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「日本では牛は二度死ぬ」と言われ、「シチューには年季が、ステーキには天才が要る」と言われる。

まぁ、いろいろと意見はわかれるところかと思いますが、私は、どっちもちゃんとした肉なら、霜降りのものよりは赤身のほうがおいしいと思ってはおります。もちろん、霜降り肉もおいしいですけど。

「日本では牛は二度死ぬ」

屠殺場とレストラン(焼肉店等)で、という意味ですね。以前はそう言われてたそうです。
どういうことかと言うと、日本のレストランでは、本来はおいしく食べられるはずの肉を仕入れていながら、「お刺身でも食べられるほど新鮮なお肉ですよー」とか、ふざけたことをぬかしながら(すみませんが、そうおっしゃってる肉のプロと称する方は多いようでして)ちゃんと熟成もさせずに脂の味だけで食べさせるヤクザな商売(重ね重ねすみませんが、そうもおっしゃってたようで)だということなのですね。

最近は、コロナの影響とか、アジア圏の肉需要の増大とかの影響もあってか、なんとなく全般的にお店で食べられる肉の味が落ちてるような気がしないでもありません。

とは言え、近年ではウルフギャングから、ベンジャミン、そしてピーター・ルーガーと、米国のステーキハウスが東京の六本木界隈に続々と開店し、いまや六本木は「ステーキの街」とまで呼ばれるようになってますね。
そのため、きちんとステーキ用に肥育してグレードを付けた枝肉を、各店舗のやり方で4~6週間にわたって熟成させた肉を、客の好みのカットで、お望み通りの焼き加減で食べさせてもらえるようになってはきました。

「本当にうまいステーキが食べられるのは、ニューヨークかフィレンツェだけ」

いろいろとお詳しい肉好きの方は、「日本にもついに本当の肉食文化が根付くのか!」とお喜びのようですが、そう喜んでばかりもいられません。
本国から仕入れた枝肉は、熟成が進むに連れて当然縮みます。変色した部分や筋、においの出た脂身などを切り落としていくと、歩留まりは6割もあれば良いほうになってしまいます。赤身とは言っても、リーズナブルなはずはありません。お財布への影響は覚悟しなければなりませんね。

昔から「本当にうまいステーキが食べられるのは、ニューヨークかフィレンツェだけ」と言われているそうですが、理由はふたつあります。
ひとつは、長年の研鑽の結果で、ステーキに適した肉の生産から流通、熟成までの手法が確立されているから。
そしてもうひとつは、そこに腕利きの肉焼き職人がいるから、です。

「シチューには年季が、ステーキには天才が要る」

昔から「シチューには年季が、ステーキには天才が要る」とも言われているそうです。
名高いステーキハウスの厨房には、必ず「肉を焼かせたらピカイチの腕前。だけど、それだけしかできない」と言う、「天才肌の肉焼き職人」がいて、マジか! というような報酬を得ているそうです。

そして何よりも肝心なのは、そこに自腹で通い詰めて気前良く金を落として店を育ててるステーキ命の男どもの存在。当然自腹ですから、味が落ちれば一瞬で誰も来なくなります。シビアなもんです。そりゃあ店側は常に真剣勝負にならざるを得ないわけですね。

名高いステーキハウスに行かなくたって…

名高いステーキハウスで5桁のお金を払って食べたら、そりゃあきっとおいしいに違いないですけど、まぁ、なかなかは行けませんよね。
そんなときは、輸入米国産ビーフの赤身肉を買ってきて、おうちで食べてみてもいいでしょう。きちんと調理すれば、きっとそれなりにおいしいはずですよ。

よく叩いて、マキシマムスパイス(魔法のスパイス。Amazonで700円くらいでしょうか)なんかで味付けして、表面が焦げるぐらい、中は柔らかすぎず、適度に脂肪が抜けて、繊維感はあるが硬すぎない感じに…。ハーブ入りバターをたっぷり添えて、できれば熱したステーキプレートの上で…。ソースは、アメリカだとグレービーとかでしょうけど、日本人には少ししょっぱい感じもするので、もちろんいろいろとお好みで…。

あぁ、ステーキ、食べたくなってきましたわー。

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