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ひじりのリズム

掃除巡礼リズムを11月からスタートする。場所は、オンライン。このnoteでも何度か紹介した、藤代健介さん率いるnestoというスタートアップが提供するオンライン・プラットフォームで、松本紹圭がホスト役となって開く。9月にnestoのPoC(Proof of Concept、つまり実証実験)として毎週日曜の朝7:00〜7:30に開いたこのリズムが、11月からいよいよ正式なサービスとして提供されることになる。掃除巡礼リズムは、nestoの「時間同期・空間非同期」の考え方に基づいて、毎週日曜の朝7:00〜7:30という決まった時間を合わせつつ、異なる場所にいる人同士がオンラインツールを使って空間を超えて「掃除」でつながる、というもの。

nestoは完全紹介制をとる方針だそうなので、ご縁はじっくりじわじわと広がっていく模様。9月のPoCに参加してくれた方は、最初の紹介者としてお申し込み可能です(その時のFBグループにすでに最初のご案内が届いているはず)。それ以外の方は、詳しくはnestoのサイトが立ち上がったら、またご案内します。今どきのスタートアップは「カルトブランドを作り上げてニッチを熱狂させる」方向性のようでもあるけれど、私たちの(コレクティブ)ウェルビーイングを標榜するnestoには、カルトでもニッチでも熱狂でもないウェルビーイングなスタートアップを目指して欲しい。

さて、nestoで掃除巡礼リズムを立ち上げるにあたり、自分なりに取り組みの意味合いを考えてみている。nestoそのもののビジョンに共感しているので、そこで第一号ホストとしてリズムを開かせてもらえること自体、とても嬉しいこと。でも、それだけでなく、何かはっきりとした課題意識を持って取り組むことで、実のところ「定期的に続ける」というのがとても苦手な自分にとっても(いや、それがリズムというものの意味なんじゃないの?というツッコミが聞こえますが)、無理なく楽しく改善を重ねながら続けられる気がする。

で、先日のポッドキャスト「ウェルビーイングってなんだろう?」で藤代健介さんと話したことだけれど、nestoにおいてはリズムを共有するコミュニティが、一人では得ること保つことの難しいウェルビーイングを集合的(コレクティブ)に享受しようという方向性なので、いったいそれがどのようなメカニズムで成り立ちうるのかというサイエンスが必要になると考えている。

これまでの幸福論は基本的に、個人を対象にし、特定の状態を対象にしてきた。この人は、どういう状態になれば、脳内の幸福物質が分泌されるのか、というように。ところが、素人でもわかるように、この考え方には穴がある。例えば、僕は温泉が好きで、温泉に「ふぁ〜ぁ」と浸かっている時、脳内には間違いなく幸福物質が出ている。しかし、だからといって温泉にずっと入りっぱなしにさせられれば、のぼせて死んでしまう。

これは極端な例かもしれないが、温泉でなくとも、人間はどんなに好きなことでもそればかりやらされると煮詰まってしまう。「安定した生活の中で、決まったルーティンを淡々とこなすのが好きだ」という人だって、それは安定した生活の中での些細な変化に気付き楽しむことができる繊細の感覚の持ち主だったりするわけで、五感をフルに使ってこの世界がもたらしてくれる多彩な感覚の変化を味わい尽くすことから、持続的な幸せがもたらされる。一つ言えることは、この持続的な幸せは、ダイナミック(動的)なものだということ。この辺りの話は、東畑開人さんの『居るのはつらいよ』にも通じる話。

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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