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野田祥久郎
2018年6月11日 02:04
新緑の頂きにまだ雫が残る季節、ぼくは愛車のハーレーで少しだけ北を目指した。一般道から高速道路に入り、後は道なりに進んで行く。この季節のバイクは最高に気持ちが良い。新しく宿した命の香りが、夏を迎える前の風を連れて、肌にその息吹を感じさせる。 この一ヶ月ほど岩瀬から連絡はなかった。じめじめした季節だ。電線を見上げることも出来なかっただろう。ぼくは携帯のディスプレイを毎日確認しては閉じた。彼女か