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トムは真夜中の庭で

ふらっと午前中にBook offに立ち寄ってロトの紋章〜紋章を継ぐもの〜を読もうとしていたら懐かしい本を見つけてついつい全部読んでしまった。

『トムは真夜中の庭で』

初めは少しだけ冒頭を読もうと思っていたんだけど、児童文学とは思えないほどに文章に引き込まれてしまった。

世界中で読み継がれていく文学はやっぱり魅力があるんだと大人になって改めて思った。

言葉は、言葉のままでその本質を味わえないし、その一言から喚起されるものによって初めてその豊かさを味わえて言葉が生きてくる。

読了の余韻に浸って何言ってるのか自分でも絡まっているけれど、、、
冷めないうちに書いておこうと思いまして。

『トムは真夜中の庭で』では主人公のトムと一緒になって冒険してるような気分が味わえた。

この小説の魅力は時間と場所の境目を超えることだと感じた。 
その時間と場所という境界線を軽々と超えていく一つの文章があまりにも美しくて、、、

「夜とひるのあいだには、自然が眠っている時間がある、その時間を見ることができるのは、早おきの人たちか、夜どおし旅をつづける人達だけだ。
夜汽車で旅する人が、じぶんの車室のブラインドをあけて、そとを眺めていると、シーンとしずまりかえった風景があとへあとへと流れさっていくのを見るだろう。 木々も茂みも草もみな眠りにつつまれ、息を止め微動さえせず立っている。そのときの自然は、眠りにつつまれているのだ。ちょうど、旅人がゆうべ寝る前に、じぶんのからだを外套やひざかけ毛布でつつんだように。」

すごい文章だなと。

ハティもトムも自らの置かれた環境を、自ら住みやすいように変化させていく。居場所を作りかえていく。困難な環境の中で、自分の想像力で外の世界を変えてしまうのがこの本の魅力的なとこだと思う。

次は久しぶりに『ファーブル昆虫記』でも読もうかなと思う。


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