見出し画像

high fashionがstreetを無視できない時代

 ぼくがファッションの魅力に取り憑かれた当時louis vuittonのデザイナーはマーク・ジェイコブスだった。彼はジョルジュ・ヴィトンからlouis vuittonのデザイナーを託され、これまでに様々なブランドの歴史をつくってきた。

 現代アートとのコラボレーション

 村上隆、スティーブン・スプラウス、リチャード・プリンス、草間彌生、時代を代表する芸術家とのコラボレーションは当時ファッション業界(ぼくはスタイリストとはファッションでなく広告家だと思ってる)にいたぼくにとっては衝撃的な出来事だった。コラボレーションといえば2016年SSコレクションでは「ファイナルファンタジーXIII」の主人公ライトニングが広告モデルになった。

 この当時のディレクター、ニコラ・ジェスキエールはゲームファッションから着想を得たとインタヴューで答えている。
 今までにないファッションのあり方、それが0年代のクリエイティブと言ってもいい。またアニメ映画「エクスマキナ」ではPRADAのミウッチャ・プラダが衣装デザインをしている。louis vuittonはその後ディレクターにキム・ジョーンズが就任した。(彼については色々語りたいことが多いが、一つだけ自身のシグニチャーコレクション本番前キャップのつばをその場でくり抜いた話は好き)そして彼らはモードを縄張りとしてきたデザイナーたちだ。

 それらを踏まえて今回アフリカ系アメリカ人、ヴァージル・アブローのlouis vuitton初コレクションが先日ついに行われた。ストリートブランドOFF-WHITEのデザイナーである彼が、パリのトップブランドのアーティスティック・デザイナーに抜擢されたことはファッション業界における革新だ。

 DJ、建築家、カニエ・ウエストのクリエティブ・ディレクター、また記憶に新しい現代美術家の村上隆とのコラボレーション、カイカイキキ・ギャラリーで個展を開くなど現代アート界にも多大な影響を与えている。

 louis vuittonにストリートの象徴とも言えるスニーカーを主役にするなど、彼はハイファッションとストリートの境界線を軽々と飛びこえてしまった。
 
 エディ・スリマンがファッション業界に復帰、CELINE初のメンズディレクターに就任したことで、これからのファッション業界はまた盛り上がりを見せている中(個人的に盛り上がってる)。ヴァージル・アブロー率いるlouis vuittonが、これからどのようにハイファッションの枠組みを超えていくのか楽しみでしょうがない。

 でもやっぱり、CHANELのオートクチュールが毎回楽しみでしょうがないよね。

サポートしてくださるととても嬉しいです。これからの励みになります。美味しいコーヒーが飲みたい。がんばります!