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一生懸命推した(自分の気持ちを否定しながら)

夜、眠れなくて、追っかけ時代のことを思い出していた。
まだ蟠りわだかまがあるのかと、がっかりする。
でも、以前よりは思い出さなくなった。
noteに書いてその時の感情を整理できたおかげだろう。
脳内映像もぼんやりしている。


舞台関係の人の追っかけをしていた。
今で言う「推し」。その当時はまだ「推し」という言葉は流行っていなかった。
恋愛感情ではないけど、恋愛感情に近いものを持っていたと思う。

彼と恋愛関係になりたいという気持ちはなかった。
結婚式するとしたら、とか、こんな家庭がいいな、とかのイメージには使った。
だけど、実際彼と結婚したいというのは違う気がした。


周りのファンの中には「彼と結婚したい」と言っている人もいた。
それを聞いてドン引きした。「現実的ではない!」
嫉妬心もあった。「彼を取られたくない!」
実際に声にはしていないけど、心に不満が積もっていった。

そういうのもあって、今でいう「同担拒否」になっていった。
彼が携わる作品や彼の魅力を語ることは楽しかったのだが、
彼からアイコンタクト?(ファンサ?)をもらったという自慢や、
「彼の近所に引っ越す」などと言うのを聞いて、気分が良くなかった。

結婚したいとは思っていないけど、私は彼の深いファンでいたかった。
なんとか彼に良いインスピレーションを与えられないかと思っていたし、
観客を増やすためにSNSなどを駆使して盛り上げられたらいいなと考えていた。

心の距離は縮まらない。それは当然だけれど。
友人、恋人、伴侶になりたいわけでもないのに、彼の信頼を得たいという矛盾。

恋愛感情みたいだけどそうじゃない。
自分が彼に抱く思いをラベリングできなかった。

同担と同じように「彼と結婚したい」なんて言いたくない。
私のは恋愛感情ではない。だけど好きで苦しい。


数か月後、彼が結婚した。
結婚したからファンをやめるわけではないというふりをして、私はフェードアウトしていった。
本当は結婚しても彼を推していたかったのだが、
同じ頃、彼の女性関係が露呈したり、その件で誠実な対応がなかったりして、
このままでは彼の言動によって傷ついてしまうと思った。

今まで傷ついても自分が悪いと思ってきた私が、
初めて自分が傷つくことを避けようと思ったのだった。

推しが結婚してファンをやめるって何なの?
それって恋愛感情で見ていたってことでしょ?
ふつう付き合えるわけないじゃん。痛いな。

私を責める私の考え

こういう言葉を誰かに言われるのではないかと恐れて、
自分の気持ちを否定していたと思う。

別に、推しが結婚してファンをやめてもいいのだ。
推しが結婚して「つらい」とか、「いやだ」とか思ってもいいのだ。
それなのに、その気持ちを押し殺していた。

「つらい」のも、「いやだ」と思うのも当然だ。
大好きな推しの変化についていけない。
キラキラして見えていた世界。「そばに奥さんがいるんだな」と思うと、しぼんでいく。
本気で好きだった分、変化を受容することは厳しいのでは?

それと、
恋愛感情でも、そうでなくてもいいのだ。
手の届かない存在に恋愛感情を持ってもいい。
大々的に発表する必要はないけど、「好き」は「好き」でいい。

「私、ずっと自分の気持ち(感情)を否定していたんだな」ということに気がついた。
何も否定しなくていい。だって感じる"気持ち"は人それぞれ。
正解も間違いもない。
それで批判をしてくる人がいたら、私の側面しか見ていないのだし。

一生懸命推した。その経験は素晴らしいことだ。


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