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東日本大震災、その時俺は…

2011年は英検準1級まで合格したものの、依然としてアメリカに駐在する両親とは離れて、実家で「なんちゃって一人暮らし」の日々の続くニートだったので、3月11日は自宅にいた…というより、これまでに経験のない地震で目が覚めた。

自宅は5階建てマンションの一番上…なので、揺れ方によっては震度が低くても結構揺れることもある故、実はびっくりすることはあっても意外に目の前の揺れに対して、割と冷静な自分がいるのだけれど、この日は明らかに…何かが違っていた。

まず、棚にあったCDケースが落ちてきた。地震でモノが落ちること、これは高層階に住んでいても初めての経験だった。CD本体は無事だったが、いくつかのケースが割れてしまったのは覚えている。とはいえ、プラスチックのケースが割れただけの話なので、怪我等には繋がらなかったのは幸いだった思う。何より、割れ物の多い部屋で何事もなかったのは本当に良かった。

自宅への被害は自室のCDケース程度だったけど、テレビをつけて東北で特に尋常でないことが起きていることを認識し…ああ、やっぱりとんでもなく大きな地震だったんだと心底恐怖したのを覚えている。というより、地震以上に津波の映像…これが本当にショックだったね…。

ニュースを少し見た後にまず行ったことは、それぞれの両親の祖父祖母への連絡だった。母方のじいちゃん(故人)は東京都、父方の祖母及び叔父さんは静岡県…それぞれ東北からは離れているとはいえ、じいちゃんは一人暮らしだったし古いアパート住まいだったから特に心配だったけど、実際に確認した際は怪我等もなかったので安心したのを覚えている。とはいえ、両家ともニュースには驚いている様子だったよね…。

あとは、アメリカにいる両親に自身の安否のメール(時差があるので)したり、友達にも連絡して状況を確認し合ったり…この日のことって、揺れが大きくて目覚めたことと、ショッキングな映像と祖父母への連絡をしたことくらいしか実は記憶になくって…逆に言うなら、それ位インパクトの大きい出来事だって言うことでもあると思うんだけど…。

震災が起きた後は物資の買いだめによる不足であったり、計画停電と呼ばれる謎のアレとか…いろいろ経験したけど、まず一番個人的に印象的だったのは…

信号が光らない交差点を抜けていくドライブ

未だに忘れられないね…友達連れて、停電から外れた地域の飯屋に行くのに地元を車で運転したのだけれど…交差点の信号すらも電気が止まっているから、通過するときは怖かったよね…。自分が憶えている限りだけど、むしろ信号のシステムが停止しているのに死亡につながる大事故が起きなかったと思うのが信じられない位…。日本の交通システムの効率性の問題は確かにあるけど、改めてシステム自体が存在することへの安全への貢献を凄く感じた時だったと思う。

あるいは、原発関連の情報で随分人が疑心暗鬼になっていくさまも凄く覚えている…あまり詳細は言えないけど、お袋がアメリカにいる中で色々な原発に関する、あーでもないこーでもない情報をメールで送られてくる中でパニックになっちゃって、「すぐアメリカに来てほしい」とか言われたのも忘れられないよね…日本の土地は汚染されて住めないだの、海外に行った方がいいだの色々見たら、日本の事情を知らないとパニックになるよね…。

それに、原発関連でツイッターでフォロー先同士がモメたりする光景も何度見たことか…何処何処産のは汚染されているから買わないほうがいいとか、既にメルトダウンが起きていてどうとか…実際起きていたけど日本沈没するとか色々、まぁ凄かったよね…。けど俺はここだけの話、事故があった後に忌避されていた福島産のコシヒカリ無洗米、普通に買ってたんだけどね…スーパーで売ってる中で値段も手ごろでおいしかったし…正直、あまり流されないようにはしてた。ちなみに、今のコロナの状況ってそういうことが1年以上続いている形になるから、ハッキリ言って相当堪えるよね…。

一方で、自分が敬愛してやまないエガちゃんこと江頭2:50…いや「江頭秀晴さん」が、福島や宮城の老人ホーム等に単身しかも消費者金融で借金をする形の自腹で物資を届けた話は本当に…今聴いてもちょっと涙出ちゃうし本当に粋だよね。放射能による被曝だけでなく余震による事故等のリスクだってある中で…本当に凄い。何より、彼の壮大なプロジェクトを信じて協力を惜しまなかった方々の姿もあって、もう彼自身の人柄も感じるよね…。

後に誰かにそのことがバラされちゃって、本人が配信番組でその話をした後に、女性MCの早川亜希さん(「江頭使い」として名高い女優さん、実はご本人もエガちゃんに負けず好奇心旺盛でメンタル凄い方だと思ってる…/笑)に「好感度を落とす」っていつものテンションに戻った話も大好き(笑)エガちゃんは芸風は過激で下品で嫌われてなんぼ(というより引かれる感じ)のスタンスだけど、裏返しで人柄は優しいというか…本当にステキというか…大好きです。

何より、多くの方が犠牲になったって話も次第に耳に入るころになってきて…個人的に、生島ヒロシさんが妹さんも含めて亡くなられた際のインタビューでの表情が、本当に頭から離れない感じで…改めてWiki確認したら、今も義理の弟さんの発見に至らず、お母様の遺骨と位牌も消失してしまったという…言葉が出ない…。noteでもいくつか記事を拝見させて頂いたのだけれど…なんだろう、本当に自分が同じ立場になったらとか考えることでも難しいというか…まだ、大震災はそうした方々の心の中では終わっていないと強く感じたよね…。

実は社会復帰してから、一度仙台と福島へ「青春18きっぷ」を使って旅行したことがある。単に、両親が使った分が3回分余ったので(18きっぷは5回分乗り放題が使えるので、1人旅なら3日分…)折角なので行ったことのない東北へ行ってみようと…とはいえ、普通列車で行くのは本当に時間がかかるし乗り継ぎも大変!(笑)どちらも初めて足を運んだけど、仙台はとてもきれいな街だって実は今まで知らなくって、本当に感動したよね。福島はクルマで訪れるほうが楽しいのかなと思ったので、いずれにせよ時間とお金が再びできたら訪れたいと思っている。

そして、この10年で俺自身が変わったこと…しいていうなら、万年ニートと思われた俺が、一度社会復帰してほぼ無遅刻無欠勤(一度だけ腹壊して欠勤し、何度か列車の人身事故で避けられない遅刻はあったが…)で仕事を続けて、望まない昇進を中途半端な気持ちで受けてしまって、仕事にさらに違和感を感じた頃に体調を崩して…今年は生き方や考え方も変えないとなって思ってる。社会にどう自分を無理やり当てはめるのか…ではなく、どうやって自分をフルに活用して生きていけるか…。幸い、今の時代は社会が変わらないとリアルに生活に影響する時代になったから、そういう意味では自分の居場所を見つけられるのかなって思ってたりはする…。

余談ですが、現職で知ることになったのだけれど…震災関連の著書として「アポリア」という、いとうみくさんの作品が面白かったのでお勧めします。俺は特にニートで半引きこもりだったから、意外と主人公に共感してしまう面があったかな…。

#それぞれの10年

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