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HONDAはF1に帰ってくるかもしれない…

昨年、最終戦におけるマックス・フェルスタッペンの最終ラップにおける劇的逆転によって、ホンダが実に30年ぶりにドライバーズタイトルを獲得し、ワールドチャンピオンに返り咲いたのは未だ記憶に新しいけど、表向きは「完全撤退」ってことになってるんだよね…ただ、

ホンダは形を変えて多分F1に戻ってくるんじゃないか、って実は淡い期待というか、ある種の根拠のない確信も自身の中に抱かれ始めていて…。

2022年もレッドブルとアルファタウリのエンジンは「ホンダ製」であって、レッドブルがそれを表向き運営管理していくのだけれど…この経緯も含めて、レッドブルパワートレイン爆誕とHRCによる技術サポートって、実は両者の極めて見事な政治的な立ち回りの賜物だと思ってるんだよね…レッドブルは対FIAに、ホンダもFIAとレッドブルに対して…。

ホンダ側としては、予算的にも開発の労力も莫大で、一企業としてはリスクの大きいF1を続けることのリスクに限界を感じていたし、カーボンニュートラル実現の「次世代技術」への開発に注力したい…が故に、現在の状況ではF1を継続していくことは困難と判断し撤退という決断に至ったのは、恐らく表向きの認識なのだけれど、本当は、

市販車に還元することができない技術も含めたエンジン開発に、莫大な費用をかけることへのリスクをホンダが感じていた上に、予算制限の伴わない技術競争に歯止めをかけたいと両陣営が感じていて、その思惑が奇しくも一致して、表向き「開発者としてのホンダが勇退」という形を取り、レッドブル陣営に「内燃機関の開発の凍結」という政治的なカードを引き出せるようにしたのではないか…って具合に、実は計算された動きだったんじゃないかと思ってるんだよね。「エンジンがない」ということを逆手に取ることで、ピンチを最大のチャンスにしたような印象で…まぁ、考えてみればお見事なんだよね。

あるいは、ホンダ側としても「F1界の政治」にウンザリしていた側面も大きかったのだと思う。そうでなくとも、レッドブル内でもマックス至上主義の空気の中、スーパーフォーミュラ時代からともに戦い、ホンダも手塩にかけて育ててきたような印象らあるピエール・ガスリーが、ジュニアチームで足掻いている現状と彼自身の不満もあって…どこか微妙な空気が流れていることも察知していたかもしれない、のだろうし…。

あるいは、レッドブル・パワートレインという会社は現時点でほぼ「無限ホンダ」のような印象で、そこにHRCが少なくとも2025年までは関与するという発表も、ワークスホンダ未満無限ホンダ以上の関与ということで間違いないだろうし…実質、ホンダが参戦を継続するような印象すら受けるんだよね。あるいは、ホンダとしてもこれまでは実質無償提供していた過去とは違い、「レッドブル」からお金をもらってエンジン開発を支援する「経済的なパートナー」として関係を見直した、ともいえるから…表向きは「ホンダが損」に見えるけど、そこは企業同士の取引として双方に利益が行くような着地点を見つけたというほうが正しいのかなと思う。

興味深いのが、昨年はホンダロゴがレッドブル・アルファタウリの車体のリアウイングも含め大いにフィーチャーされたけど、ああいう「義理掛け」をさらっとやってしまうのも、彼らが日本人メンタリティを理解しているのかなと凄く感じるんだよね…逆に、それを見誤ってホンダとの関係を破綻させてしまい大失敗したのが、当時のマクラーレンのザック・ブラウン氏なんだけど(笑)

彼自身は親ホンダ派(主に資金面の話)で継続を望んでいたらしいけど、保身的な政治をやりすぎたね…ただ、チームの立て直しが功を奏しているから、もうホンダの顔色をうかがう必要もないっちゃないんだけどね。今じゃインディでもシボレー勢でペンスキーを脅かす存在になってるもんなぁ…噂じゃ、ペンスキーはトヨタに鞍替えするなんて話もあるけど…おっと、雑談が過ぎてしまった(笑)

いずれにせよ、ホンダはもしかしたら…F1に戻ってくる可能性もあるんじゃないかって思ってたりする。レッドブルは2026年には「ポルシェ」と組んで参戦するなんて噂が絶えないし、本来ならメルセデス級の企業ワークスと組むことのほうが圧倒的にメリットは高いのだけれど…本音は、仕事のしやすく信頼のおける「ホンダ」に戻ってきてほしい部分も強いのだと思う。

欧米企業の場合、政治面で実は色々厄介だろうから(ルノーとのイザコザもあったしね…)そういう政治色の少なく真面目に技術開発に取り組み成果を出すホンダは、「戦略的パートナー」としても適任だという認識も強いと思う。それに日本人的メンタリティとの相性が、実は勝利に対して貪欲でドライな一方、柔軟に発想を変えられるレッドブルの姿勢にもピッタリなのかもしれないとも感じている。なので、「ポルシェの参戦歓迎」というカードも、実はホンダへのアピールでもあるのかなと若干勘ぐっていたりする…(笑)

そうでなくとも、ホンダという名前は表向きに大きく出さずに、基本的にレッドブルという看板を表において、独自開発を装いながらホンダが関与し続けるってのも十分あり得るんだよね…「うちは技術がない中苦労してるんです」ってガッツリ支援受けながら三味線弾く感じというかね(笑)恐らく、現在の交渉相手はHRCということになるのだろうけど、そういう継続のシナリオが2026年以降も起こり得ることはあると思う。

余談だけど、ポルシェとのタッグは「レッドブル側の提示額」が敷居の高さとなっているため、現在チームを再建しているウイリアムズとの契約もうわさされているらしい…あるいは、ザウバーかハース、アルファタウリ辺りのチームを丸ごと買い上げて、ワークスポルシェとして参戦する可能性も無きにしも非ず…。一番ポルシェの理想のシナリオは、レッドブルを丸ごと掌握する形での参戦なのだろうけど…ここで厄介なのはホンダが培ってきた技術の流出の問題で、自分たちで一からエンジン作り上げるのか、ホンダから莫大な額でそれを購入するのか…いずれにせよ、知的財産の面倒くさい手続きの面を考えても、ホンダに戻ってきてほしい本音は強いのだろうと感じる。

しかし、来年はF1もインディも非常に楽しみで仕方がない。俺自身もようやく体力的にも「動きたくなる体」に戻ってきていて、精神的にも安定してきているから…2022年はホントにいい年にしたいと思っている。

ヘッダー画像は、ホンダにとって実はレッドブル以上のパートナーでもある、アルファタウリのマシン…。こちらの画像では見えなくて申し訳ないけど、側面の「ホンダの文字が赤い」のはこちらのマシンで、そこには「日の丸」を表現することでホンダからの「チームへの最大限の敬意」を表しているのかなと強く信じていたりする。



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