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うつから復職して1年

はじめに

既に2月も終わってしまうが、今日は復職して1年経ったいまの気持ちを記そうと思う。
実は復職1年になる日を忘れていた。区切りとなるこの記念日(2月1日)をまさか忘れるなんて。それくらい遠い記憶になっていたのかもしれない。良くも悪くも。

率直な気持ちは「とても長かった」に尽きる。歳を取ると1年があっという間に過ぎるはずなのだが、この1年は本当に長かった。たくさんしんどい思いもした。何度も挫けそうにもなった。

いい機会なので、①休職中に何をしたのか、②治療について、③復職後の仕事と会社の評価、を簡単に述べたい。

①休職中何をしたのか?

とにかくひたすら休んだ。とりあえず寝た。と思う。
ちょうど、HSP (Highly Sensitive Person) というものを知った頃だった。ネットからの情報では、HSP気質の人は長時間睡眠が必要らしい。でも自分はいつも5-6時間で大丈夫だった。それでも休職直後は眠剤のお蔭もあり、7-8時間は寝た。いつもより長く眠れていたのだろう。今はまた減って6時間くらい。

先ほどから「と思う」「かもしれない」などと他人事のような感じだが、実は休職に入る前の2020年の7月から半年くらいの記憶があまりない。HSPの情報収集として2020年10月にTwitterを再開させたので、そこらへんは補完できるので問題ないのだけれど。
頭がバグっていたのは事実だ。
復職1年のいまを例えるならフリーズしてしまった古いパソコンを一旦初期化して再起動した感覚に似ている。
休んですっきりした感がある。

そしてとにかく本を読んだ。
武田友紀さんの「繊細さんの本」などHSPの本を読むと、自分にはD.O.E.S (ダズと読むらしい…) が当てはまり過ぎて笑えた。自分のトリセツかと思った。
子どもの頃から神経質だって言われて育ったし、ささいなことを敏感に感じるのは仕方ない。嗅覚も敏感だからいい匂いはいい匂いだし、クサい物はクサい。
感じることは能力なんだ!そう思おう。

HSPのDOES とは・・・

D.O.E.Sとは、”高い敏感性の人がもつ4つの側面”のこと。HSPならほとんどすべての人が持っている側面。
D:Depth of processing(=プロセスの処理が深い)
O:easily Overstimulated(=刺激を強く受けやすい)
E:Emotional responsiveness(=感情的な反応が強い)
S:empathy and sensitive to Subtle stimuli(=微妙な刺激に対する共感と敏感さを持っている)

The Highly Sensitive Person
FAQsより

そのD.O.E.S.はHSPの提唱者の心理学者 エレイン・アーロン博士のことばだ。
日本語版公式サイト(The Highly Sensitive Person)の記事も読み漁った。
余談だが、この日本語サイトの作成・運営をされている久保 言史さんはおそらくご自身がHSPの方だと思う。メールのやりとりをさせてもらったが、控えめな感じで物腰柔らかな方だった。

それから、精神医学、心理関連、50代60代をターゲットにした終活関連、絵の描き方などを乱読した。朝起きて図書館に行き、閉館直前までいたこともあった。
これまで年に数冊しか読まない人種であったが、自分って本を読むのが好きだったんだ、って少し驚いた。

②治療について

治療の前に、うつの診断について
診断されるには、医師の問診だけでなく光トポグラフィー検査も受けた。頭に装置をつけて簡単な問題に答えるというもの。これで血中ヘモグロビン濃度変化を計測するらしい。血流をグラフ化して「うつ病、双極性障害、統合失調症、健常」が鑑別できる。いまや客観的な数値で診断できる時代だ。
ちなみに自分は脳みそが常に緊張している状態らしい。過敏に反応し続けていると言われてそうだよね、と納得してしまった。

話は戻って治療について述べる。
メインは薬物療法
抗うつ剤と眠剤が1種類ずつ。初診時だけ頓服の抗不安薬を出してもらったが今は出されていない。錠数の増減はあれどレシピは変更されていない。
このまま続けるのがあっているような気がする。
抗うつ剤は人によって合う合わないもあるし、どんどん薬を上乗せする医師もいるというのでこれでいいんだと思う。

話が少し逸れるが、仕事で医師と話をする機会がある。全く別の疾患のことで参考にはならないかもしれないが、別々の医師から聞いたことを参考までに紹介する。
1.有効血中濃度(薬効が効くと言われている血液中の濃度)に達していないけど、やめてしまうと病状が悪化してしまうことがある
2.紹介患者さんで他剤併用していたため、どの薬が効いて効いていないかを見極めるために入院して一旦断薬したところ、病状が消えたことがあった

サブの治療としてTMS治療 (Transcranial Magnetic Stimulation, 経頭蓋磁気刺激法) を行っている。TMSは脳に磁気刺激を加えることによって脳機能の回復をめざすというもの。
保険診療ではなく自由診療だし、結構高額で財布には厳しい。
個人で入る医療保険も利かない。
おまけにカード会社の都合でカードも使えず、現金で支払うしかない。
ネットでも効果の賛否はわかれるようなので人に勧めもしないが自分には効果があったと思う。

もうひとつはカウンセリング
これはTMS治療についてくるものではあったが意外に良かった、というか受けて良かったと思う。
助言をもらうというよりも自分ことを第三者にしゃべることで自分の頭の中が整理される気がする。ここ2回のセッションでは会社で生き抜くヒントを与えていただいている気がするの。
担当の臨床心理士(公認心理師)さん、これまでウザがっててごめんなさい。
実は初診の時にあなたに「今回の再発は・・・」などと言われてショックを受けていた。思いやりのない発言だと。再発なんかじゃない。一旦は完治したんだ!思い込みたかったから。

いきなりカウンセリングを受けるのは勇気がいると思うが、受けてみる価値はあると思う。

③復職後の仕事と会社の評価

復職できるかどうかは2021年1月末のZoomでの産業医面談で決まった。ほぼ5か月間の休職期間が経っていた。
初めての人としゃべるのは苦手なのだが、コロナのご時世、オンラインが当たり前になっているんですね。

復職後はとにかく頑張らないことを頑張った。
思いっきり端折るが、ついつい頑張り過ぎるくせがあるため、ゆるくゆるくを基本方針として貫いた。
頑張らないために毎日ツイッターで「復職〇〇日」を呟いた。
復職して200営業日を最後に「頑張らないことができる」ようになった(笑)
なんのこっちゃですよね。

復職直後は転職も考えたが熟考の結果、このまま踏ん張る(頑張るではない)ことにした。
踏ん張るが、ゆるくゆるーく。
その結果、5段階の下から2番目の評価をゲットした。笑うしかない。

でも後悔はしていない。
むしろ自分を褒めたいくらいな感じの業務への取り組みだった。
・・・はい、全部強がりです(笑)
まあ、一年間、お疲れさまでした、自分。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
おしまい。



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