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サラリーマンの脳エクスサイズ ー ❹問題解決を楽しむ(下)

上司に、『反省しろ!』 と言われたサラリーマンへ
反省などする必要は無いぞ!攻めろ!

タイムヒストリーは過去に起きたこと、自分たちの経験した範疇のできごとや記憶を引き出すに過ぎません。
理想が過去に誰かがやったことであれば、自分が学んできた全てのヒストリーを分析すると対応できるかも知れません。
でも、これから成長してもらいたい若手のサラリーマンには、どんどん未体験ゾーンに進んでもらいたい。

未体験ゾーンへの冒険ツアーのガイドや魔法の杖をご紹介します。

ねっからの理系だから。。。。かも知れませんが、
とっても便利なガイド魔法の杖です。
それは、物理の基本原理や、TRIZなどの発明原理です。
意外とそれらの考え方は、日頃のさまざまな問題事象にも対応できます。

■物理の基本原理とは何でしょう?
古典物理でニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て発見したというたぐいの原理です。
生活の実体験から理解しやすいモノばかりだと思います。

物理の基本原理例

基本原理をできるだけ抽象的な概念で理解してみて下さい。力は物体や状況を変化させる原因の大きさ。
おもりを右から左へ動かす、つまり変化する。その時に必要だったのは、原因は力ですね。
コンサートに行ってYazawaの歌を聞いて感動した。その時にはパワーをもらったと言いますよね。誤解を恐れずに書くと、パワーは力です。

物理の原理を抽象的にとらえることで、理科や技術だけではなくて、生活のほとんどをこれらの原理で捉えることができるようになります。
ああしたい、ああすればよかった つまり、問題を、この抽象化しておきます。でも、ああすれば、こういうって弊害もあるよなとなるハズです。

■物理原理の活用
物理の原理で最も使う概念は、質量、長さ、時間と波動だと思います。これらを足したり引いたり、書けたり割ったりして、色々な発想の展開が可能になります。
理系の話をすると、理解できないことも多くなるでしょうから、誰もが大好きなお金の話を例にしてみます。

来年には日本の紙幣のデザインが渋沢栄一さんに変わります。発行部数はその時の需給に合わせて印刷されるそうです。この需給って何でしょうか?
使われて日銀にお金が戻ってくる福沢さんの量だけを、渋沢さんを替わりに市場に流通させると言うことのようです。福沢さんの質量と渋沢さんの質量を、時間をかけて同じだけにする。質量かけ時間を波の様に変動させながら、出入りを合わせて行くことになります。
一気に渋沢さんを刷っちゃうと、お札の価値が下がりインフレ物価高になりますからね。

来年には日本の紙幣のデザインが渋沢栄一さんに変わります。発行部数はその時の需給に合わせて印刷されるそうです。この需給って何でしょうか?
使われて日銀にお金が戻ってくる福沢さんの量だけを、渋沢さんを替わりに市場に流通させると言うことのようです。福沢さんの質量と渋沢さんの質量を、時間をかけて同じだけにする。質量かけ時間を波の様に変動させながら、出入りを合わせて行くことになります。
一気に渋沢さんを刷っちゃうと、お札の価値が下がりインフレ物価高になりますからね。
需給のバランスが良いところでは、安定して平和な状態になります。

お札ではなく、人と考えてみても同じようなことが言えます。
ひとりの女の人に複数の男性が思いを寄せると争いになりますよね。質量と時間のバランスが悪いと言うことになります。
人気の女性が時間をずらして男性と付き合ってくれると言うことは、人間の世界ではないので、波動は心理的波動となって残ることになります。

このように、物理の原理を社会や経済、人間関係にも当てはめることができます。

このように強引なこじつけと思われた方もいらっしゃるかも知れません。しかし、原理を概念化するテクニックを身につけることで、色々な問題の分析ができるようになり、解を見つけ出すことができるようになりますのでぜひ試してください。弊害も抽象化しておきます。

次は解決するためのTRIZの思考です。

■TRIZの手法って何でしょう?
将棋で言えば定跡。将棋の戦法には「四間飛車」「中飛車」「矢倉」「角換わり腰掛け銀」など多くセオリーがあります。
それと同じように、技術的な問題に対しても攻め方のセオリーがあります。
TRIZは、ロシア生まれの問題解決のセオリー(Theory of Inventive Problem Solving)です。
ロシア語でТеория решения изобретательских задачだそうです。その頭文字を取ってТриз=TRIZ。

うぅ、、、、読めない、あぁ、、、、書けないですが。。。。

膨大な特許出願を統計的に分析して、概念を整理して生み出したナレッジデータベースですね。

TRIZ手法


■発明原理(40個のプリンシプル)をブレークスルーに活用
TRIZでは40のプリンシプルと39の背反事象というものを使います。発明の分析結果から導きだしています。

ここで言う背反事象が解決すべき課題にあたります。
背反事象のパターンによって、解決するため適用する最適な発明原理(プリンシプル)を探索します。
そして、具体的な対策へ結びつけて行きます。
(参考図書;革新的技術開発の技法 図解TRIZ 三菱総合研究所 )

クルマの信頼性強度と軽量化を両立させる事例を取り上げてみます。
従来の技術では、車体の強度を上げるためには、鉄板の厚みを増やさないといけませんでした。
しかし、鉄板の厚みを増やすと、クルマの重量が増えてしまいます。クルマは常に軽量化と言う至上命題があるので、背反することになります。
そこで、
背反を39のパラメータの中から 『改善特性No.14と強度』と『改悪特性No.1の移動物体の重量』の背反を解くセルをあるツシュラ―の矛盾マトリクスから探します。
そして、交差したセルに格納されている数ケースのプリンシプル(発明原理)から、適用できそうなものを探索します。

探索した結果、プリンシプルはNo.1,8,15,40でした。プリンシプルを詳しく解釈して行くと、経験から発想ができるインスピレーションに合ったものはNo.1の分割原理でした。
経験知が使えるところまでに落とすのが取っても大変なのです。

分割原理は、物体を最小単位まで分割して考えてみると云うものです。
実際に適用されたのが、クルマのキャビンやシャシ部品に使われた鉄板のテーラードブランク工法です。強度の必要な部分だけ強い鉄板を使い、あまり強度の必要のない部位は少し弱い鉄板を使う。それぞれの鉄板をレーザーで接合しておき、あたかも一つの鉄板の様に加工して製品化すると云うものです。

適用する背反パラメータを抽出する時に直面する対象を抽象化するテクニックが必要になります。そのテクニックを物理原理の適用のところでしっかりと身につけると、パラメーター抽出が容易になります。

テーラドブランク適用事例

■実生活にTRIZを活用すると
経済、商売の話に適用してみましょう。
今、為替相場は急激に円高へ向かっています。ドル円の為替はドルと円の力関係で決まると言われています。力関係の要素は、金利とGDPとなるのだそうです。
金利は日々変わっていますが、GDPは日々変わるものではないので、今の円高は金利で変わっていると言っていいのでしょう。

そこで、輸出企業にとって、円高は材料輸入コストが下がるので、エネルギー損失(矛盾パラメーターNo.22)が改善されます。背反するは海外の売上が円価では目減りする、つまり、出力(矛盾パラメーターNo.21)が悪化することになります。これらの矛盾をを解決するための原理は、No.02,26,35,36 が提唱されています。
インスピレーションでN.35パラメーター変更原理が適用できそうです。複数の輸出品が一定量あるときには、収益性の高い商品に生産能力を振り分けることが考えられます。
売価をキープしていても、円高メリットで原価が下げられるので、下がった分を宣伝費に回すなどの手を打つことが可能になります。
つまり、台数ミックスの改善です。

現実的にはそうそう簡単ではありませんが、TRIZ的思考は分かっていただけたのではないでしょうか。

■まとめると
個々人の経験は限られたモノにならざるを得ないのです。問題解決手法などではブレーンストーミング法などが推奨されているいますが、出てくるアイディアは限定的になりがちだと言うことを、多くの人が経験していると思います。
物理原理概念化トレーニングとブレークスルー発想法を手の内にすれば、未体験の問題へも果敢に挑戦することができると思います。流れは以下の通りです。

問題の課題化への流れ

以上
田中松月

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