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ブラジルの大富豪が100万ドルもする愛車ベントレーを「埋葬」した本当の理由

ブラジル屈指の大富豪と言われるチキーニョ・スカルパ氏。この方は、イタリア系富豪家系の方で、タレントやモデルとの恋愛騒動でも有名なお金持ちなのですが、以前こんな発表をしたことがありました。

日本円でおよそ1億円もする愛車「ベントレー・フライングスパー」を埋葬する、と…。

最初の言い分はこんなものでした。

「エジプトのファラオや貴族が宝物を一緒に埋めたのと同じで、自分も死後の世界で大好きな愛車を乗り回したいから埋める!」

まぁたいそうなお金持ちでもあり、彼にしてみれば100万ドルクラスのものなんてたいしたことはないのかもしれませんが、庶民感覚からすれば、とんでもないことには違いないので、批判が殺到することとなりました。
彼のSNSは大炎上。反発の声が立て続けに増え、テレビや新聞各紙も大きくとり上げて、大バッシングの嵐が吹き荒れる事態となりました。
それでも彼は、自宅の庭で、自身で重機を操作して愛車を埋葬するための大きな穴を着々と準備。その様子をSNSに写真付きでアップして、まさに火に油を注ぐ事態となってしまいました。

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批判の多くは、こんなものでした。

「埋めるのではなく、なんでチャリティなどに寄付しないんだ?」

もっともです。しかし、当人はそんな意見には一切耳をかさず、「計画は順調だ」と事を進めていきました。

決行の日に明かされた、彼の真意とは…

さまざまなメディアの取材班、著名人や芸能人などを招待し、大きな注目を浴びるなか、彼の自宅の庭で、愛車「ベントレー・フライングスパーのお葬式」が執り行われました。

大きく掘られた穴に埋められた、100万ドルの愛車。「なんてもったいないことを」「金持ちのやることは理解できん」と、皆が思っている最中、彼は涙を流しながら「皆に言いたいことがある」と、こんなことを言いはじめました。

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100万ドルのベントレーを埋めることに対して、ほとんどの人が私を批判しました。
実のところ、このベントレーよりもはるかに貴重なものを、みなさんは土に埋めています。心臓や肝臓、目、肺や腎臓をも土に埋めるのです。これは実にばかげている。
臓器移植を待っている人がたくさんいるのにも関わらず、その人たちの命を救えるかもしれないのにも関わらず、あなたたちは健康な臓器を土に埋めてしまう。
これは世界で最ももったいないことの一つだ。それに比べれば私のベントレーなんてどうでもいいんです。
どんな富よりもその臓器のほうが貴重なのです。なぜかと言うと、命よりも大切なものはないからです。
臓器提供ウィークを正式に発表いたします。
私は臓器提供者です。あなたはどうでしょうか。


臓器提供ウィークの、パブリシティ・スタントとも言えることでした。ステマでもありますね。それに、SNSやブラジルの大メディアがまんまと騙され、かつハマってしまったわけです。

ブラジルもネットの普及率が伸び、気軽に何かの「社会の違反」を見つけたら、みんなでよってたかってその人を叩きにいく行為を逆手とって、ブラジル国民、あるいは世界中の人びとの臓器提供への意識レベルを一定程度引き上げた例になりました。

臓器提供は、するもしないも、もちろん個人の自由です。また、仮に望んだからと言って、臓器がすべて「健康」とは限らず、すべてが適合し、すべてが有益に活用されるわけでもありません。
とは言え、意思表示が誰かの命を救う、ひとつの可能性になることもまた事実ではあります。
みんながよく考え、するもしないも決断をしておくことは大事なことではないでしょうかね。

ちなみにかのベントレーは、土がかぶせられるギリギリに「待て待てぇー!」と声をかけられ、埋葬はまぬがれることとなったそうです。こちらももったいないことにならず、なによりでした。

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