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読書感想 「モモ」 ミヒャエル・エンデ

pp.1--21

モモの引っ越し祝い。決して豪華なものではないけれど、大事なのは「心がこもって」いるかどうかということ。分け合うって大事。

pp.23--84

道路掃除夫ベッポの言葉
「(長い道路のことを)一度に道路ぜんぶのことを考えてはいかん。
次の一歩のことだけ、・・・するとたのしくなってくる。」
僕たちがやっているあらゆることにも通じる言葉だと思う。目の前のことを、きちんとすることが大事。

「彼らは、頭のてっぺんから足の先まで、クモの糸のような灰色をした服に身を固めていた」
僕は、前から不思議だった。銀行員は、どうしてあんなに金のかかるスーツを着ているのだろう。制服でも良いようなものを。まさしく、灰色の男たちだな。

pp.85--121

相手への思いやりを持って接する時間って、無駄なものじゃない。でも、灰色の男たちは、それを無駄だと吹き込んでいく。ゴリラの本にもあったけど、誰かと時間を共有するって、大切なことだ。

「時間を倹約すれば、二倍になって戻ってくる!」
なんて簡単な嘘を、信じてしまう。楽して得をしようという甘い考えが浮かんだ人間に、灰色の男たちはつけこんでくる!

「完成されたおもちゃ」の話。
高価な完成されたおもちゃは、空想を働かせる余地が全くない! 僕はというと、子供と一緒に、工作をして楽しむことが多かった。特に喜んだのは、プラスチック成形で出た端材や不良品を使った遊びだった。

pp.122--165

ビビガールの話。
僕はこのビビガールと同じような人間を身近に知っている。僕と会うと、必ず同じ言葉を返してくるし、僕が質問しても、同じ言葉が返ってくる。まさに「ビビガール」だ!ちょっと怖い。

もしかすると、考えることができない人間のことを、ビビガールって呼ぶのかも。そして、ビビボーイを出した灰色の男は、モモの前で、灰色の男たちの秘密をどんどんしゃべってしまう。こんな状況、現実に僕にもあった気がする。僕の目の前の人も、うろたえながら、去っていったけど。

pp.166--230

甲羅が光る、一匹の大きなカメさん、カシオペイア登場!光る甲羅には文字があらわれて、話ができる!しかも、少し先の未来まで見えるから、誰にもぶつからない!

「ダイジョウブ」「シンパイムヨウ!」

モモを守ってくれる強力な味方!マイスターホラが作ってくれた朝食は美味しそう! 美味しいパンと、飲めるチョコレートがあることにモモはびっくり。マイスターホラがモモに次のように言う。

「もし人間が死とは何かを知ったら、こわいとは思わなくなるだろう」

「私は時間を配るたびに、(死とは怖くない)と言っているのだが、人間はいっこうに耳をかたむけない。死を怖がる話の方を信じたがる」

不幸が好きな人間の性のようなことを言ってるのだろうか。

pp.231--273

モモが時間の家でマイスターホラに見せてもらったのは、自分自身の時間のみなもとだった。それは、あらゆる星たちが、自分に語りかけてくれている「声」だった。時間を表現するミヒャエルエンデの美しい言葉に圧倒される。

<ドコニモナイ家> から円形劇場へ帰ってきた時、カシオペイアをモモは再び見つけて、話しかける。でもカメは答えない。理由は<ショクジチュウ>だから。かわいい!

<ジジの話>
モモを助けようとするジジが、灰色の男にそそのかされて、嘘つきジロラモになった部分。ジジは自尊心を無くしてしまった。

<ベッポじいさん>
灰色の男に会ってから、働き方まで変わってしまった。モモを救うために、自分に嘘をついてまで。

誰もいなくなった円形劇場に、カシオペイアだけがいて、「ワタシガツイテイル!」って言ってくれた時、僕も嬉しかった!

pp.274--331

<ニノのレストランで>
ニノのレストランがファーストフードになっていて、そこでモモはジジに奢ってもらうことに。カシオペイアをトレーに載せて、食事をとって回る。カシオペイアって、トレーに乗るくらい小さくて軽いんだ(^^)かわいい!

<ジジの話>
「人生で一番危険なことは、叶えられるはずのないはずの夢が叶えられてしまうことなんだよ」

相手のことを思う時、不安は、勇気と自信に変わる。これは、モモが体験したこと。「相手のことを、思う」って言うのがやっぱり大事だな。人間の正しい力の源は、この相手への「思いやり」にある。

pp.332--396(読了)

「(マイスターホラへの)ミチハ  ワタシノナカニ アリマス」

カシオペイア、すごい。そして灰色の男たちとのモモの最後の戦いが始まる。カシオペイアも、「ワタシモ イッショニ ユキマス!」と言ってくれる。心強い!

戦いが終わって、カシオペイアは、風邪を引いてしまった。灰色の男たちの冷たい風に当たりすぎて、頑張りすぎたんだね。ゆっくり休んでほしい。

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