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VOL.2 『関心』あれど、迷走す

漠然としたWillの中、Skillファーストの迷走へ

 さて、転職を選択肢の一つとした関心は、漠とながらも湧いてきたが、
何から手を付けるべきかと考える日々。今思えば、転職サイトなり、転職を経験した人の配信情報なり見れば、得るものも多かったかもしれない。
しかし、転職が選択肢の一つであり、心ある素敵な上司や仲間にも恵まれていたこともあり、心の中は今の会社に残ることを第一に考えていた。
 とはいえ、退化することを避けることと自身の成長のためにも何かやらなばという考えから、とにかく外部でも通じるスキル=資格といったわかりやすいものを模索。弁護士?公認会計士?様々な「士」業はあるが、どれも自分のやりたいことか、やってきたこととの整合なく、なかなか決まらない。
 結果、漠然とした英語ができると海外へのフィールドが広がるかなといった感じで、TOEICに取り組むことに。”それなり”に、真剣には取り組んだ。
結果もついてきた。しかし、充足感はあまりない。
 他にも、リベラルアーツという観点で通信教育もいろいろ取り組んだ。
取り組んだことそのものは良かったが、通信教育をこなすことだけに一生懸命になっている自分がいることも感じる、迷走の森に入ってしまっていた。

出向による転機

 そんな迷走の中、思わぬ転機が来る。サラリーマンである以上発生しうる「出向」という人事。世間的には、半沢直樹の影響か「出向=左遷」と捉える向きはあるが、なぜか出向の辞令があった際に、まったくそのような気持ちにはならなかった。
 辞令を受けた出向先が、出向元の資本がわずかしかなく、他社の資本がメイン且つ様々な会社からの出向者による混成部隊、ゆえに雇用が保証された中での「疑似転職」であったからかもしれない。加えて、単身赴任。自身の力試しとともにこれまでの”慣れ”からくる惰性を断ち切る機会、デスクスタディから「実践的スタディ」の場として捉え、Willなき迷走からの脱却を図る転機としようと意を決していた。

衝撃

 出向しての直属の上司は、他社からの出向者で同世代。同世代だけでなくケミストリーが合うのか、とても充実した中で業務が遂行できるありがたい環境にあった。しかし、日々業務を進めていく中で「衝撃」を受けるとともに自身の力量不足を感じることに。
 直属の上司は、人格も優れているだけでなく、語学堪能、ファイナンス、リーガル、プロジェクトマネジメントいずれの分野においても卓越。アプローチ方法も業界が異なるので当たり前ではあるが、自分のやり方は同じ業界だから通じていたことを痛感。いかに自分が、「井の中の蛙大海を知らず」であったか。
 ただし、同世代のロールモデルがすぐ近くにいたことは、自身を振り返る絶好の場であった。なぜなら自分の力量と比較するだけで、外の世界に身を置いた場合の過不足を把握できるから。
 「衝撃」を受けた出会いと積極的な業務遂行と交流を深める中で、外でも通じるためにやるべきことが、おぼろげながら見えてきたことで、迷走の森から抜け出れそうになっていた。

自分のことをマーケティング

 業務に真摯に取り組む中で、力量不足を感じながらも、外でも通用する
分野、知見があるかもと…少しずつではあるが感じていた。
そこで、
① 自分自身のこれまで取り組んできたことを可視化
 できる限り具体的に、客観的な指標も交えて強みは何か弱みは何かを、
 そして何よりも自分自身楽しい気持ちを感じたかを素直に。
② 信頼し利害関係のない社外の人に自分の価値をヒアリング
 第三者から見た自分の何が強みか弱みかを客観的に認識する。
③ 今後の市場変化と求められる価値を調査
 自身の強みを市場に供給しても、需要が乏しければ成り立たないし、
 激しい市場では、そこまで価値がないとされるかもしれない。

 この一連の流れをとにかく繰り返して整理をしてみた。繰り返すうちに、共通する自身の強みと補うべき点がハッキリと浮かび上がってきた。
これって、いわゆるマーケティングですね。自分を商品に例えるのはなんだけど、今更ながら自社商品のマーケティングを実践していたのだと。

強みと弱みが見えると日常業務にも好影響

 自分自身のマーケティング調査をして浮かび上がった特徴を知った上で、日常でも実践してみると、自分だけでなく周りにも良い影響を与えているようにも思えるくらい業務がはかどってくるし、こうなりたいというWillも見えてくる。
 そして弱みも知ることで、自分で言うのもなんであるが謙虚さも出てくるし、デスクスタディもWillがあるので理解が早くなるし、すぐにでも実践してみたくなる。
デスクスタディも大切であるし、当時も取り組みを継続していたが、100冊の本よりも1冊の本を読んで小さくてもすぐに実践する、失敗したら原因と対策を考え、また実践、この繰り返しが頭だけでなく体にも染み渡って理解し習慣化するものと今更ながら実感。
 そうしていく中で、同じ部署にも心ある優れたメンバーとともに成長している実感を得ていることも感じ、迷走から抜け出て、わずかな『自信』が
芽生え始めたのもこの頃である。

*** 次回に続く ***

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