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え?万一のチャンスに賭けられない?外国籍中学生の高校入試への挑戦②進行中

「え、それで、どこの塾に行くことにしたの?」
「それが、子どもが、『今さら、知らない人のところに行くのはいやだ、先生(私)に教えてほしい…』って言うんでお願いします」

(前回の経緯)

「ええっ、そんな甘いことを」
「そうなの、でも本人がそう言ってるから仕方がない。先生うんと厳しくして、宿題たくさん出して!」
「うーん」

ということで、大学時代以来、久しぶりに中学生に教えることになった。昔の生徒に「私に教えてほしい」と言われるのはうれしいけれど、受験だなんてなかなかの責任だ。私に出来るだろうか?でも、やるしかない!
まずは、久しぶりに家に行って会ってみた。大きくなってるけれど、なんかそんなにブランクは感じない。まあ、かつては1ヶ月といえど密度の濃い1ヶ月だったからな。

話を聞いたり、成績をよくよく見たりして、やっぱり成績がイマイチなのは、全て国語力に起因するもので、国語力が上がれば、理科や社会も成績アップするのではないかと考えた。本人の話でも、中学1、2年の頃は授業を聞いてもあまり聞き取れなかったため、理解できなかったが、最近わかるようになってきた、とのこと。私との勉強の他に、中国人の子ども向けの塾に通っていて、日本語検定のN2対策の授業を受けており、まだN2の勉強中だが既にN2には受かったそうだ。私だけでなく、他にも日本語を補強できる術を確保しているというのは心強い。

まずは、夏休みの宿題を見せてもらった。

何これ~!

国語、超難しい!夏休みの宿題は高校受験レベルの分厚い問題集がほぼ1冊。塾か!1学期ろくろく授業無しに、問題集丸投げ!?
この問題集の問題文の長文を読みこなせるのなら、既に高校受験なんの問題もないよ。なんで、こんなに難しいの?なぜ自習?

おいおいおい、もし日本人に置き換えてこれが英語だったら、英語でこのレベルの長文を読めといわれたら、4年勉強したぐらいじゃ絶対無理だわ!
おかしいな。公立の中学なのに、なんでこんなに難しいの?子どもの頃から、私の時代には勉強の出来ない子も含めた「万人の味方」だと思っていた義務教育に「?」がつき始めた瞬間だった。

ところで私が、そもそも国語力アップのために最初にやらせようと思っていたのは、オタク精神を発揮して探し当てた、熊本ネットという会社の「合格できる問題集」の国語。名文のさわりの短い段落を使って、読解の基礎が勉強できる内容だ。まずは、日本語の長文を100%母語で理解させる精読の練習をしようと考えた。翻訳者の学習の要領が活きるところだ。

しかし、学校の宿題とは相当レベル差がある!

(続く)

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