

日頃から資金調達や資本業務提携をはじめとする新規事業の成長に関する話題をお伝えする中で、日本のモノづくりの挑戦について紹介していこうと思いました。
今回は、筆者が訪れたJapan Mobility Showを題材に、モビリティ業界で注目されているミライを作る車のコンセプトや取り組みをお伝えしようと思います!

今回お伝えする記事は、展示内容に沿うわけではなくあくまでも筆者の私見も混じった状態で書いております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。



各社が描く電気自動車(EV)のミライ

それぞれの企業が、一番に大切にしていることに則って開発を進めている姿が印象的でした。

トヨタ自動車

トヨタが掲げるEVの二つの軸はモータースポーツとしてのEVとモビリティとしてのEVにあると感じました。他の大手自動車メーカーが車内の快適性を前面に押し出す中で、トヨタはLEXUSにそのようなラグジュアリー面に富んだEVの開発を委ね、「走り」を追求したEV開発に焦点を当てているようでした。カーボンニュートラルの時代のスポーツカーという新たな選択肢を提供する点において非常に魅力的でした。モビリティとしてのEVは後述します。

三菱自動車

近未来型に完全シフトしたデザインでありながら、往年の『デリカ』シリーズの「絶対安全大空間 ✕ 絶対走破性」をカタチにした新型EVを発表しました。「冒険心」を絶やさない開発が引き継がれています。

Suzuki

今回のイベントでひときわ存在感を放っていたのがSuzuki。軽ワゴンEVというSuzukiにしかできない技術をふんだんに用い、「実用性」と「ワクワク」を届けるミライを描いていました。斬新かつ利便性の高い「家族のミカタ」を押し出す、唯一無二のコンセプトを貫いていくようです。

BYD(比亜迪)

昨今注目を集めているEVの会社BYD。バッテリーメーカーとして創業したからこそ、技術力に確かな自信を持つこの会社は、次世代の独自EVプラットフォームを軸に市場の開拓を狙いながら拡大しています。今後どのように事業・製品を展開していくのか、目が離せません。

その他・全体を通した共通点

これまであげた各社、そしてこれら以外の大手自動車メーカーの新型EVのコンセプトには、多くの共通点があったように感じます。
一つ目はシャシー(車体)の形。流線形を意識しながらも、カクカクとしたいわゆる近代的な形が多かった印象をうけます。一部のスポーツカータイプを除き、スピードよりも快適性に重点をおいたEV作りが先行している印象を受けました。
二つ目は車載ディスプレイの形。運転席正面モニターとナビなどを表示するメインモニターが連動したり、または一体となったタッチディスプレイ式の端末が席巻していた印象でした。これらは、その良し悪しはさておき、Tesla社の車両デザインを踏襲しているように感じました。


モビリティとしての車のミライ

荷物の輸送能力が非常に高い車。人の移動のバリアフリー化だけでなく、荷物の移動もバリアフリー化するデザインが「モビリティ」の側面では追求されていました。ラスト1マイルの輸送が課題となる現在、そして将来的にも輸送業界のコスト削減と人手不足が噂される状況において、いかにして物流を改善するのか、そのモビリティ自体に注目が集まっています。

例えばトヨタのKAYOIBAKOという車は、車いすも移動棚もそのまま車内に積み込めるほど車内を広く、扱いやすくしたデザイン設計を行いました。バッテリーEVがミライを支える確かな取り組みです。

また、ダイハツが発表したUNIFORM Cargoも非常に魅力的な車でした。ベースとして、無駄な装飾を一切排除し、ユーザーが1から好きなようにカスタマイズできる「箱」を提供するコンセプトがとても印象的でした。

さらに輸送車としては名高いトヨタ車体のハイエースは、スムーズなモノの移動を最大限に追求するデザインを提示しました。専用カートをまったくフラットに車に積み込み運んで降ろすことができるように車体が設計され、すべての積載に対応する新たなスタンダードを実現しました。

いかにして「動く便利な箱」として車を作れるのかというモビリティの側面を追求できるか各社が模索していった結果が結集されていました。


新たなモビリティ

空飛ぶタクシー

週刊SmartPitchにて以前も取り上げていましたが、初めて(株)Skydriveの空飛ぶタクシーの実物を見学してきました。2025年の大阪万博に向け、実際に飛行するまでの課題やプロセスは多く残るものの、実現に大きな期待が寄せられています。

小型モビリティ

今回様々な出展ブースで一際目を引いたのが小型モビリティでした。「東京モーターショー」から「Japan Mobility Show」にシフトしたからこそ注目された新たなモビリティの概念です。

例えばこのSuzukiのMOQBA。

荷物の運搬から足腰の悪い人へむけた移動までを支えるこの小型モビリティは、段差といわず階段のシームレスな移動を可能にしました。

他にも、高齢者が使う電動カートという固定概念を打ちこわし、高校生から誰でも使える電動パーソナルモビリティを開発し、未来の新たな移動スタイルを提示しています。

Hondaが発表したのは体重移動のみで動ける車いすモビリティ。両手が空き、周りの人と同じ目線で生活できる、生活をスムーズにするモビリティです。

その他

4輪でもない2輪でもない、電動3輪車が活躍する未来のカタチとして、ヤマハが「楽器」と融合した車体デザインを提案していました。自動運転の流れにとらわれない、3輪車を運転するという独自の体験を届けるまったく新しい試みがそこにはありました。

AISINは、自動車部品の開発で培ったノウハウを生かし、「コーヒーをこぼさず運ぶモビリティ」を展示しました。ほかにも、オフィス(ビル)内の無人運搬ロボットの展示が多く、自動運転技術が一番直近で実現可能となる分野であると強く感じられました。


スタートアップの取り組み・著者注目の新規事業

最後に、Japan Mobility Showで個人的に興味を持った、今後成長しそうなスタートアップやその他大手の新規事業を複数紹介します。

LIFEHUB株式会社
ラスト1マイルに特化したスタートアップであり、小型モビリティならではの持ち運びの設計を考慮した製品開発を行う会社です。医療・福祉分野で持つ自社の強味を活かしたモビリティ開発がとても魅力的に感じました。

AZAPA株式会社
誰もが気軽に、安全に活用できる1人乗りの自動運転モビリティや、EVの航続距離増加を可能にする、牽引式のバッテリー開発を行う会社です。EV社会を実現するための大きな問題を解決するバッテリー技術が期待されています。

新素材 SOLAMENT™(住友金属鉱山株式会社)

SOLAMENT™は、これまで見過ごされてきた太陽光の近赤外線エネルギーを活用する素材です。あらゆる季節に対応できます。素材自体は、住友金属鉱山株式会社が2002年に開発しましたが、近年衣服に応用できるようになりました。透明な素材だからこそあらゆる色に染められ加工しやすい点が魅力です。

株式会社岩谷技研

今一番近い宇宙ビジネスとして、気球キャビンによる気軽な商用宇宙遊覧フライトを実現するスタートアップです。来年には初めての商用フライトが決定しており、実現間近の宇宙開発ベンチャーではないでしょうか。

人工筋肉で横Gに対抗するシートの開発(トヨタ紡績株式会社)


最後にご紹介するのは、人工筋肉を使って、車の横ゆれに対応するシートです。人工筋肉の空気圧を増減させることによってクッション性を調節できるだけでなく、アクティブに乗員の姿勢を変化させることも可能で、これにより、直進でもカーブでも同じように姿勢を保てるシートを実現しました。乗り心地をシートから変えていく試みは自動運転が実現した際に乗客の安定性をいかに向上させるかという問いへの答えになり、必要不可欠な技術であると感じています。


世界のミライを支えるイベントが日々多数行われています。これからも積極的に参加して、新しいこと・ものにいち早く触れていこうと思います。

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