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道を聞かれる顔

資源ゴミを出しに行ったら、横の工事現場の交通整理のおじさんに、近所のトイレのある公園の場所を聞かれた。おお、工事のおじさんはそうやって場所を確認して、用を足しているのか。それにしても、なぜ私に。朝、工事が始まってから大分経ってるのに。そろそろ休憩時間なのかな?

そういえば、私はどちらかといえば、どこに行っても道をよく聞かれる顔だった。

美人でもなく怖い顔でもなく、金持ちには見えないがお金に困っているようにも見えない、割と親切そうで人畜無害な感じ。そして、タイプとしては関西によくいる、いつもポケットに飴ちゃんを持っていて「飴ちゃんあげよか」と妙な愛想を振りまいているおばちゃんのようなタイプだから、ま、聞く人は普通に聞くだろう。歯に悪いので、飴ちゃんは持ってないけど。

そして、日本で会えば、どう見ても日本人だが、まるっきり中国人にも見える顔だ。かつて、何十年前、若かりし頃、中国の事務所に駐在していたとき、北京でも、上海でも、広州でも、いつも空港で、それぞれ北京語で上海語で広東語でなにか聞かれるのには毎度驚いた。どんだけ中国に馴染んで、そこの街にいそうな顔に見えるんだ。

ともかく、外国に行くと、圧倒的に道を聞くことも多いし、道を聞かれることも多い。それに比べて、日本では、それよりは聞きにくい。先日、最寄り駅の地下鉄の駅前で身重の奥さんと一緒のご主人が明らかに、降りるエレベーターを探している様子だった。教えてあげようかと思って、主体的に二人に近づいたら、男は「大丈夫です!」といって拒否し、ずっとスマホの地図をのぞき込んで迷っていた。こういう日本人はいかがなものか!素直じゃないな!教えたげるのに!!!

一方で、外国に行ったとき、こっちが聞きもしないのに、日本語でしゃべりかけてくる輩は怪しいヤツだから警戒しようと思っているが、そういうシチュエーションにはまず行き当たらない。なぜなら、大概の土地にあんまり馴染んでいるので、観光客相手の人に声をかけられないためだ…。

しかし、17年ぐらい前、出張で初めてデリーに行ったとき、なんと一泊三日だった。せめてもの旅行気分を味わうため、朝散歩しようと、目星をつけた近場の歩いて行ける観光名所の行き方をホテルで聞いた。そのとき、ちょっと不自然な回り道を案内されたので、無視して最短距離で歩いてみたら、路上生活者の地区を突っ切ることになった。回り道はそれでか!世界のちょうど中流女子という感じの格好をして歩いていたので、デリーの路上生活者の人の中では若干色も白いこともあるし非常に浮いてしまい、刺さるような好奇心の視線を感じて、本当に怖かった。攻撃的な人は誰もいなかったんだけど。

道聞きたくなるような、ちょっと知らない街に行ってみたくなってきた…。

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